にれっちのつれづれ日記

本州最北端の小児科医にれっちの独り言(^^)

MRワクチンの予約制限を解除します

2019-01-29 17:49:04 | お知らせ
MR(麻疹風疹)ワクチンの供給制限のため、どんぐりでも予約受付を一部制限していましたが、卸さんからの連絡があり、制限が解除出来ることになりました。
2期で順番待ちをしていた方には、明日以降受付から正式な予約の連絡をいたしますので、お待ちください。
また定期接種以外の年齢(成人を含む)についても、予約を再開いたします。
麻疹に罹患したことの無い人は、MRワクチンの2回接種を是非とも行ってくださいね。

二度目のインフルエンザA型罹患に注意

2019-01-24 16:50:34 | 病気のはなし
インフルエンザが大ブレークし、下北地区も警報発令となりました。
現状では下北地区はすべてA型の報告(県内では一部でB型の報告もあり)ですが、県が行っているウイルス診断では、これまで圧倒的だったAH1pdm09に加えて、AH3(香港)が出てきているようです。
  >>> 青森県感染症発生状況はここをクリック
全国的には3種類の混合流行となっていて、ワンシーズンに2回のA型に罹患する人も増えているようです。
県内でも同じように複数流行となることが予想されるので、すでに1回(AH1pdm09)おそらく罹った人でも、再度A型やB型に罹ることもありますので、注意が必要です。
ワクチン接種をしないうちに罹ってしまった人であっても、ワクチンはA・Bの両型各2種の混合になっているので、未罹患のタイプへの対策として接種を検討してくださいね。

また、インフルエンザ様の経過でありながら、約1日が経過した時点での検査が陰性の人も散見されています。
インフルエンザが流行しているからと言って他の感染症が発生しないわけではないので、インフルエンザだけに注目し過ぎないことにも(患者さんだけではなく、我々医療者も)注意が必要ですね。
いずれにしろ、最も大切なのは病名ではなく病状ですから、症状・経過・所見をしっかり診て、適切な判断を心がけたいと思います。

診察前の「○○の検査希望」は医療保険のルール違反です

2019-01-16 18:30:27 | 病気のはなし
インフルエンザA型がとうとうブレークです。
年末からは大人中心の発生でしたが、ここにきて、保育園、学校を問わずに流行し始めました。
今流行中なのは2009年に大流行したH1N1pdm09ですが、発熱は比較的軽め(最高温度、持続日数とも)のようです。
ただ、熱が下がったころから咳が強くなる様子がありますから、しっかり加湿をして、水分を十分にとって、ゆっくり休むことが大切です。

こうした流行期に入ると、診察前に記入してもらう問診票に「インフルエンザ検査希望」とか、「学校(職場)でインフルエンザ検査を受けるよう言われた」などと書かれていることがあります。
家族がインフルエンザに罹っていないかと心配する気持ちや、学校や職場が流行を懸念していることは理解できますが、これは医療保険制度上はルール違反になります。
診察を受ける前に特定の検査することを強く希望される場合には、健康診断と同様の扱いとなり、診療に関わる全ての費用(診察料や処方箋料なども)が自己負担となってしまうのです。

インフルエンザ流行期に発熱があったとしても、他の疾患によるものかもしれませんから、医療機関としては、インフルエンザのみをチェックすればいいわけではありません。
実際に、溶連菌やマイコプラズマ、アデノウイルス、RSウイルスなどによる発熱や咳であることも少なくはありません。
そのため、症状やその経過、診察しての所見などから、最も疑わしい疾患を見立てて、その際に鑑別をすべき疾患を考えたうえで、検査を行う必要性を検討しています。
ケースによっては、検査なしで診断がつく場合もあれば、いくつかの検査を組み合わせて行うことが必要な場合もあります。
こうして作り上げた見立てに従って、さらには薬物治療の必要性を検討して、ようやく診察が成り立つのです。

もし何か特定の疾患が心配な時には、「○○ではないかと心配です」とか「学校・職場で○○が発生していると聞きました」などと、心配な点を伝えるようにしてください。
それを受けて診察をした結果必要性があると判断すれば、当然のことながら医療保険で検査を行うことができます。

これは、インフルエンザのみならず、胃腸炎の時のノロウイルス検査や、蕁麻疹や湿疹などの時のアレルギー検査でも同じことです。
知る必要があるのは単なる病名や原因ではありません。
それがどういう疾患で、これからどう経過していくのか、どんな治療が必要で、家庭では何をすればよいのか、ということです。

患者さんやその家族と医療者とが手を携えて病気に対峙していけるよう、よい関係を作る努力をお互いに心がけたいですね。


MRワクチンの予約受付を制限します

2019-01-15 17:21:43 | お知らせ
MRワクチンの供給が全国的に不安定になっていますが、とうとうここ下北地区にもその影響が出てきました。
どんぐりでは、現在1月中に接種を予定している方の分のワクチンは確保できていますが、その後どの程度供給されるかが分からない状況です。
そのためMRワクチンの予約受付を一時制限することにしました。
一定数の供給が確保されるまでは、入荷したワクチンは1期(1歳児)を優先に接種しますので、希望の方は受付で仮予約をしてください。
入荷が決まり次第、正式な予約として日程を組むための連絡を致します。
もし近日中に2歳の誕生日を迎えてしまう場合は、他の医療機関に確認するか、市役所(健康づくり推進部予防・医療課)や町村役場にご相談ください。
2期(4月に小学校入学)の方については、1期に目途がつけば接種を再開するという前提で、2期の順番予約を受け付けますが、年度内に接種が可能かどうかは不明です。
その場合の対応については、現在むつ市と交渉中ですので、今しばらくお待ちください。(他町村の場合は、直接役場にご相談ください)

インフルエンザが増え始めました

2019-01-05 14:32:06 | 病気のはなし
下北地区ではクリスマスまで鳴りを潜めていたインフルエンザですが、冬休みに入って人の移動が多くなったことも影響してか、年末から発生報告が上がり始めました。
むつ病院の感染症情報では12/24~30の週に17名(うち15名は15歳以上)が報告され、どんぐりでも2名の家族内感染が見つかりました。
そして年明けの今週は、金土の2日間の診療で3名(いずれもA型)が確認されました。
職場や保育園はすでに再開されたので、そこを中心にグングン増え、さらには学校や幼稚園の三学期が始まれば、一気にブレークすることが予想されます。
インフルエンザの感染は、本来は飛沫感染(くしゃみや咳)なのですが、空気が乾燥しているとフワフワと漂い広い範囲に広がるため、湿度が低い場所では爆発的に広がるのが特徴です。
現状の暖房は乾式(水蒸気の出ない)なので、むやみに室温を上げないようにして衣服で調整し、加湿器の使用や洗濯物を干したりして湿度を上げるように心がけましょう。
マスクは、ウイルスの侵入防止効果は低いものの、感染者からの飛沫感染防止には一定の効果があること、自分の呼気の湿気を逃がしにくいことから、上手に利用することをお勧めします。