にれっちのつれづれ日記

本州最北端の小児科医にれっちの独り言(^^)

2017年の診療を終了しました

2017-12-30 12:37:54 | つれづれ
今日の午前中で2017年の診療を終了しました。
まだインフルエンザはチラホラ見られる程度でしたが、年末年始の人の動きで加速することが心配されます。
うがい・マスク・手洗いをしっかり行い、きちんと休息もとってくださいね。

今年一年ありがとうございました。
来年も少しでもむつ下北の子どもたちの役に立てるように、職員一同がんばります。
良いお年をお迎えください。

今年もあと1週間

2017-12-25 08:49:11 | お知らせ
いよいよ2016年も残すところあと1週間になりました。
どんぐりでは、今年はカレンダー通りに12/30土午前中まで診療を行います。
ただし明日26火は所用のため16:45で診療を終了、予防接種については27水までとなります。
29金・30土については、保険診療の規定により6歳未満のお子さんは休日加算料金となりますので、予めご了承ください。
冬休みで人の移動も多くなり、下北地区でもインフルエンザの流行が心配されますので、うがい・マスク・手洗いなどの予防もしっかり行いましょう。

今年度のインフルエンザ土曜集中接種は終了しました

2017-12-18 10:36:59 | お知らせ
いよいよ2017年も残すところ2週間となりました。
県内でもインフルエンザが流行期に入ったとの報道がありますが、下北地区ではまだ散見される程度のようです。
今年はインフルエンザワクチンの供給が前年よりも少ない上に供給時期も遅れ気味のため、全国各地で混乱が生じているようですが、幸いどんぐりでは予約者全員に接種が出来ている状況です。
土曜午後の集中接種は12/16で終了となりましたが、朝昼の予防接種枠では1月末まで可能ですので、まだ接種していない人や2回目が済んでいない人は、なるべく早めに接種をするようにしてくださいね。

ホクナリンテープは咳止めではありません

2017-12-15 16:14:24 | 病気のはなし
マイコプラズマやRSウイルスなど咳が主要症状の感染症が増えてくると、来院時に胸にホクナリンテープ(一般名ツロブテロール貼付剤)を貼っているお子さんを見受けることが多くなります。
「お子さんは喘息と言われたことがありましたか?」と聞くと「いいえ、咳がひどいので貼りました」というケースが大多数です。
「どこを受診して、どういう病名で処方されたのですか?」と聞くと、「耳鼻科です」とか「以前もらったのを貼りました」という答えが返ってきます。
「ホクナリンテープは本来は喘息で狭くなった気管支を広げる薬で、咳を止める働きはないって知っていますか?」と聞くと、「えっ?そうなんですか??」と初めて聞いたような反応をすることも多くみられます。
つまりは、気管支が狭くなっているという状態かどうかの確認もせずに使われていることがとても多いということです。

これは主に処方する医師の側の問題です。
以前のような(私自身もやっていた)「出ている症状を消してしまおうと、一つ一つの症状に薬を当てはめていく」治療をしたり、「なんとなく効果があったようだからと経験に頼って」薬を出すことが、目的に叶わない処方になるのでしょう。
簡単に言えば、鼻水が出たら鼻水止め(抗ヒスタミン剤)、咳が出るから咳止め(鎮咳剤)、痰があれば痰切り(去痰剤)、熱が出たり・喉が赤かったり・鼻汁に色がついたら抗菌剤、咳がひどかったらホクナリンテープ(気管支拡張剤)という、市販の風邪薬の医療バージョンのことです。

咳が出ると言っても原因は一つではないのですから、本来その機序(何故そうなる?)に応じて治療が組み立てられなければなりません。
もしも鼻水がうまくかめなくてすすり上げたり飲み込んでしまったりして、それを出すために咳をしているのならば、それは鼻掃除の咳ですから、咳を止めることが良い治療とは言えません。
部屋の湿度を高くして、水分を十分に摂って、去痰剤で鼻を柔らかくしたうえで、鼻水をかませたり吸ったりして喉に落ちるのを減らせば、咳は勝手に減っていくはずです。
鼻が詰まったり、喉がカサカサしたりして、それが刺激になっている咳も同じことですね。
そうした原因に対する対処をしているのにもかかわらず、咳が多すぎて辛くて困っているというならば、その時は鎮咳剤で和らげることも悪くはないでしょう。
一方で喘息があって気管支が狭くなって息苦しいために咳込んでしまっているのならば、鎮咳剤は役に立たず、気管支を広げてあげることで呼吸が楽になって、結果として咳が静まります。
ここがホクナリンテープ(気管支拡張剤)の出番です。

このいずれの場合にも、鼻水止めと呼ばれる抗ヒスタミン剤には出番はありません。
第一の理由は、鼻水は鼻に入ってきた異物を包んで外に排泄するためのもので、悪い症状(無くせばよい)とは言えないからです。
第二の理由は、抗ヒスタミン剤を使うと分泌が多少減りますが、それ以上に鼻や口が渇いて、かえって咳を誘発する可能性が高くなるからです。
では抗ヒスタミン剤は何のためにあるの?というと、アレルギー症状をコントロールするためと考えるのが良いでしょう。
花粉症、鼻炎、蕁麻疹などのアレルギーは、本来反応する必要のない物や状況に過敏に反応して起こっているので、身体にとって有益ではないので薬で症状を消すことが良い結果に繋がるのです。

一口に「たかが風邪」といっても、実はとても奥が深い、難しいものなんですよね。
医療者と患者さんが協力して、よりよい治療を行えるように、これからも努力していきたいと思います。

こども靴の正しい選び方、知っていますか?

2017-12-15 09:32:59 | つれづれ
「すぐ大きくなって履けなくなっちゃうから、ちょっと大きめの物を」「柔らかい方が履きやすいよね」「可愛いキャラクターが大好き」
でも、本当にそれで大丈夫なのかな??
小さい頃の足の発達は、その後の運動能力はもちろん、頭の発達にとっても大事なことです。
9月の外来小児科学会で、アシックスジャパン株式会社が「足にいいクツって、どんなクツ?」という小冊子と、子どもの足の大きさを図るゲージを展示していたので、それを提供していただきクリニックの玄関に置くことにしました。
是非皆さんも、子どもの靴について考えてみてくださいね。^-^

RSウイルスとインフルエンザ

2017-12-08 13:44:24 | 病気のはなし
雪が多く寒い冬になりそうな雰囲気が漂っていますが、冬の感染症も続々出てきています。
その中でも注意が必要なのは、乳児や幼児のRSウイルスとインフルエンザです。

RSウイルスへの感染は年齢に関係なく一生中何度でも起こります。
大人や年長児では単なる鼻カゼ程度で済んでしまうことが多いのですが、乳児や1歳代の幼児が感染すると最も細い気管支まで到達してまるで喘息のようにゼーゼーヒューヒューして呼吸困難になる細気管支炎を起こすことも少なくないため、小児科医の間では要注意とされています。
ウイルスを抑える薬が存在せず、喘息と違ってホクナリンテープなどの気管支拡張剤の効果もわずかのため、症状が重い場合には入院治療も必要になりますから、最初は38-9℃の発熱と鼻水やちょっとした咳だったものが、息苦しそうな咳をするようになったり、胸がゼーゼーしている感じがしてきた場合には、早めに医療機関を受診しましょう。(あまりひどければ夜間救急の受診も考えましょう)

インフルエンザも全国的には流行が既に始まり、県内でも津軽地方でも増加しています。
下北地区では先週までは報告が0件でしたが、今週になってインフルエンザA型が出たという情報が入ってきていますから、注意が必要です。
テレビ等では「早めに医療機関受診を」と言っていますが、外来で簡単にできる迅速診断キットではウイルス量が少ないと陽性反応が出にくいため、急激に症状が悪化しているのでなければ、最低12時間、できれば24時間くらいたった時点で受診することをお勧めします。
抗インフルエンザ薬を服用すればウイルスの増殖を抑制することができるので、発熱の期間がA型で1~1.5日程度短く(B型ではそれ以下)なりますが、すぐに治るとか、合併症を起こさないといった強い効果は期待できませんので、あくまでも自身の治癒力(免疫力)を十二分に発揮できるように、十分な休息と水分・栄養摂取が基本です。

いずれの病気も、空気が乾燥していると感染しやすい傾向がありますから、部屋の加湿(湿度計の数値より、洗濯物の乾き具合でチェック)を心がけてください。
もちろんマメな水分・うがい・マスク・手洗いも忘れずにですよ。

きたかぜとたいよう

2017-12-05 15:56:13 | つれづれ
心に余裕がないと、ちょっとしたことでイラついて、身を固めて相手に北風を吹かせてしまいます。
その時に相手の方にも余裕がないと、互いに身を固め合って、どんどんと心が離れて疑心暗鬼になっていきます。
するとますますイライラして・・・負のスパイラルに入ってしまいますね。
一つ深呼吸をして、「相手にもいろいろ事情があるんだろうな」と思って、太陽の光で固まった心を温めて歩み寄りたいものですね。
まずは自分自身の周りから、そして国と国との間でも。

咽頭結膜熱が流行中です

2017-12-04 13:23:43 | 病気のはなし
このところ高熱と眼の充血・目やにを訴えて受診するお子さんが増えています。
そうしたケースの多くがアデノウィルスによる咽頭結膜熱(俗称プール熱)と診断されています。
アデノウイルスには沢山の型があって、咽頭結膜熱の他にも、滲出性扁桃炎(高熱のみ)、流行性角結膜炎(はやり目)、急性胃腸炎などの原因になります。
咽頭結膜熱や滲出性扁桃炎では、39度前後の高熱が5日間くらい続きますが、その割に元気が良いのが特徴です。
眼の症状が強い場合には、ステロイドの点眼が必要になる場合もあるので、小児科だけでなく眼科も受診することになりますが、感染力が強いので、いきなり受診ではなく、予め電話で連絡してからの方がよいでしょう。
小児科での治療は症状を和らげる対症療法のみなので、元気も良く、食事もとれているようであれば、自宅でノンビリ過ごすのが基本です。
一般的なカゼの発熱の場合には、解熱後丸一日が経てば発熱は心配なくなったので集団生活も検討してよいとなりますが、咽頭結膜熱の場合には丸二日経過が必要なので注意してください。

いよいよ2017年も残り1か月

2017-12-01 17:15:43 | つれづれ
今日から12月、2017年も残すところあと1か月となりました。
世の中では「12月=師走=忙しい」ですが、どんぐりは、、、一般診療もインフルエンザ予防接種もどちらも暇です。T_T
とは言っても、インフルエンザの流行が全国的にも、青森県内でも始まったようですから、皆さんはなるべく医療機関のお世話にならないように、うがい・手洗い・マスクなどの予防対策をしっかりしましょうね。