にれっちのつれづれ日記

本州最北端の小児科医にれっちの独り言(^^)

インフルエンザB型も出現!

2015-01-26 16:21:56 | 病気のはなし
現在インフルエンザA型(香港)が大流行していますが、今日B型の患者さんが見つかりました。
A型香港、A型pdm09、B型はそれぞれ別の疾患なので、1シーズン中にインフルエンザに複数回かかることがあり得ます。
症状や診察所見で型を判別するのは困難なので、必要に応じて検査を行いながら治療計画を立てることになります。
もうすでに罹ったという人も、安心しないでしっかり予防(栄養、休養、うがい・手洗い・マスク)をしましょうね。

無理な(治りかけの)登園・登校は避けましょう

2015-01-23 11:10:17 | 病気のはなし
むつ地区もインフルエンザ(A型)の警報発令となりました。
罹患者はうなぎのぼり、学級閉鎖などの措置も次々出てきています。
インフルエンザの診断を受けた場合は、発熱から5日間(基本的には初日を0日と数えます)かつ解熱後2日(未就学児は3日)以上経過するまで登園登校禁止となりますが、検査で陰性だった場合や、症状が軽く検査を行わなかった場合でも、インフルエンザが完全に否定されたわけではないので、注意深く観察することが必要です。
朝熱が下がっていて元気だったから、、、と治りかけで慌てて登園登校させると、無理(園や学校は子どもの仕事です)をして症状が悪化する可能性があるばかりではなく、周囲の人にウイルスをばらまいて感染を拡大させる事にもなります。
発熱について言えば、最低でも丸一日、今のようにインフルエンザ流行時はできれば2日間の様子を見てから登園登校させるようにしましょう。
もちろんマスク、うがい、手洗いなどの対策もしっかりとしましょうね。

インフルエンザ急増中です!

2015-01-13 10:36:55 | 病気のはなし
年末年始に全国的な人の交流があった結果でしょうか、ここにきてインフルエンザA型(香港)が急増しています。
これから学校や幼稚園も3学期が始まるので、勢いがどんどんと増す可能性が大です。
食事と睡眠をしっかりとって、うがい・手洗い・マスク着用をして、感染拡大の防止に努めましょう。
症状が軽ければ治療は通常の風邪と同じで構いませんが、感染力が強いので「解熱後2日(未就学児は3日)」が経過するまでは自宅療養をしてください。
罹ったかな?と思っても慌てずに、症状が重くなければ1日様子をみてから受診を考えましょう。
小学生以下で2回目のワクチンがまだ済んでいない人は、なるべく早く接種を済ませましょう。
もし今回罹患したとしても、もう一種類のA型(pdm09)やB型に対する免疫獲得のためには、2回目の接種が必要です。

この発熱ってインフルエンザ? でも慌てないで

2015-01-06 09:03:37 | 病気のはなし
今年も八戸・上十三地区からインフルエンザの流行が始まり、いよいよ下北地区も流行開始かという状況になりました。
テレビでも盛んに報道されていることから、「発熱=すぐ受診して検査、投薬が必要」と誤解している人が多いようです。
以前からブログに書いていますが、「インフルエンザ=全員が重症になる」わけでも、肺炎や脳炎・脳症などの重い合併症が高率に起こるわけでもなく、多くの場合は発熱・関節痛・咳などの症状が数日間続く軽症タイプです。
また不顕性感染と呼ばれる無症状(だが他人への感染力はある)の人が2-3割もいる事もわかっています。
「発熱した。インフルエンザかもしれない。大変だ~!」と慌てずに、まずはお子さんの状態をしっかりみてあげましょう。
もしもグッタリしている、とても辛そうにしているという場合は、医療機関を受診することが必要です。
インフルエンザは勿論、他に鑑別が必要な疾患も含めての検索と、治療方針の決定を行います。
熱は高い(最初はちょっと辛さもあるでしょう)が水分摂取はできていて、テレビを見たりは可能ならば、一晩様子を見ましょう。
(インフルエンザウイルスはおおよそ8時間で10倍になると言われていますが、医療機関が行うインフルエンザの検査はウイルス(の塊)が数千~万個ないと陽性反応を示さないため、半日程度ではまだ数十倍にしか増えておらず反応しない=検査上は陰性になる可能性があります)
翌日には自然に解熱しているようなごく軽症ならば、解熱後2日も経てばウイルスの排泄もほとんど問題ないレベルに下がりますから、自宅安静のみでも大丈夫です。
まだ熱が続いていて辛そう・心配という場合には、医療機関を受診することを考えましょう。
インフルエンザの診断は、厚生労働省の感染症発生動向調査による基準で、「1. 突然の発症、2. 38度以上の発熱、3. 上気道炎症状(せき、鼻水、いん頭痛)、4. 全身症状(筋肉痛、全身けん怠など)の4項目を満たすとき」もしくは「上記の4つを満たさない場合でも、迅速診断キットにより病原体の抗原が検出されたとき」とされていて、必ずしも検査は必須ではありません。
また学校の出席停止についても、学校保健安全法という法律で「校長は、感染症にかかつており、かかつている疑いがあり、又はかかるおそれのある児童生徒等があるときは、政令で定めるところにより、出席を停止させることができる」とされていて、必ず医療機関を受診する必要があるわけではなく、症状等から感染が濃厚に疑われる状態であれば学校(校長)の判断で出席停止にできるとことになっています。
大切なのは診断名ではなく、適切な治療と感染拡大の防止です。
インフルエンザはカゼの一種ですから、治す(ウイルスを殺す)薬はなく、休養と栄養、対症薬(熱や咳を和らげる薬)が治療の基本です。
抗インフルエンザ薬はウイルスの増殖を抑制して自分の体(免疫力)がウイルスを排除する助けになるので、症状が辛い人にとっては有益ですが、もともと軽症の人にとっては必須のものではありません。
症状が治まってきても、登園・登校は子どもにとっての「仕事」ですから、体に大きな負担がかかります。
熱が下がったからと無理をさせるのではなく、集団生活に耐えられる程度に回復するのを待つことが大切です。
またそのことが周囲への感染拡大に対する一番の予防策でもあります。
正しく知って、正しく対処する、そのために必要なお手伝いをしますので、心配な時はどうぞご相談ください。