



冬になると籠もって挿絵のイラストを描いているのが感染が流行っているときは心地よい。私のデスクの上には、いつも絵具が出しっぱなしであり、筆洗には水が張ってある。いつでも描けるようにだ。
だが果たして今年はそんな時間があるだろうか。というのも先ず2月に提出する学術論文がある。この資料を集めに沖縄へゆかねばなるまい。それに3DCGの制作もある。残された時間をみると頭がパニックになりそうだ。だから年末多忙!、それは私だけじゃないが・・・。
それでも小説の舞台である冬の小樽の街を撮影した画像を眺めながら、来年も訪れたいと思う。
この街を再度訪れたのは官能小説の舞台だったとする法外な動機もあるが、雪積もる積丹半島美国という集落を発見したことや小樽のおどろおどろしい街の冬の魅力にひかれたからだ。
もちろん北海道には、これ以上に魅力的な風景は数多いはずだが、積丹・小樽で私は満足している。二つのポイントは豪雪でも動くバスで容易に行き来でき、全ての交通網がストップする吹雪の時にも滞在したが、飲み屋に顔を憶えられ、銭湯が付設された居心地の良いホテルがあり、街が歩ける規模であり、次第に冬の一寸だけ小樽暮らしのテリトリーができてきた。
いろんなところを徘徊する旅もあるが、気に入ったら同じ場所を毎年訪れる旅もある。毎年訪れていても気候や見えてくる風景は異なり、そこが面白い。撮影するならば、多少の土地勘が必要であり後者のスタイルになる。そんな発見が出来るのは幸せである。そして吹雪く小樽の街を見ながら小説の登場人物達を重ね合わせてゆくのは、旅をする楽しさを幾重にも増やしてくれる。なるほど作家には、そんな愉しい世界があったのか・・・。
街を訪れるならば、その町を舞台にした小説ぐらい書いていてもよい。そんなクリエイションは、人に読んでもらうというよりも私の旅のために書いている。クリエイションしている人だけが感じられる旅のテイストでしょう!。
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iPhon13pro
モノクロ画像
積丹半島・美国、小樽市内(2021年3月2日)
NIKAON F3 CarlZeiss Planar50nn/F1.4、Tri-X400