Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

エッセイ739. AI=GPU➡IMC

2024年06月30日 | field work

 AIが流行である。なにしろNHKもAIによる音声ですとわざわざコメントするぐらいだから、そんなにもったいぶっているのはAIが珍しいのだろうか!?。だが急速に私達の生活の中にAIが入ってきている事は確かだ。
 AIのハードはGPUチップの事。行列演算を超高速でおこなうチップである。トップ画像(注1)はNVIDIAのAIチップの価格。1,000ドルというと本日の円レートで16万円ぐらいだろうか。高いな。もっと安いのがないかと思い秋葉原の店頭価格(注2)を見ていた。最安で54,000円というのがある。そういえばMacも随分前のNVIDIAを積んでいたな。
 ですからマシンのコーチワークができればAI搭載のPCをつくることができる。当然既に誰かがやっている。コンピュータ好きにとっては、既にAI搭載のハイスペックPCをつくり最先端の世界を走り回っているだろう。今のパソコンはアッセンブリーの集合体だから組み立てるのは勉強すれば工学系ならば容易だ。
 私は建築屋なのでPCのメカニズムは勉強していないが関心はある。大学院の頃、同級生に手作りPCの内部を見せてもらった。なんだ空洞ばかりじゃないか。これでどの程度の性能と尋ねたら、『PCとしてはすこぶる最速じゃないですか』という返事。つまり市販のPCよりは、はるかに高性能なわけだ。それが当時の価格で15万程の部品代がかかったそうだ。この頃より10年ほど後に市場に登場した小さな最安デスクトップPCが30万以上した時代の事である。
 もちろんMacOSだって規約違反だが自作PCに入れられる。Macは高いから自作PCにインスートルしたとする映像があった。
 今でもPCお宅は自分でAIチップ搭載のPCを組み立てているだろう。その方が高性能だから。そう思ったら既にYouTubeの動画があった。
 今は、GPUからIMCと呼ばれる新しいチップの開発が急がれている。以下に記事を引用(注3)しよう。
「イン・メモリー・コンピューティング(In Memory Computing:IMC)※2チップ」である。IMCには、コンピュータの基本構造を「ノイマン型」から「非ノイマン型」へと刷新し、これまで分離していたメモリーとプロセッサーの機能を融合させ、デジタルデータをあえてアナログ化させて処理するといった、コンピュータ技術を根底から再構築する斬新なアイデアが盛り込まれる。」
 まだまだ進化を続けるAIの世界である。いまの AIチップでよければ秋葉原で売っている。AI社会はアキバレベルの話しだったか・・・。

秋葉原の価格表

注2)めちゃ推し!:https://mechaoshi.com/29/
注3)一歩先の道しるべ、密かに進化するAIチップ:https://mechaoshi.com/169/
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エッセイ738. 夏の空気

2024年06月29日 | field work

 NIKKAがフィリピンの聖週間の画像を送ってきた。このブログでも過去に一度取り上げた記憶がある。たしか1週間のいわれがあったと記憶している。WEBマイペディアから引用する。
「キリスト教会暦で復活祭前の1週間をいい,英語でHoly Week。枝の主日に始まり,復活徹夜祭,聖木曜日,聖金曜日など,イエス・キリストの受難と死を記念する行事が催される。」
 この頃フィリピンの季節は2つしかなく、そろそろ乾季から雨季へと季節が向かう頃かもしれない。雨季と言っても毎日夕方からスコールが来る暑い夏の事である。だから雨季への備えでも始める頃だろうか。いや、そんなことはしないと思いつつ、NIKKAのアパートは、昨年水害に遭った。今年は引っ越したいと騒いでいたが親戚の葬式が1週間続き、忙しがったらしい。そんなことは日本にいては、リアリティがない。
 あの混沌のフィリピンか。それとも沖縄でダイビングか。この季節は迷うほど夏の空気が広がってくる。


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エッセイ737. 研究ノート3:市川崑に学ぶ撮影編集方法-桂離宮、追記

2024年06月28日 | field work
 
 桂離宮は撮影する機会がないので私の興味外だが、市川崑はどのようにこれを撮影したかをみてみよう。トップ画像にこのドキュメントの桂離宮の部分の作品スコアをあげた。前放映時間37分25秒の中で桂離宮は8分30秒を占める。
 最初に桂の外観が写るが屋根を入れていない。前面の池に全景が映るという仕掛けだ。このあたりのカメラワークは見事というほかない。
 次いで外観部分の大半をアップでなめるように回ってゆく。外廊下-障子-ときて室内に入ってゆく。主要な居室と思われるディテールを執拗にアップで撮影し縁側から外へ飛び出してゆく。外観では特徴ある床下部分の柱のディテールをアップで続け、床下-庭から松琴亭茶室に向かう。茶室のディテールをアップで撮り尽くしながら外観、そして主屋へ戻ってくる。主屋では寝室、浴室、便所などの生活部分を回りながら玄関に続く、玄関前の石畳とそのディテールをアップで捉える。続いて雁行する外観部分の冬の風景を写しつつ、視点は空撮にかわり桂離宮全体を描写して終わる。
 特徴的なのはロングショットがある事とアップが多い事だ。前者は溝口健二に始まる技法だろうか。和室の空間は襖を開ければ連続した空間だから、それは頷ける方法でもある。後者のアップで柱などのディテールを執拗に描写しており、この映画全体に共通している方法であり、市川崑はアップの描写を効果的に使う映画監督ではなかろうか。また襖や障子を順次開いたり閉じたりしながら部屋をみせたり閉じたりしている。このあたりは映画人固有の演出だろうけど、建築の障子と襖の空間をよく表している。
 かってブルーのタウトが桂離宮を絶賛した歴史経緯もあり、日本の伝統様式を取り入れた現代建築様式の議論がこの頃盛んだった。この映画の監修者の一人である丹下健三も香川県庁舎で日本の伝統様式の一部を取り入れていた。市川崑の映画も、そうしたこの時代の空気を色濃くにじませている。
 しかしこの時代の建築家が提唱していた、コアピロッティだのコンクリート打ち放しだのとする建築様式は伝統とは無関係の議論であった。今も京都岡崎にあるロームシアター(設計:前川国男)をみていると、伝統的街並みが残されている京都の景観には全くそぐわずに残されている。おそらく伝統を巡る議論とは、伝統民家を全て喪失したローカルな都市での伝統様式復活論だったのだろう。そんな巷の議論を他山の石として桂離宮は、今も凜としてたたずんでいる。
 

図版出典:「KYOTO日本の心-A documentary flim by Kon Ichikawa,Olivetti arte(www.martygrossfilms.com版)1968.

追記
 ニコンが国内のカメラ生産を辞めるそうだ。
 実質カメラ事業から撤退でしょう。そうすると法外に高いニコン・ミラーレスシステムを買わされた人達はかわいそうですねぇー。まあサポートぐらいはしてくれると思いますが、もう新製品は出ないでしょう。ニコンF以来のユーザであった私は、いち早くSONYに乗り換えたので関心は薄いけど。
 やはりニコンは、あらゆる製品開発が遅すぎた。特にニコンはイメージセンサーの自社開発に失敗した。あのLBCASTをもう少し大切に成長させればよかったのにと今では残念に思う。どうしてライバルのSONYに安易に乗り換えたのか。そして今はイスラエルのメーカー製造とする説もある。カメラの心臓部が他社製というニコンらしからぬ仕様は、ブランド価値を著しく引き下げただろう。
 既にわが国カメラメーカーではOLYMPUSとPENTAXのイメージセンサーを自社製造しない企業が第一線から消えた。特異なイメージセンサーを開発したFUJIはあかんと思ったらすぐに手を引くだろう。私が思うに、今後生き残れるのはSONYとPanasonicぐらいでしょう。どちらもイメージセンサーを自社製造し映像機材としても活用されているから。
 このようにイメージセンサーを自社開発出来たかどうかの違いが明暗を分けることになった。あれってカメラメーカーの命だったんだけど。

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エッセイ736. 研究ノート2:市川崑に学ぶ撮影編集方法-祇園祭

2024年06月27日 | field work

 私の映像編集のための勉強の続きである。
 祇園祭山鉾巡航で映画市川崑「京」(上図、1967年頃)から複写した山鉾巡航のトップ画像(上図)と、私がYpuTubeにアップさせたトップ画像(下図、Fieldwork836 祇園祭・山鉾巡航・神幸祭 撮影記2023年9月21日ブログ)とを並べてみた。
 面白い事に市川崑の映像は先頭の長刀鉾ではなく、何番目かの菊水鉾をトップにして祇園祭の映像をスタートさせている。長刀鉾の巡航開始の儀式は後の映像でアップで登場する。
 また撮影位置は四条烏丸交差点角にあるディズニーストアのあるビルの近くのアーケードの屋根の上か、道路沿いに大型の足場を設けて撮影した事がわかる。私はそれよりは約100m後ろの四条小橋の地上から撮影した。映像編集では鉾巡航の順序にとらわれずに編集しており、鉾の順番よりは映像のストーリーを重視する市川崑の視点は興味深い。この撮影ポイントから後ろの鉾までが撮影出来る。このように並べてみると勉強になる事が多い。

図1.山鉾巡航部分のスコア(左:市川崑、右:ME)

表1.スコアの被写体別構成比

 図1は、市川作品と私の作品スコアである。スコアの記述方法は昨日のブログ参照のこと。
 表1は、このスコアからアイテム、カテゴリーを設定した。祇園祭では、山鉾巡行、山鉾が写らないその他の被写体、観客の3アイテムがある。さらに山鉾巡行アイテムは部位別に8カテゴリーに分類でき、合わせて10カテゴリーを設定した。この10カテゴリーについて、各クリップの時間数をカテゴリー毎に集計し構成比で示したものである。
 山鉾の近景の映像は近似値だから、その他で差があるところは面白い。例えば山鉾遠景で市川崑は4.8%だがMEは44.5%と大差がある。撮影ポジションとか撮影許可がない場合は遠景が多くなりがちである。市川崑は遠景をあまり撮らない。つまり全景はステレオタイプ化した静止画みたいであるから忌避したといえそうだ。そうした凡人が当たり前に考えそうなショットはすこぶる短い。それは他のカットをみても同様であり、近景、つまりアップが多い映像構成だ。
 その他に市川は、観客をよく撮っている点が大きく異なっている。とくに山鉾巡行では、後半画像の1/5位が観客映像が続きENDとなる。YouTubeで同様の祇園祭の映像をみても観客がはいらない映像が圧倒的に多い。このあたりに日本を撮ろうとする市川の考え方が貫かれている。MEの画像でも観客は撮影しているが鉾の背後ぐらいである。ここは学ぶべき点だろう。
 市川の映像は、一つのクリップに他のカテゴリーの要素を入れないという明解な画面構成であることも特徴の一つに挙げられる。当然カテゴリー分けしやすい映像である。これはおそらく多くのカメラマンを配置し、撮るべき被写体を指示するか役割分担しての撮影と思われる。だからカメラマンは指示された映像を忠実に撮影しているのだろう。
 そんな風に自分の映像と比較してみると勉強になる。なぜなら市川と同じアングルで撮影したら、私の視点ではなくなるからだ。
 さて今年も祇園祭が撮れるだろうか。というのも最近人出が多いことが予想され、一段と警備が厳しくなる。こちらは脚立持参でゆきたいがそれも無理だろう。となると撮影出来る被写体も限られてくる。そうなると実行委員会から撮影許可を取るための書類をつくる必要があるが、そのために研究理由をあれこれとでっち上げるのも面倒くさい。だからブラッとでかけて、スッとみて、少し映像の勉強になればよいか・・・。

図版出典:「KYOTO日本の心-A documentary flim by Kon Ichikawa,Olivetti arte(www.martygrossfilms.com版)1968.
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エッセイ735. 研究ノート1:市川崑に学ぶ撮影編集方法-研究方法について

2024年06月26日 | field work

 私が映像制作をはじめようとした頃、撮影編集の勉強素材がある。その一つが映画からの勉強だ。映像と映画とは違うので勉強効果は薄いが好奇心が先立った。
 そこで著作権の期間をすぎたと思われ、相当に古いのだが東大出の映画監督市川崑が制作したドキュメンタリー映画「京」だ。高校生の頃、東京朝日ホールで上映され見た記憶がある。当時オリベッティ社(現テレコム・イタリアの傘下)の世界文化デザイン事業の一つとして制作された。
 古い素材だが、京都のドキュメンタリー映画である以上、映像美と編集のエキスが凝縮されているはずだとする理由で勉強のテキスト(約37分)とした。被写体は、冬の京都・竜安寺の石庭、西芳寺の苔庭、桂離宮、そして祇園祭の4箇所。
 トップ画像は、この映画DVD版から冒頭部分(7分42秒)の編集を解読したものだ。横線に尺、尺上に各クリップ毎の秒数を計測した。映像のクリップ化はトランジッションの中間でおこなった。これを記述したものを作品スコアと呼んでおく。
 竜安寺・座禅のコマをみると、揺れる抽象的な光なんだろうと思わせる画像が4秒、続いて座禅であることがわかり、僧侶が合掌を願いでて5.5秒、叩かれる背中のアップが2秒でトランジションが入るのは余韻か、そして座禅の中景に戻り18秒、僧侶の座禅のアップが3秒、道内の座禅の遠景が16秒、道内の座禅の横アングルから20秒と時間をかけて座禅の静かな空気を伝えている。そして画像が線香に変わり4秒、線香が燃え尽くす頃5秒で座禅の終わりを暗示させている。こうして短いカットと、座禅が延々と続く長いカットを組み合わせて緊張感を表しつつ、音楽とナレーションがはいる。そんな風に映像を読み解くと少し興味深い。
 特にこの映画のスタッフをみると脚本:谷川俊太郎、監修:丹下健三、亀倉雄策、石川忠、プロデューサー:栄田清一郎、音楽:武満徹、撮影:黒谷尚之、ナレーション:芥川比呂志・・・、と60年代日本のそうそうたるスタップだ。1964年東京オリンピック記録映画制作時の人脈があったのだろう。
 京都に憧れることもなく、溺れることもなく、淡々と日本文化の歴史の流れという縦軸と、歴史が現代とぶつかり合う横軸とによるマトリックス上に日本文化を表現している。それはこのドキュメンタリー映画の立ち位置だと思われる。
 そうした市川の感性の端を少し感じながら、そしてすべて忘れることにして私は映像の撮影をしている。

「KYOTO日本の心-A documentary flim by Kon Ichikawa,Olivetti arte(www.martygrossfilms.com版)1968.
冒頭の1コマ。冬の竜安寺石庭
座禅風景の一コマ、警策を受ける瞬間
 DVDが3,000円と安かったのでAmazonで入手。だが私がこの映画をみた記憶色ではブルーの冷たい綺麗なトーンがあった。DVDではそれがすべて排除されていて失望した。DVDはMacに取り込める場合と不可の場合がある。このDVDは後者だ。ならばモニターに写しだしてカムコーダで撮影し、iMoveでコマ毎にクリップに切り分けて秒数を計測した。こうでもしないと秒数のカウントなんか面倒ですよ!。


図版出典:「KYOTO日本の心-A documentary flim by Kon Ichikawa,Olivetti arte(www.martygrossfilms.com版)1968.
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エッセイ734. 未練

2024年06月25日 | field work

 夏に冬の風景に思いをはせるわけではないが、最近冬志向である。暑いのはフィリピンで経験しているのでバランスをとるかのように冬に憧れる。
 今年の2月に小樽を訪れた時は雪が少なかった。帰る頃に雪が降り出したが遅かった。だから冬の空気が食傷気味であり、冬の街をタップリ堪能した気分ではない。そこで来年は1月にゆこうと目論む。雪で街が見えないぐらいの風景を撮りたい。悩みはつきない。
 冬は防寒着が必要だから支度が面倒だ。だが一度揃えてしまえば、あとは簡単だ。それに今年度の論文の準備もある。そんな論文は夏頃から準備しなければならない。だからといって冬が好きというわけではなく、たまたまなのだが。
 このブログを書いているのが桜の咲く前なので、そんな気分になるのかもしれない。梶井基次郎の小説「檸檬」には、桜の木の下には死体が埋まっていると書かれている。そう思わせるぐらいに桜が咲く頃の気分は、精神病にでもなったかのような憂鬱な時間だ。そんな強迫観念にそそのかされて三ヶ月先のブログを書いている。
 それにしても酷寒の雪の中で撮影機材の小さなボタンを突っつかされる時は手袋を外さざるを得ない。一体何を考えてプロダクトデザインをしてるんだろうか?。だからますますポケットから取りだしてススッと撮影出来るiPhonを使わざるを得ない。
 冬の雪景色への未練がタップリ残る冬の終わりである。


積丹町美国
iPhon13pro
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エッセイ733. おかしな考え方

2024年06月24日 | field work

 郵便局の会話
「EMSで荷物を送りたい。A4の入るダンボール箱をください。」
郵便局の若い女性「EMSなら袋はありますが、EMS用の箱はありません。」
はあ!、入り口に積んであるじゃん。何いってんだろ、この姉ちゃんは。
「ほなら、他の郵便局で探しますわ!。」
アホに付き合っていては時間の無駄だ。
 こうした事務的会話の勘違いは私たちの日常でよくある。私はダンボールが欲しかったのに、お姉ちゃんはEMS専用のボックスがあるかという質問と解釈したようだ。わたしはそんな質問はしてない。お姉ちゃんの融通の効かない解釈が間違っていたわけだ。
 これがおばちゃん職員だったら、EMS用ではないが普通のダンボール箱ならあるよ、となるだろう。つまり機転が効く頭の働かし方が必要である。郵便局のお姉ちゃんは、知識あっても機転がきく頭ではなかったわけだ。
 もう一つ思い出した。東京銀座伊東屋の事。
 私の昔の名刺英文にプロデュースという文字のスペルが1文字多かった。そして誤植のまま印刷され、私はそんなこととは知らずに長くこの名刺を使用していた。
 後日京都の印刷屋に同じ名刺を注文してしたら、間違いを指摘してしてくれた。その時私は間違った名刺を何年も使い、そして周りから笑われていた事を初めて知った。銀座伊東屋が校正をちゃんとしなかったために。そのことを店で言えば紋切り型の返事が返ってくる。
「校正は、お客様がしていただくのが原則でして・・・。」
たしか伊東屋の印刷屋からスペルが違うのでは?、という指摘はなかった。ただ校正印刷された用紙をみただけだ。市中より高い値段で印刷を引き受けているにも関わらず、人間の常識と照合することなく、つまりなにもしてくれないわけだ。そんな商人意識以前に日本人としてのコモンセンスが働いてしかるべきでしょうというのがこちらの言い分だ。商人意識の勘違いも甚だしく、文化文具を扱う店として恥ずかしい限りではないですか。ちなみに伊東屋は建築学会会員だと全商品1割引きである。明治以来のつきあいがあるからだ。
 これまでに多くの本や論文を著してきた立場からすれば、出版社の校正力は絶賛に値する。例えば誤字があれば、「これは造語ですか?」と必ず質問される。さらには半角のスペースのアキの有無まで指摘してくれる。人間は完璧な存在でないから間違いは起きる。そうしたときに指摘してくれる第三者の存在には、これまで随分と助けられてきた。
・・・
 そうした問題に遭遇すると、現代人に共通する二つの課題が指摘できる。
1)コモンセンスの欠如
 なんでも謙りつつ、日本語の基本まで無視する責任逃れの商人根性。それっておかしいとしかいいようがない。日本人の一般的な文化常識より商魂が優先するってどういうことですか?。
2)指摘の仕方。
 間違ったことを指摘するときの物事の言い方ができていない。特にインターネットではよくあるが突然正解を投げつける。例えばYouTuneで突然「16日ですよ!」と指摘されても、いつの映像だったかこちらはわからない。そんな高飛車な指摘は、研究者間からは嫌われる態度である。
 つまり現代人は指摘の方法を知らない。自分達の子供の教育と勘違いしている。そんなことを知りたければ、全国津々浦々で行われている学術団体の学会にゆけばよい。

画像:Googlemap
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エッセイ732.少し悲しいロケハン

2024年06月23日 | field work

  エッセイシリーズでは静止画画像をアップさせるシリーズと決めつけていた。だが冬は出かける機会も少ないからiPhonで撮影した画像がない。そう思っていたら大量の画像が映像ストックにあるではないか。ここから引き出そう。
 私は、祇園界隈を歩くときは耳をすましてポックリの音を探す。しかし最近舞妓さん達は突然現れ追い越してゆく。多分ポックリの音をたてないように歩いてゆくのだろうか。そのためか側を通過しても誰も気がつかない。
 こうなると映像の方が素早い。もちろん夕方の光でシャッター速度は低く、フレームレートは30fpsだから画像はブレ気味だが、後処理で使うphotoshopが簡単にシャープにしてくれる。著作権がありそうだから後ろ姿に留めているが、すでに真横から去ってゆく後ろ姿まで映像で記録されていた。動画の方が素早く対応できる。なにしろ1秒間に30枚連写しているわけだから。
 そんなことをしているとますます静止画に関心がなくなり、画面が動かないと、こちらは目が反応しないという習慣が続いている。
 そろそろマックに積んであるpremire proの編集を覚えなきゃと思っている。あるいはfinalcut proでもよいかなそのために温かくなったら奈良へ撮影にゆこうと目論んでいるからだ。
 だから地図で古い民家のありそうな場所のロケハンをしている。だがGoogle航空写真で見ると、若い頃に古い民家越しに見えた日本の田舎の風景が見当たらない。あるのは都市郊外の風景だ。そうなると多少残されている残渣で映像化するのかなぁー!?。少し悲しいロケハンだ。

SONY FX30,E10-18mm/F4.0 OSS
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エッセイ731.京都にも没落した時期があった

2024年06月22日 | field work

 京都にもこんなローカルな景観があったか。京都国際交流会館へ出かけたおりに見かけた。
 岡崎だから明治の山県有朋の邸宅である無鄰菴を初め昔からの邸宅が多く、南禅寺界隈別荘郡といわれるところだが都市のなかにあって田舎の空気が漂うあたりは、やはりここは別荘地の空気なのだろう。もちろん冬の天気の良さが景観を際立たせているのかもしれないし、東山への眺望が開けているのもこの地の性格だ。
 しかし明治初期に都が東京にうつり、京都の街は人口10万人位減少したという話もあり。そんな京都に別荘をつくる発想はどこからわいたのだろうか。東京からだって汽車で相当数の時間がかかった頃である。東京だったら湘南海岸あたりにつくればよいのにと思う。
 その後京都は伝統工芸を復活させ、近代の街としての体裁を整えてきたという話であるが。応仁の乱といい、明治期の遷都といい、京都にも没落した時期があった。その都度毎に復興してきたというわけだ。
 しかし復興しないのは私の京都の人脈だ。こちらは萎む一方だ。寂しい京都暮らしである。ここから逃げ出すか・・・。


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エッセイ730.幸せの基準

2024年06月21日 | field work

 NIKKAが冬の日本からフィリピンへ戻った。暑いとこぼしている。日本では、さむくて寝ていたがフィリピンでは暑くて寝ていたか?。日本の真夏と真冬を経験したから、まあこれで怖い物は無いだろう。
 そう思っていたら、NIKKAがこんな画像を送ってきた。なんだフィリピンで牡蠣のパーティーかよ。顔なじみの親戚達ばかりじゃないか。それに子供達も多い。先日帝王切開だと騒いでいた弟の嫁の子供も大きくなった。
 それにしても今の日本では先ず見ることが出来ない親戚達とのパーティーだ。そうか、いまの日本でなくなりつつある言葉に「親戚」という言葉だということに気がついた。親戚がいれば沢山の子供達もいる。それが人口成長を続けるフィリピンだ。
 ふと私が京都で暮らしていて、親戚が増えたという経験は皆無である。そればかりか、知り合いが亡くなった、京都との縁が薄くなった、と次第に人脈の包囲網が縮まってゆく話題が多い。そんな根暗な人生はつまらない。
 そこだな、子供が増える、親戚も増える、そうやって世代を繋いでゆく国家と、寂しく収斂してゆく国家との違いは・・・。
 やはり頭数が多ければ、問題も起きるし苦労も多いが、それでも寂しい暮らしをするよりは、はるかに幸せだ。幸せの基準を日本は、捨て去ったのだ。
 こうなるとNIKKAをまた日本へ呼ぶのも気がひけるが、まあ在留カードの更新があるから、こざるを得ない。夏になったらフィリピンへゆこうか。旅の気分が沸々と立ち上がる。

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エッセイ729.帰り虫

2024年06月20日 | field work

 夏にむかう頃に冬の話題。
 この風景こそ冬の北海道だ。こんな風景が撮影したかった。だが出かけたタイミングが悪く、当時は春のような陽気だった。帰る日になって再び雪が降り出した。今となっては無念だ!。
 もちろん延泊してもよかったが、雪が少なかったので次年度の論文のフィールドサーベイの仕事が簡単に片づいてしまったこともあり帰路についた。仕事としてはそれで良かったが、撮影する立場としては不満が残り、複雑な気分だ。
 いつも思うが旅というのは、帰りの時間を決めたくない。素晴らしい環境に遭遇したら帰りの時間を延ばしたい。実際に急ぐアテもないから、ホテルに戻ってもう一泊ぐらいできると頭の中ではいつも考えている。
 だが帰り虫にせかされたように、決められた日に予定通り帰る。それで飛行機が遅れようものなら、メディアで放映されるとおり利用者は時間通り動かないので困った、困ったの連発だ。どうみてもおばはん達がそんなに忙しいとは思われない。それでも予定通り帰ろうとするのは、帰り虫のなせる技だ。
 いつ帰るかわからない。それが本来の旅だ。雪の時でも交通機関は概ね動くという今は恵まれた時代だ。だから帰りたいときに帰れる。
 その帰り虫はなんだろうかと考えたら飛行機の往復チケットだった。私は北海道へ行くときは時間変更ができるチケットにしている。帰りなんてわからないのだから帰路のチケットは要不用だった。小樽なんか飛行機が取れなきゃ直前でも確実に乗れるフェリーで舞鶴へゆく方法もある。だからフェリー会社のサイトをみながらため息をついている。いつかはこれでゆこう。ツインルームの部屋でもpeachのチケットより安いじゃないか。仮に欠航してもホテルで冬の撮影ができるしさ。撮影ばかりは、天候に左右されるから、やはり待ち時間を加えたかった。
 そんなわけで、まったく帰り虫が旅の邪魔をしてくれる。それがあるとついつい計画通りに動いてしまう。次回は帰路のエアチケットはとらないでおこう。

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エッセイ728. 救急キット

2024年06月19日 | field work

 いつも持ち歩くリュックの中に救命救急キットを入れている。心肺蘇生用のマウスの他三角巾や消毒薬など、ダイビングのテキストにしたがって入れてある。
 もちろんマスタースキューバダイビング・ライセンス取得の時は、救命救急のほかに、水中で水没したダイバーの人命共助と心肺蘇生方法の実習をさせられた。水中で発見し人工呼吸をしながら船に運び、ひきあげる訓練だ。人間は重たいから、そんじょそこらの力では揺れる船に引き上げることはできない。浮力と波の動きを勘案しながら一気に引き上げるわけだ。
 そんなわけで、ライセンス取得には必須科目なので救命救急のスキルを勉強した。そしていちおう最低限の救命救急キットを揃え、いつも持ち歩くリュックの中に入れてある。
 最初の頃は、これでいつでも人助けが出来る意気揚々としていたが、そんな救命救急を必要とする場面に街では遭遇しないのよ。交差点で鈍い音がしても、車同士の物損事故ですか・・・。まあ警察を呼んで事故証明をもらったら後は保険会社同士の話し合いですかねぇー・・、とこちらは冷淡だ。
 エスカレータで老人が後ろにひっくり返っても、回りの人が助けおこし、駅員も駆けつけてくる京都である。老人は足をさすりながら去っていった。多分打撲だろう。救命救急キットの出番はない。
 こんなことを書くと、矢先に救命救急キットの出番が登場しそうだから、あまり書かんほうがよいか。
 そんなわけで、今日もまた救命救急キットをリュックの隅に押し込んでいる。使わなければ幸いなのだ。
 因みにわが国は、グッドサマリタン法を批准しているので、助けようとした場合に救命でこちらに過失があっても法律的には問われない。助けようとする行為は、コモンセンスの範囲なのである。何も出来ない無知な野次馬でいるよりは、現代人ならば少しは勉強をしておきたいと思ったわけだ。


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Fieldwork912.A return of cold weather during the cherry blossom season 4K

2024年06月18日 | field work

 京都高台寺。桜が満開をすぎた頃、夜間におこなわれるインスタレーションを撮影した。激しい雨の中の京都も独特の空気を感じる。閉門近くだったので人も少なく静かに鑑賞できた。5月6日まで開催されている。午後9時30分まで入場可能。
 さてこの日は本格的な雨が降っていた。私は夜のジムに出かけてウェイトトレーニングとエアロビクスの後で高台寺の撮影という、久しぶりに時間が詰まったスケジュールで動かざるを得ない。というのも高台寺で人が少ない時間というと、夜遅く、しかも雨という条件ならば多分撮影できるだろうと考えた。
20:00エアロビクス終了
20:50阪急河原町駅着
21:15高台寺着
 阪急が河原町まで素早く着いたので予定より10分時間を稼げた。ここからバスだと12分、タクシーなら10分弱だろう。だが雨でタクシーは捕まらないと考え早足で歩くことにした。祇園四条を歩きながら意外とここは長いんだよねと思いながら、早足で歩くと程なく東大路の八坂神社前だった。脇道を抜けタイムリミット前に高台寺に滑り込んだ。予想通り閉門間近で人は大変少なかった。
 だから雨の古都の空気を感じながら撮影できた。これってなかなかいいもんだ。私にとって高台寺は、いつも撮影しやすい場所である。「ねねの寺」というぐらいだから、宗派に関係が薄く宗教臭さがないことも一因としてあるのだろう。それに傾斜地につくられた庭が美しい。
 3分弱のインスタレーションはブログラミングされているから、私は3箇所から撮影して、編集でひとつにまとめた。こういうところも、一人クリエイターにとってはありがたい。
 撮影後高台寺の池庭に出ると、係員がお堂を閉めますよといってきた。私は「どうぞ!」といって踵を返した。というのもここは秋の紅葉の寺だから、池のまわりには桜がないのである。高台寺の桜の目当ては、本堂中庭の1本だけ。その1本をプロジェクションマッピングとともに毎年撮影している。
 高台寺をあとにし、雨降る古都を八坂神社に向かって歩いた。夜更けの雨降る古都も静かだ。マクドナルドで珈琲で暖をとる。この隣の高瀬川では、桜の花びらが大量に流れていた。これで今年の京都の桜の季節が終わった。
 やはり映像は手間がかかる。理由は、映像になりそうな被写体を求めてロケをしないことには映像が出来ないからだ。この時期、奈良などへ1日がかりで撮影にゆきたいが、それには新しいジンバルの練習が必要だし、Log撮影の編集も勉強する必要がある。だから映像制作も人並みの水準にゆくまでは覚えることが多い。
 さて本日の映像はYouTubeには撮影翌日にアップ済み。これをもとにブログを書いている。ようやく6月の全てのブログ記事が完成し、こちらは安堵。今日は4月9日であった。

Fieldwork912.A return of cold weather during the cherry blossom season 4K
SONY FX30,E10-18mm/F4.0 OSS

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Fieldwork911.Kyoto Botanical Garden, cherry blossom viewing spot 4K

2024年06月17日 | field work

京都府立植物園,桜の名所
 あまり社会の話題にならなかったが京都市内は2018年に台風21号の被害を受けた。最大瞬間風速は39.4m/sを記録し、明治時代以降の観測記録で歴代2位の暴風雨に見舞われた。10分間の平均風速である最大風速は21.8m/s、日最低気圧は966.3hPaで、いずれも歴代5位の記録です。室戸台風、第2室戸台風、伊勢湾台風、ジェーン台風など、過去に被害をもたらした名だたる台風と肩を並べる被害をもたらしました。
 明治の名残の貴重な登録有形文化財である三条の元有済小学校の「太鼓望楼」は倒壊し、そして平野神社、平安神宮神苑、下鴨神社、大覚寺、真珠庵、地蔵院(竹の寺)、建勲神社、実光院、勝林院、化野念仏寺が被害を受けた。これらはいずれも桜の名所であった。例えば平安神宮は名物のしだれ桜の大半が倒れてしまった。だから今は平安神宮にしだれ桜はありません。すでに桜の名所を返上したといってもよいでしょう。従って今の京都は桜の名所が少ないのです。
 そんななかで少ないながらここ京都府立植物園の200種、500本の桜が1番綺麗です。特に大量のしだれ桜や山桜が綺麗です。ソメイヨシノばかりじゃ退屈だもんね。今、京都の人達が勧めるのは、ここぐらいかな!?。
 さて家に帰ったらDJIの新しいジンバルが届いていた。ようやく手持ち撮影のブレた画像から解放されるだろう。
 
Fieldwork911.Kyoto Botanical Garden, cherry blossom viewing spot 4K
SONY FX30,E10-18mm/F4.0 OSS
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Fielswork910.Kyoto,The cherry blossoms are just before full bloom 4K

2024年06月16日 | field work

 京都の桜も七部咲きだろうか・・・。それでも花見に出かける人が突然増えた。だから今週末は宴会で盛り上がるだろう。そのためか、外国人に加え日本人も繰り出してきた。だから人通りも大変多い。そんな人とすれ違うように私はマクドナルドで珈琲をすすっていた。ここも多くの人で満席に近い状態。
 金曜日は午後1番に新町病院でリハビリがある。帰りにライフで買い物をしてから遅いお昼を食べる。食べたらリハビリの後だから昼寝をするとよく眠れる。だがダイエットだ。ジムのないときは1万歩を歩かなければならないと心に決めている。意を翻して機材をリュツクに詰め込み、清水寺を目指した。清水寺へ上がると眠気も消えていった。
 でも、今日は被写体であるインバウンドの子供も若い黒人女性も少ないから、ちと外れた気分だ。だって若い黒人女性は身体が締まっていればだが、欧米人以上に格段にスタイルがよい。今日見かけたのは若い男性だった。ダイエットをしている立場から見れば、やはりスタイルが抜群に良い。羨ましい限り。人間は、こうありたい。
 夕べ注文したジンバルDJI RS3 MINOIが届いた。小さなジンバルである。765gとジンバルにしては大変軽く私のFX30とは相性がよかろう。早速充電。手持ちの映像撮影はつらかった。というのも50mm標準レンズは、私の機材では75mmの準望遠レンズになる。手持ちで歩きながらの撮影は、忍者歩きをもう少し練習しないとね。

Fielswork910.Kyoto,The cherry blossoms are just before full bloom 4K
SONYα6600、CarlZeiss Planar50mm/F1.4 ZF.2
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