Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ZIESSの空気89. 小説:小樽の翆108. 現場の話

2020年05月31日 | Sensual novel

 

翆は準夜勤。

翆「今日は晃子さんと夜食べに行こうよ!、房チャンのお店、アチキ!、ご馳走してねぇー」

いつもの事で。

・・・

待ち合わせは房チャンのお店。看板の明かりは消えている。たがら忍び足でお店へ・・・・。

房チャン「いまは深夜のお店が自粛。看護師さん達の勤務だったら、うちぐらいしか食べられないでしょう、晃子さんのためにお店をあけたわ」

晃子「うっ感激、うち目立つからあっ、アソコの病院の看護師だなんて、回りから警戒されので房チャンのお店でヘルプされてます」

房チャン「そうよねぇー、神戸じゃタクシーの運転手さんが乗車拒否したり、保育所が預からないもんね。大丈夫、小樽は人情が厚いから」

翆「感染者増えたいねぇー、どうお、隔離病棟の現場は?」

晃子「患者1名に減った、安堵しつつ淡々と空しい仕事をしています」

翆「なんでぇー、」

晃子「だってワクチンがないもん。COVID!、うちの病院へ来る頃には、既にさんざん感染させてやってくるわけ。ウィルス感染のラストステージでお前達に放出したろ、といわんばかり。実は既に潜伏期から感染が始まっているのよ」

翆「潜伏期感染なら誰が感染したかわかんないんじゃん!」

晃子「そうよ、SARSは発症期感染だったから症状が出てきてから囲い込めばよかったけど、今度はそうじゃないんだよね。潜伏期にウィルスの放出量が多くて発症初日ぐらいまで放出されるわけ」

翆「それが今回のウィルスかぁー」

晃子「おおっ!、それはやだやだ!!。そうなると誰が感染しているかなんて本人だってわからんもん。じゃあPCR検査を最初に沢山やればいいじゃんという人もいるけど、潜伏期はPCR検査が反応しないの。だから検査ありきの対策はないの。できるのは対処療法だけですぅー!」

房子「あらぁー病院も大変ねぇー、さて、今日はお刺身ですねぇー」

晃子「ううっ、涙涙のご馳走ですぅー」

翆「あら、毎日何食べてんの?」

晃子「お昼に表に出られないでしょう。だからナースに買い置きしたカップラーメンとかパンとか、食べないとか、・・・・」

翆「ゲッ・・・」

晃子「でも、小樽は入院患者さんが少ないから、まだいいほうよ。他所なんか医療崩壊寸前のところもあるから・・・」

医療崩壊とオーバーシュートとどっちが先なの?

晃子「医療崩壊が先ですぅー。それからオーバーシュートね」

28°以上でウィルスの活動が停滞するという説もあるが・・・

晃子「人間の体温が36°あるから、それは期待薄いですねぇー」

レムデシビルは効果があるの?

晃子「エボラ出血熱で開発された新薬ね。現場では治療薬の1つぐらいだね。その他にインフルエンザのファミビラビル、気管支喘息用のシクレソニッド、HIV感染症のロビナビル、関節リュウマチのトリズマブ、急性髄炎のナファモスタット、寄生虫感染症のイベルメクチンが候補かな。回復者血漿はまだ国内承認されていない、国が承認しないと医療の現場では使えないですーー

現場のリアルな話

・・・

翆「お子達は元気なの?」

晃子「もうちゃんと夫婦しているよ、先日彼女のお父さんがやってきて、『なんか嫁にやるのも簡単ですね』って笑っていた。昔はそんなもんだってさ」

翆「お子達って、何処でセックス?」

晃子「バイクで積丹あたりに出かけて海岸でやってるみたい(笑)、その方が気分転換になるようだよ。あたしが留守勝ちだしさ・・・、そのうちガキできたら・・・拍手喝采よ。そしたら翆と同じライフスタイルだよ」

翆「青姦ずきなのね、昔はみんなそうだったけどね・・・・」(笑)

感染が広がる暗い時代でも明るい事もあるのさ。翆はアンデスのマカのカクテルを飲んでいる。真夜中の激しいセックスを思い出しながら妄想の世界で酔ってきた。

・・・・

漆黒の闇に包まれた小樽である。

小樽市の検査数234人、陽性者19人、入院患者数1人、死亡累計2人、陰性確認済累計16人。

 

執筆にあたり以下の文献を参照しました。

忽那賢志:COVID-19新型コロナウイルス感染症について、国立国際医療研究センター、国際感染症センター、PDF版

 

小樽市花園

SONYα6600、E18-135mm/F4.0 OSS

ISO6400,焦点距離135mm,露出補正-0.7,f/5.61/160

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NIKON FTRAK486. 小説:小樽の翆107. 真珠

2020年05月30日 | Sensual novel

 

 夜勤も午後4時をすぎ、明け方患者が起き出す前に休み時間を設けてある。

さて今晩の翆の夜勤のお相手は新人の杏奈さん。

杏奈「あのー、先輩いいですかぁーー」

翆「なによ、あらたまってさぁー・・」

杏奈「あのう患者のSさん、おじいちゃんなんだけど・・清拭してたらなんか大きな腫瘍があるみたいなんですよぉー!」

翆「どこにぃーー、」

杏奈「股間に・・・」

翆「あれば、そんなの検査の時にわかるでしょう、カルテ・・カルテっと・・・、なんにも記載はないよ。おできでもできたかなぁー、まあ病院はばい菌がうようよしているからね、朝一緒に確認しにゆこ・・・

・・・

杏奈「おじんちゃん、おきてますぅー、腫瘍があるみたいなので調べますね」

Sさん「ああっん、どこに?。うっ、股間!!、(^_^)触ってもええよ」

そういってお爺ちゃんはパンツをずりさげてイチブツをだして、にんまりしていた。

杏奈「あっ、これこれ!、ペニスのところに腫瘍ができてるぅーー、先生にいっとかなきゃ・・・」

Sさん「そんなもん、いわんでもええがナ・・・」

翆「おじいちゃん、そこに真珠でも入れてない?」

Sさん「ハッハハハハ、若いときに女の子を喜ばせるんで、いれたんやわ・・・・・、そのままになっとった」

杏奈「真珠?、なにそれ・・・・」

翆「あっ、もういいの、終わり、終わり!・・・ゆこゆこ!!」

杏奈「なんであんなところに真珠なの?」

翆「古い人は真珠とか宝石ね、それをペニスに入れるじゃん、それで膣を刺激するとクリトリスの所に真珠が当たるのよ、それで女の子がよがる、というわけさ・・・」

杏奈「うっ、きゃーー、気持ち悪いでーーす、それって変態ですよね・・・」

翆「でしょ!、死んで火葬すれば真珠も一緒に燃えちゃうから、いいんだけどさ」

杏奈「こんなこと報告に書くんですかぁー、・・・書くわけないかぁーー」

(笑)

・・・

翆が夜勤から帰ってきた。シャワーをあびて、ほなら朝一クロッキーだな。

翆「アチキは、真珠なんか入・れ・て・ないよね?」

ああっ、パール!、小さいのなら入ってるかな・・・、なんで?

翆「えっ!、嘘!!、ホント!!!、(男の人ってみんなペニスに真珠を入れてんだろうか・・)どこどこ?、まさかさぁペ・ニ・スに、その小さいのをいれてんの?

はぁーっ!、パールって色の絵具だよぉーー、絵具箱に入れてるけど・・・。

(笑)

 

クロッキー帳NO49.

小樽市花園

NIKON Df、AF-S NIKKOR28-300mm3.5-5.6G

ISO6400、焦点距離135mm、露出補正-0.3、f/5.6、1/30

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番外編439. 虫干し その3. Canon EF16-35mmL USM/F2.8

2020年05月29日 | Photographic Equipment

 

 機材の虫干しだけではなく、人間の精神にも虫干しが欲しい。

緑の木々で少し癒やされたいが、高台寺は庭園拝観ができないので近場で・・・。

それに露出を切り詰めてギラギラした撮り方も、今の気分とほど遠い。ならば淡泊な撮り方に変えてみよう。

それに長い文章もやめよう。

毎日のブログ・・・、それもやめるか・・。

いつもの形式から外れる、それが人間の虫干しかな・・・。

 

追伸

 北九州市で新たに21人の新型コロナウィルスの感染者が発生し、6日連続で計43人となった。病院でクラスターが発生したとあるが、6日間で感染経路不明が計21名とメディアは報じていた。その経路不明から感染が広がろうとしているのか、いや押さえられるのか、今後の情勢は見ている必要がありそうだ。まったく難儀なウィルスだ。

 

SONYα6600、Carl Zeiss Vario-Tessar E 4/16-70mm

1)ISO2500,焦点距離70mm,露出補正-0.3,f/5.6,1/125

京都市下京区

EOS1DsMark3、Canon EF16-35mmL USM/F2.8

2)ISO100,焦点距離30mm,露出補正+1.33,f/2.8,1/100

3)ISO100,焦点距離34mm,露出補正+1.33,f/2.8,1/500

4)ISO100,焦点距離33mm,露出補正+1.33,f/2.8,1/640

5)ISO100,焦点距離18mm,露出補正+0.33,f/4,1/160

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番外編438. 虫干し その2. Canon EF50mm/F2.0

2020年05月28日 | Photographic Equipment

 

 あっ、また京都か・・・。マッサージに出かけた帰りに足を伸ばし、標準レンズをだけ付けて、色のないダークトーンの京都の街。

 ほとんどの店が閉まり、人通りもなく、感染の心配もない。なんだ今こそシャッターチャンスではないか。ならば世界のフィールドワークへゆくことができける・・・、と思うだけ。

 去年の今頃は、フィリピンから帰国し画像のアップも終わり、次のポルトガル行きの準備をしていた頃だった。旅は出かけるチャンスが訪れれば即でかけるに限る、早い者勝ちの精神が必要だ。国境が閉じられてしまえば、旅はできない。だから平和な時の産物だと再認識。今頃認識しても遅いが・・・。

 こんな時、フォトグラフー達はどうしているんだろうか。防護服を付けてCOVID-19を取材しているか・・。確かに日本ではスペイン風邪以来、100年に一度の経験だ。だが、そんな医療現場で撮影はできないだろう。いや、そんな余裕すらないのが現場か。

 感染は、写真になりにくそうなモチーフだ。ならば人のいない街か。それもねぇー、朝撮ったのといわれれば、やんなっちゃうな。

 

SONYα6600、Carl Zeiss Vario-Tessar E 4/16-70mm

1)ISO1250,焦点距離35mm,露出補正-0.3,f/4,1/60

京都市東山区

EOS1DsMark3、Canon EF50mm/F2.0

2)ISO800,焦点距離50mm,露出補正-0.33,f/4,1/400

3)ISO800,焦点距離50mm,露出補正-0.33,f/3.2,1/50

4)ISO800,焦点距離50mm,露出補正-0.33,f/4,1/30

5)ISO800,焦点距離50mm,露出補正-0.33,f/11,1/200

6)ISO800,焦点距離50mm,露出補正-0.33,f/11,1/200

 

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番外編437. 虫干し その1.Canon COMPACT MACRO EF50mm/F2.8

2020年05月27日 | Photographic Equipment

 

 

  虫干し、フィールド機材の試写をマッサージの行き帰りにしていた。

普段動かさない機材も、すこしは動かさないと、いざ!、フィールドへというときに動作不良が出てくるから。

この古いマクロレンズは複写以外使ったことがない。ならば試写してみよう。

散歩ぐらいは許されるけど、今は出かける気分ではない。

出先で珈琲すら飲めなかったりすることも、出かける意欲をそいでくれる。

それでも、少し古いレンズをつけて街を徘徊した。

5月初旬の頃であった。

 

SONYα6600、Carl Zeiss Vario-Tessar E 4/16-70mm

1)ISO5000,焦点距離53mm,露出補正0,f/5.6,1/100

京都市下京区

EOS1DsMark3、Canon COMPACT MACRO EF50mm/F2.8

2)ISO200,焦点距離50mm,露出補正-0.33,f/10,1/640

3)ISO400,焦点距離50mm,露出補正-0.33,f/2.5,1/5000

4)ISO400,焦点距離50mm,露出補正-0.33,f/2.5,1/4000

5)ISO400,焦点距離50mm,露出補正-0.33,f/2.5,1/1250

6)ISO400,焦点距離50mm,露出補正-0.33,f/8,1/800

7)ISO400,焦点距離50mm,露出補正-0.33,f/2.8,1/1250

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NIKON FREAK484. 新型コロナウィルス11. 後書き、緊急事態宣言解除

2020年05月26日 | analysis

 

 

 新型コロナウィルスも、5月26日に最後に残されていた首都圏の緊急事態宣言が解除された。

 社会は速やかに回復に向かう。手元の昨年の12月末から始めた感染者データ採取は5月末日をもって終わる。特に解析してブログで公開する必要性もない。

 京都は感染者0値の日が11日間続いているので、ウィルスの最長潜伏期間2週間に近づきつつあり、外部から持ち込まない限り、京都市内に新型コロナウィルスは存在しない。

 緊急事態宣言解除後は、メディアが報道しているように経済回復まで長い時間がかかるとは、私は全く思っておらず、恐らく、かなり早い速度で経済回復をしてゆくと推察している。その論拠が株価の上昇。さらに各国政府が大型の財政出動をおこなってきたので市場はお金が余っている。低金利政策が市場を刺激してゆくだろうか。

 さて、元々私は家のアトリエで仕事をしていた。全てがインターネット上だったからステイホームといわれても影響は皆無。それより社会が大変静かで、人のいない京都は大変素晴らしく、これが古都の静寂感だと通巻した。だから実をいうとステイホームの間は充実の日々だったのである。

 ただトレーニングセンターが3月から休み、4月からは喫茶店もマッサージ屋も休み・・・、といった具合に気分転換ができないのは少し悲しいものがあった。そこでAmazonで本を注文し、その知見で小説:小樽の翆を執筆する時間は、とても充実の限りであった。今思うと、そんな時間が懐かしいし、もっと続いていてもよかったが・・・。

 ふと考えると、ステイホームのなかで充実した1日が過ごせるツールを普段から用意しておくことが必要だと思われた。こちらは幸いにして官能小説を書いていたし、透明水彩絵具で魚の絵を描いたり、普段しなかった家の片付けをしたり、食べたい時に食べたいものを調理し、寝たいときに寝る不規則な毎日を過ごしていた。こんな好き勝手な事ができて、しかも時間を気にしないで過ごせたのも、大変素晴らしいステイホームの時間だったことに気づかされた。

 感染症は、感染している人間と遭遇しなければ感染はしない。遭遇してもバリエールを付けていれば過半は防げるだろうと考えている。

 実を言うと宣言期間中に、蒸し暑い初夏の眩しい街へ散歩に出ていた。人が歩いていないのだから感染の心配もない。そんな宣言期間中の街歩きの画像もストックができたので、時折ブログにアップさせよう。季節柄、虫干しといったらよいか・・・。

 

京都市下京区・東山区

NIKON Df、AF MICRO NIKKOR60mm/F2.8

2)ISO280、焦点距離60mm、露出補正0、f/4、1/4000

3)ISO900、焦点距離60mm、露出補正+1、f/4、1/4000

4)ISO4000、焦点距離60mm、露出補正+1、f/8、1/4000

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NIKON FREAK483. 小説:小樽の翆106. 手持ちぶさたなランドリー

2020年05月25日 | Sensual novel

 

 もう午後も遅い時間だろうか。

翆が起き出して、はってインナーをとりにゆこうとしている。おっ、そのまま!、一寸クロッキーをしておく。

後ろからみてると、僅かな陰毛の後ろの翆の股間に一文字のラインが見えている。

翆「あちきも元気だねい、後ろから・・・、そんなにオンナの股間って描きたい?」

なんか人間の行為の意味づけや確認をしてたくなるというのかなぁ、それは昨日は激しく燃えた股間というだけで、なんか意味深じゃない。まあそれだけじゃないけどさ・・・。

翆「いいよ、もっと近くで描いても、5分ぐらいこのまんまにしておくからさ」

そういって、四つんばいになった翆の後ろ姿をクロッキーしている。昨日タップリ愛した翆の股間、というだけで意味をもっている。女の生々しい股間には、それは、はいりこめそうで、はいりこめない、いつも、そんな現実の落差というか、もどかしさを感じている。

それにしても今はエアロビクスがお休みだから、翆は趣味がないよね。

翆「アチキと毎晩セックスするのが趣味かなあー。オンナってセックスして、料理して、お家のお掃除して、それで仕事もしてといったら、もうそれで十分だよね。だからオンナは、男の人に注ぐ愛情に飽きたら趣味に走るでしょう。趣味に没頭してオトコとのセックスは疎遠になる、それにオトコが女に飽きるっていうのがあるかなぁー。上さんの裸みたってたたないよ、というのが年取ったオトコの気分という話もあるよ。つまりお互いに愛していないんだけど別れない、そのあたりが夫婦のしがらみなんだろうね」

まあそうなっちゃったら人生も楽しくないよねぇー。アチキはずっと翆とセックスができることに幸せ感を感じるけどね。

翆「たぶん私達って相性がよかったんだよ」

(笑)

・・・

翆「さて今日は、夜勤ですぅー、ならばお掃除かな。アチキは洗濯物をランドリーに持っていってね」

夕方のランドリーは空いている。夜になると再び混んでくる束の間のまったりした時間帯だ。ランドリーで洗濯の仕上がりをまちながら雪の小樽の街に眼をやると、結構よいシーンがあったりするのだが、もう雪は大半がなくなってきている。撮影機材も、手持ちぶさたなランドリーだ

・・・

夜半に、翆は、エイリアンのディプリみたいに、カルバンクライン風の黒いブラとショーツで身を固め、米軍の夜打にでかける戦場の兵士みたいにして出勤していった。病院は、次第に戦場の気配が濃厚になってきているようだ。

小樽市の感染者 陽性19名、入院2名・・・。

 

小樽市花園

NIKON Df、AF-S NIKKOR28-300mm3.5-5.6G

ISO400、焦点距離28mm、露出補正+0.67、f/11、1/25

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NIKON FREAK482. 小説:小樽の翆105. 神が与えてくれた時間

2020年05月24日 | Sensual novel

 

 新型コロナウィルスの感染で、10万円やるからステイホームしていろ、などと政府が言い出すなんていう経験は、アチキの人生でも初めてのことだ。

 なにしろ家にいろ!、外に出るなというのだから、小樽の木賃アパートににこもり、毎日翆とセックス三昧にふけっている。意外に毎日飽きることなくできるのは、セックスをすればするほど翆がそれ以上に愛してくる。だから、大学まででかける気分ではないし、小樽から通えるじゃん、というわけだ。そもそも大学など1日で一週間分の仕事がすむのだから、もともとステイホーム思考の働き方だったのだ。

 さらにステイホームしているし、Zoomという出会い系サイトみたいなネーミングのソフトを使うとテレワークできるし、アチキはもともとテレワークしていたから、たいした生活の変化はない。世の中が勝手にさわいでいるだけだろう。ここはまだ静かに隠れるアチキの隠れ家だ。

 さて深夜に翆と待ち合わせの房チャンのお店に出かけると、翆は仕事上がりでアンデスのマカの媚薬入りカクテルで一杯やっている。それっテンションがあがるんだけど・・・。

・・・

房チャン「他所では、お医者さんとか看護師とわかるとタクシーが乗車拒否したり、育児所が断るんだって」

翆「タクシー乗らないから、わかんないなぁー(笑)、少なくとも小樽ではそんなことはないよねぇー」

医療従事者に拍手はするけど、そばにこないでという日本人固有の非科学的な勘違いだろう。まあそんな街に住まないことだよ。

房チャン「それって兵庫県の方らしいよ、WEBにのってた」

そういって房チャンは、ホタテのステーキと、烏賊の塩辛と、菜の花和えのサラダと、昆布の香りが漂う味噌汁と、暖かいご飯を用意してくれた。

・・・

真夜中に千鳥足で翆の木賃アパートに帰ると・・・

翆「もうおっぱいが張ってるの」

翆の固くなった乳首が身体に当たる、今日も健康だったんだ。

そういって翆が唇をよせてきた。カクテルの甘い味がしている。

翆「ぅんんっ、ぅんんっ・・・」

舌をしゃぶりあいながら服を脱がせ合った。

だから翆を抱えて、もどかしく脱がして布団に飛びこんだ。

翆の素肌をまさぐりあいながら、乳首を噛むと、翆は首筋に強いキスをしてきた。翆の丸い大臀筋をなで回しながら、指はオサネに向かう。すでに十分に濡れていて、それが形をとどめないように崩れているようだ。

翆「舐めていい!」

そういって股間に顔を近づけてきた。一緒にしようといってシックスティナインに促して、翆の両足をひろげると白い股間が眼に迫ってきた。雪解けの季節がきたかのような植物のように股間が潤っている。薄桃色の肌は翆の発情を伝えてくるようだ。水晶の結晶のようなオサネを舌先で転がすと、翆は身震いして声をあげた。

翆「うっうううー、はぁあーー・・」

男根をしゃぶる口に力が入り、翆の頭が激しく上下する。翆とアチキの興奮がスパイラルのように絡まり合いながら上昇してゆくようだ。そんなに激しくしゃぶるといっちゃうよ、そういって翆の身体を崩し、彼女の膣に男根を差し込んでいった。

翆「あっーーぁっ、あああーーー」

翆の膣の最奥まで入れ込むと翆のからだが動き出し、細めで眼を見開いて長い睫毛を寄せ、ハアハアと息をはずませる。腰を弾ませながら、唇を重ね舌をしゃぶりあっていた。翆が力をこめて腰を押しつけ抱きついてくる。やがて連打すると連打のリズムをつかんだかのように翆の腰が激しく動いてくる。

翆「ああっ、いいっ、離さないでぇー」

みどりがあられねなく乱れてくる。

翆「はぁっー、はあっ、いっちゃうーー、いっちゃうーー、アチキ、いってぇーーー」

翆の乳首が上下に揺れ、ピンク色の乳首が綺麗だ。翆のツメが背中に食い込む・・・。翆の膣を連打すると、ビクンビクンと躯が痙攣をはじめ・・・・

翆「もう、ダメ・・ガマンできない、あっ、あっ、あっあああああああああーっー・・・・」

翆の身体が膣が激しく動き出し、我慢の限界で膣に精子を放つと、一粒残らず吸い上げてゆくように膣と身体が激しい収縮を繰り返して絶頂をむかえた。

・・・・

そのまま力なく翆と抱き合っていると、朝焼けの光が窓から射してきた。

もう、朝ダヨーーんといって、翆は眠ってしまった。

ステイホーム、それは忙しい現代人に、神が与えてくれた時間なのかもしれない。汝、最愛の翆を心ゆくまで愛せ!、そう言っているようにも思われる。

 

小樽市花園

NIKON Df、AF-S NIKKOR28-300mm3.5-5.6G

ISO400、焦点距離68mm、露出補正-0.67、f/6.3、1/320

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ZEISS の空気88. 小説:小樽の翆104. 小樽気質

2020年05月23日 | Sensual novel

 

 このところ翆は準夜勤続きだ。実は翆もアチキも準夜勤の日が好きだ。たっぷり朝寝坊して普段の生活の夜更かしぐらいだからというのもあるし、夜中に帰るので人のいない真夜中に遊びにゆける。こんな時は人のいない真夜中の方が安心だ。といって出かける先は限られるけど・・・。

 だから午後は翆が出勤の準備を始めるから、その着替えの頃合いを狙ってクロッキーだ。

おっ、とそののまま・・・

翆「こんなポーズでいいかな・・・」

翆は小樽で生まれ育った。

翆は、裸婦を描かせろというと、拒否することがない。もちろんアーティストのパパの子というのもあるからクロッキーのモデルに慣れているというのもあるし、看護師だから裸に抵抗がないというのもあるし、それにクロッキーがデッサンの勉強になると理解しているから、そんな簡単な事だったら、いつでも脱いであげるよ!、という小樽気質だ。

小樽気質、坂道の多い狭い土地に肩を寄せ合って暮らしてきたから、みその貸し借り、一升マスの米の融通や病人の世話などは、向こう三軒両隣りの連帯感の形成を促していったのだろう。

そういえば小樽市内のたくさんの坂道には必ずといってよいほど砂袋や食塩が置いてある。車が坂道を上がれないときには、これを使え!、というわけだ。坂道が多い小樽ならではの光景だし、そのあたりも現代の小樽人気質の発想かな。

だから小樽っ子は、余計なお節介と思うほど他人に共感し、我がことのように思い、損得を離れて他人に奉仕することを無上の喜びとする気質は、翆にもよくあてはまる。ましてセックスで可愛がってあげたら、それ以上の愛情で返してくる。

だから昨日も、翆が夜中に勤務が終わって帰ってきてから、激しいセックスで燃えてしまったわけだ。

アチキが少し気だるい股間を引きずりながら、意識を奮い起こして翆の身体を描いている。

翆「パパがねぇー、人寄せができないって寂しがっているの・・・」

そうだ小樽っ子は、人寄せがすきなんだ。それを、集まるな!、という新型コロナウィルスのおかげで、果たせないのも悲しいものがある。そういえば、ツカモッチャン先生の所は7人の子供がいるから、こんなときでも賑やかだろう。そう裸の翆にいったら、スマホで電話している。うかつにテレビ電話にしたら翆のボディが映るから面白いなと思っていたが、さすがにそんなへまはしないか。アチキは電話している翆のボディを眺めながらクロッキーをしている。

・・・

翆「学校がお休みなので、毎日林間学校に来ているみたいだって。上のお姉ちゃんが毎日のスケジュールをつくって、規則正しい生活をさせて、下の子達に勉強を教えているんだって。暇なのはツカモッチャン先生よ。だって学校がお休みじゃ、することないもんね。それで、パパ十万円はいったら美味しい物をたべにゆこうね、と子供達に誘われているんだって」

給付金一人10万円というと、ツカモッチャン先生の所は9人家族で90万円かよ、すごっ!、一寸ビッグな臨時収入だな。

・・・

翆「さて、今日も修羅場ですぅー、感染者増えたもんね」

そういって、インナーをつけはじめた。

翆「こんなインナーで、どうお?」

おいおい、戦場にゆくのにインナーを選ぶなんざあ、いい度胸だ。いや、何があるかわからないから、インナーぐらいは選びたいのか。

翆「夜中に房チャンのお店ね、こんな時だからお店はやっていなくて、一晩一組だけ予約が来たときだけ、お店をあけることもあるんだって」

そういって、翆は夕方準夜勤で出勤していった。

 

小樽市舟見坂

SONYα6600、SEL3.5-5.6/18-135mm

1)ISO160,焦点距離34mm,露出補正-0.3,f/11,1/60

2)ISO320,焦点距離19mm,露出補正-0.3,f/11,1/30

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NIKON FREAK481. 小説:小樽の翆103. 線1本!、

2020年05月22日 | Sensual novel

 

 じゃあ今日はウィッグをつけて、少し長い髪で・・・・。

そんな余裕があることができるのは、翆が夜勤前だからだ。

翆「こんな感じで少し長い髪風かな?」

OK、OK、筋肉質な感じがでていていいね、それで7分くれ。

翆「そんなに女の体って面白い?」

そりゃ面白いよ。

翆「写真じゃダメなの?」

あれは世界が違うよ。生活感とか、そんなのって皆無じゃない。

翆「生活感!、さっきまで魚の煮付け作っていたとか、セックスして燃えていたとか(笑)・・・」

そりゃ後者だよ、燃え尽きましたって・・、そんな感じがリアリティがあってすごくいいんじゃない。生き物というか人間って感じがして・・・。さっきまでセックスしていて、身体が燃えていましたなんて感じがクロッキーで表現できたら、いいんだけどね。それって難しいのよ。唇尖らせても嘘くさいしね・・・。そんなもどかしさを感じながら、描きとめてゆくんだけど・・・。もどかしさ・・・、もどかしさ、・・・、セックスももどかしさの連続だよ。

翆「神様は、赤ちゃんをつくれば十分ですと思し召しですが・・・、もどかしさは人間の勝ってじゃないですかぁー」

そうなんだけどさ・・・、勝手な画家ですから、だけど描き留めておかないと、老いたり死んじゃったりしたら終わりだよ。翆なんか感染病棟の看護に配置換えされたりして、運悪く院内感染でコロナにかかって、さらに運悪く一命を落としたなんていったら、アチキは翆のクロッキーを抱えながら泣くでしょうね。

翆「それゃ、笑って死ねるね・・・、死んだらアチキが私の裸のデッサンを抱えながら泣くんだ・・おっ!、なんかいいじゃん!」

アホかいな!

翆「アチキのデッサンってあんまり顔似せないよね」

そこまで描く時間がないですから・・・。

翆「オンナの身体の何処が面白い?」

やはり固く細い肩から、くびれた腰があって、それが大きな骨盤の上に乗っていて、大臀筋が膨らんでいて、変化があるじゃん・・・。

翆「じゃあ、ヴァギナは?」

そこ線1本引くだけですから。せいぜい鼠径部の量感ぐらいは描くけどさ・・・。

翆「あんなに大切なところが線1本!、ですかぁ・・・」

そこだけ描いていたってデッサンにならないよ(笑)。

・・・

翆「時間があるから花銀でお茶してゆこうよ」

じゃ、コロンビアにゆこうか・・・・。

・・・・・

お茶して、翆は戦場みたいな病院へ出勤していった。そういえば、最近休日がない。忙しいからあとでまとめてといってた。

小樽市コロナウイルスの感染者 陽性19名、入院患者数4名、変わらず。

 

小樽市花園

NIKON Df、AF-S NIKKOR28-300mm3.5-5.6G

ISO400、焦点距離135mm、露出補正0、f/11、1/400

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NIKON FREAK480. 小説:小樽の翆102. うぬぼれ鏡

2020年05月21日 | Sensual novel

 

 翆は夕方出勤の準備で、インナーを探して裸でウロウロしている。こういうときはクロッキーのチャンスだ。

7分ポーズ、3回ね!

翆「オンナの裸が好きだねぇー!、モデルさんも綺麗?」

好き者に見えるかな?。モデルさん・・うーーん、俳優とかダンサーが多いから筋肉質なモデルさんが多いかな。結構ボディーは、格好よいモデルさんもいるよね。そんなのに限って薬指に指輪をはめていたりして、彼氏がうらやましいなと思う。まあ女の体というのは、描いていて面白いんですよ。

翆「デッサンの世界を知らなければ、そうだよねぇー。顔だけじゃ満足しないんだ・・・」

顔だけだと、化粧品のポスターをみているみたいでしょう。そんな画像がFaceBookに沢山あるけどさ・・・、多分映っている自分でも、髪を整えて化粧もバッチリ決まって綺麗だと思っているんだよ。オンナってナルシシズムの生き物だね。そんなのをみていると、アチキは、このオンナのボディはどうなってんだろ?、ってボディのほうに興味を持つよな。だから顔写真アップさせたら、脱げよ!、とつぶやくけど。ボディと一緒に顔があるじゃん、顔だけなんて変だと思わないかい?

翆「パパもそんなことをいってたなぁー。洋服着てたらダメだよねぇー」

洋服の上から身体の体型を読んで描けるけど、わかんないところは、おもっきり日本人体型にしちゃうんだ。ズンクリムックリの・・・。そのほうが、アチキは生物という感じがして綺麗だと思うんだけど、本人に見せると、『あたしって、こんな身体なの?』と大概は反発される。鏡でみているのと違うというわけさ。

翆「だって、うぬぼれ鏡だもん。鏡は自分だけよく見えるようになっているのよ、ポーズ次は?」

うーーん、股間に手を当ててオナニーでもしそうなポーズがいいかな。

翆「こんな感じね!」

手慣れているね。

翆「だって、アチキがしばらくいなかった時は、毎日オナニーしていたもん」

そのポーズが、オンナが生きている生活感があっていいよね。オナニーしててもいいよ。

翆「触るとビクン!、と少し感じちゃう(笑)」

あっ、それ生物というナマの感じ、いただき・・・。しちゃう?

翆「シャワーを浴びたから、帰ってからね(笑)」

大概のオンナは、そんなボディをデッサンしてくれる人間もいないし、手入れしたボディを披露することなく、精々美意識のない彼氏にみせるかもしれないが、そうやって老けてゆき、二度とみられない。それは勿体ないと思う。だからアチキは消えそうになっているオンナのボディをせっせと描き留めようと、鉛筆と練りゴムを走らせるのだが・・・・。

・・・

そういって翆は、装備を固めて出勤していった。

小樽の夕方もまだ明るい。

・・・

小樽市内 検査人数223人、陽性数19人、入院数4人、死亡2人、陰性確認済み累計13人。

 

小樽市花園

NIKON Df、AF-S NIKKOR28-300mm3.5-5.6G

1)ISO400、焦点距離32mm、露出補正+0.33、f/11、1/200

2)ISO400、焦点距離48mm、露出補正+0.33、f/11、1/320

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番外編436. 新型コロナウィルス10.まとめ

2020年05月20日 | analysis

 

 新型コロナウィルスも緊急事態宣言解除時期であり、ようやくクラスターが追跡できる感染規模に縮小してたということであり、感染が終息したわけではない。いつもの推移と現状をみながら、最後に2つ指摘事項と、現在の感染状況を俯瞰してみよう。

 

1.何故日本人は重要なことを最初に説明しないのか?

 重要な事とは、発症期ではなく潜伏期にウィルスの放出量が最大となる可能性が高く、従って発症者をみつけるのが困難であること。そこがこれまでのウィルスとは異なっていること。

 私は、既に5月2日の私のブログ「番外編432. 新型コロナウィルス(COVID-19)感染者数の推移について その7.日本と韓国の比較考察」のなかで、「図4.感染構造の仮説モデル」をあげて、これが潜伏期感染だという仮説をたてた。

 私は、どうして隔離しているにもかかわらず感染者が次から次へと出現するのだろう疑問に思った。だから私なりにデータ解析をしながら、感染量が最大になる時期が、これまでよりは前にずれており、既に潜伏期で感染が起きていたとする仮説を提案した。そして保健所や国がおこなっていることは、今回のウィルス感染とは、すべて逆方向の対応ではないかと違和感をブログで指摘した。当時の図版を以下に再掲しておく。

図1. 感染構造の仮説モデル(5月2日ブログから再掲)

 

 だが、これは仮説ではなく現実だった。図1にあげたのは、国立国際医療研究センター、国際感染症センターが示した感染構造(注1)が図2である。

 

図2.COVID-19とSARSの感染構造(注1)

 図2は、新型コロナウィルスとSARSの感染構造を比較したもので、新型コロナウィルスは潜伏期にウィルスの感染量(排出量)が最大になり、潜伏期感染をしていることがわかる。従って発症を自覚してからPCR検査を受け隔離される現在の保健所のシステムでは感染を防御できない。他方でSARSは、発症期にウィルス排出量が最大になるので、それから隔離しても感染を防ぐことができた。

 私は、このような図がメディアで報道された記憶はない。

 そんなことを知らないのは、あんただけだよ、国民はみんな知ってんだから、という理屈なのだろうか。

 おそらく感染症の治療をしながら、こうした構造がわかってきたと思われる。つまり潜伏期感染であれば、誰が感染したかはわからないので構造的に捉えられない。だから人と人との接触を8割減とする施策がなされたと理解すべきだろう。

 新型コロナウィルスには、そうした方法しかなかったということであり、保険・医療の従事者達は、潜伏期感染によってワクチンのない現状下では、今ある保険所・医療システム、そして治療方法が効果が少ないことを理解しながら、対処療法を続けきたと考えられる。

 ならば、そのことを国は最初に国民に説明したらどうですか、というのが私の意見。少なくとも警戒宣言発令時には、わかっていた知識である。そんな重要な事を最初にいわないとする経験を、これまで随分としてきた。

 

2.何故国内技術を最大限活用しないのか?

 2時間で自動で検査ができるPCR検査キットは日本製だった。だが日本政府が認めないままヨーロッパで活躍したが、日本で使われることはなかった。そんな日本の技術の流出があった。

 WEBのYAHOO!(注2)ニュースによれば、「ヨーロッパで多用されている2時間で検査ができる全自動PCR検査システム試薬キットは、日本の開発ベンチャー企業プレシジョン・システム・サイエンス社(千葉県松戸市)が製造し、仏エリテック社から販売されている。海外では既に数多く使われてきた実績があるのに日本では使っていない。PCR検査自体は保険適用がされたが、そのために医療機関と都道府県との契約が必要となるなど新たに制度の壁もでてきた。そして日本は、利権構造、既得権益、岩盤規制、官僚主義、お役所仕事で雁字搦めになっているため、肝心の技術をもちながら、それを拡大し利用できなかった」、と報じている。

 プレシジョン・システム・サイエンス社と日本政府の関係の悪さがうかがえる。ベンチャー企業だから、天下りを受け入れないとか、普段から厚生労働省との関係がないとか、つまり利権構造に組しない関係性の悪さがあったのだろう。だからこそベンチャー企業といえるのであるが。今は京都の島津製作所が1時間で検査可能な製品開発をおこない、試料の一部無償提供をおこなっている。

 最近政府がビックデータを活用して感染症のソフトウェアを作ろうと関心を寄せている。つまり感染したら、氏名は伏せるが(管理者は知っている)、位置情報でどこにいるかを詳細(寝室にいれば彼女と抱き合っていることもわかる精度の情報)に示し、感染者が接近したらブトゥースをつかってアラートを鳴らすというものだ。プライバシーの課題があるので今後政府で検討したいとするものだ。

 私にいわせれば。そんなものはビックデータを扱う企業がアプリを開発すれば済む話で、政府が介入することではない。情報は一端公開すれば、どんな制度の縛りや名目を付けてもWEB上から消え去ることはない。個人が自由とクリエイティビティを発揮できる、そこにPCの開発者アップルの基本姿勢があり、今PCを政府が国民管理に使おうとしているのは、アップルの精神に反しているだけではなく、国民の意識にもそぐわない。私達が使っているのは、個人を基本としたPersonal computerであって、政府が管理するGovernment computerではないのだ。

 そもそも潜伏期感染で、本人自身がわからないまま、ビックデータを駆使して何がわかるんだろうか。わかる事は1つだけ。感染経験があるか、そうでないのか、それによって差別を形成する構造につながってくる。

 

3.政令指定都市を有する都道府県別感染者数累積値の推移

 感染者数累積値を示した。累積値であるため図の線形が低減することはあり得ず、右肩上がり、もしくは水平、にしかならない。その水平に近づくということは改善傾向が顕著になってきたということを示している。

 日本にウィルスが持ち込まれたルートは大きく2種類あった。1月〜2月にかけて武漢ウィルスが持ち込まれたクルーズ船。これだけであれば、緊急事態宣言まではゆかなかった。そして3月中旬に欧米各国がおこなった都市封鎖で、日本への帰国者によって持ち込まれたヨーロッパ型ウィルス。これは感染力が強く一気に日本全体に拡散した。いずれも日本の防疫体制の構築が大変甘く、そして遅かったことになる。

図3.政令指定都市を有する県別感染者数累計値の推移(単位:人)

 

4.政令指定都市を有する都道府県別1日あたりの退院数/入院数の現状について

 当該日の退院数/入院数の割合を過去2週間分を示したもので、数値が1未満は入院数が多く、1以上が退院数が入院数を上回り、改善方向にむかっている。また#DIV/0!は、分母の入院数が0値のためExcelではこのように表記されており、これも改善傾向を示している。それらの値を右欄に示し、合計値を安全日日数として示した。

 私のブログ(5月14日)と比較すれば、安全日の日数が大きくなっており、特に10日以上ある自治体が、北海道、宮城、千葉、静岡、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、熊本であり、改善傾向が見られる自治体である。これらの自治体は緊急事態宣言が解除されることを裏付けている。

表1. 1日毎の退院数/発生者数(5月4日-5月17日)

 

5.まとめ

 私は、何故隔離されているのに感染者数が増えるのか?。そんな素朴な疑問から、ギゼックさんの本(注3)を読みつつ感染症を勉強しながら、毎日厚生労働省が発表する数値を手元のExcelに取り込み解析していた。本来なら、こんなデータはExcelファイルで提供されてしかるべきである。

 それでも集計し少し解析したので私なりの解釈が得られた。それが潜伏期感染である。私が感じた違和感(ブログ5月7日、番外編433. 新型肺炎感染者数の推移について その8.)もそこから発生してきた。従って唯一の対処方法は、人間の行動を停止させ、三密回避しかなかったことになり、政策の論拠が理解できた。そして発熱後4日間後にPCR検査をするなどの施策は、既に手遅れ策でしかないことがわかりつつ、陽性者の発見が進められてきた。その後に続く医療も、当然対処療法しか方法はなかった。

 こんな時にWEBサイトをサーフィンし情報をかき集めようというのは、文科系の手法である。そんな論拠が薄く情報の過誤も確認できないまま他人のディスクールに惑わされることなく、自らの手で解析することで、そして自らが納得してゆくことによって、過度の情報がもたらす不安は取り除けた。そのための知識は、高校生までの知見で十分だった。

 最近手元にある多変量解析ソフトだけでは不十分であり、数式処理システムのMathematicaが必要かなと思う。ただ感染症のモデル式ソフトがあれば、データを投入すれば結果は出てくる。第2波に備えて、そんなシミュレーションもしたかったが時間もつきた。このシリーズも一応終わりとする。

 それは、新型コロナウィルス感染が終息したということではなく、感染が人間の眼で捉えられる規模まで数値が低減しただけ、という意味である。

 

データ依拠:厚生労働省WEBサイト、新型コロナウィルス感染症の状況と厚生労働省の対応について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00086.html

 

注1.COVID-19新型コロナウイルス感染症について、国立国際医療研究センター、国際感染症センター:忽那賢志、PDF版

注2:https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200509-00177769/

注3.ヨハン・ギゼック著、山本太郎・門司和彦訳:感染症疫学、昭和堂、2017

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番外編435. テクニカル・プアな人達

2020年05月19日 | Photographic Equipment

 

 先日京都市内のマッシュというパン屋の2階のカフェでPenという雑誌をみていた。おや!、まだこんな特集企画をやってんだ。つまり著名人を登場させ、すり切れたLEICA(Lietz)を紹介している。そんな企画は、これまでさんざんおこなわれてきたが、まだそんな記事を掲載していることに唖然とした。

 私もフィルム時代にLeitzを使用したことがあり、当時のレンズの映りの良さは経験した。といって今はフィルムのプラス Xもなく、唯一あるトライXは高価だし、そもそもHというプロラボへフィルム現像を依頼したら、ゴミはあるは、ひっかき傷はあるはで、その下手さ加減に愕然とした。もちろんモノクロームだったら自分で現像した方が綺麗だが、現像タンク類は随分前に処分した。良い現像ができなければ、フィルムを使う意欲はない。

 Leitzは、モノクロフィルムでは大変綺麗に撮れたが、それはフィルムのあった時代の話かと思ったら、今でもそれを愛でている愛用者がいる。

 だが今の私は、Leitzに対する好奇心も、使おうという気分もない。そもそも撮影画像は、テーマに合わせてPhotoshopで大いに加工してしまい、印刷物にするときはライツで撮影したフィルムをスキャナーでデジタル化するので、論理的に結果は一緒だ。

 だから私は、Leitzに価値無しと判断している。いまのLEICA社は計測器メーカーとして存在しており、昔のような撮影機材メーカーではない。もはやそれが活躍する場面は、私の回りにはない。

 それでも私の手元の機材トランクの中には、M4-Pボディと4本のレンズがある。SONYαのブログラムがなければ、Leitzレンズの発色などクズだ。あの名鏡玉といわれたウェッツラー35mmズミクロンF2.0の8枚玉でさえゴミのような写り方しかしないことを経験した。

 精々80年前のヘクトールの古くさい色を意図的に使うことも考えられるが、そんなのPhotoshopで簡単にできでしまう。だから雑誌でLEICA特集をみていると、PCとかPhotoshopに縁のないテクニカル・プアな人達が雑誌に登場していると勝手に判断した。

 もうひとついうと、私はドイツデザイン(枢軸国のイタリアデザインも含めて)が嫌いなのです。今でも存在するワーゲンとかLEICAは、かってヒットラーの愛用車・愛玩物だったでしょう。だから彼と同じ趣味は、もちたくないという理由が大きいかな。

 

NikonDf、AF MICRO NIKKOR 60mm/F2.8D

1)ISO6400,焦点距離60mm,露出補正0,f/22,1/30s

2)ISO6400,焦点距離60mm,露出補正-0.33,f/11,1/60s

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NIKIN FREAK479. 小説:小樽の翆100. 幕間9.

2020年05月18日 | Sensual novel

 

 冬枯れのつなぎで始めた、小説:小樽の翆も、新型肺炎のため沖縄ダイビングへ出かけることができないなどで、当初の目論見とは異なり、ついに100回のシリーズになってしまった。

 このシリーズを書き始めた頃、小樽を二度訪れた。この頃は全国的に新型肺炎が蔓延しておらず、北海道にクラスター感染者が発生した位で小樽にはまだ感染者がいなかった。北海道の感染状況をみながら出かけるとすれば今しかないと判断し、バリエールのマスクをつけて小樽へ出かけたのは正解だった。そして2回目の小樽を発った最終日、ついに小樽に初感染者が発生しきわどかった。今は出かけるどころではない。

 当時考えたのが運河沿いの観光地は避けて普段の小樽の生活の風景を撮影したい。それで住宅街のなかの宿を探していたら、大正時代の洋館をリニューアルしたゲストハウス:リトルバレルが目にとまった。それは住宅街の丘の上にある瀟洒なゲストハウスだがシャワーだけしかない。実は近所に神佛湯という家族風呂付銭湯がある。だから宿のタオルを持って神佛湯に日参し、歩いてほどない花園銀座で夕飯を食べるという至福の時間が過ごせた。普段暮らしがある小樽の雪の街が、これほど魅力的だとは想像だにしなかった。

 そんなわけで近年雪の街に来ることがなかった私の生活のなかで、小説のイメージを大いに補強してくれた。もしよくある高層ホテルに泊まっていたら、そんな経験は先ず不可能だっただろう。

 小樽では、小説のアチキや翆の気分になって生活の風景を追いかけた。ここが翆の木賃アパートで、コンビニはここで、ランドリーはここ、それにちゃんと家族風呂付銭湯もあり、なんと大きな生協や飲み屋などの繁華街があり、そして感染症指定の総合病院もあるではないか。道東の山々が見えているアップダウンがある変化の多い小樽の街の景観も小説のイメージを大いに増幅させてくれた。実は、こんなにうまく架空の話の舞台に出会えるとはおもっていなかったし、まだ小説のモチーフにするような少し古い時代の空気が残っていたのだ。

 もう一つメモすれば小説は、様々な断片的な情報や、聞きかじった情報、出先で経験した情報、医療関係者の裏話、それに官能小説の濡れ場の場面、私のクロッキーもなど駆使して、1つのストーリーに集約できるところが面白い。もちろん架空の話だから信憑性や裏付けは不用だ。

 そんな小説を最初から読もうとすれば、このブログのカテゴリーのなかにSensuai novelでまとめている。初期の頃と読み比べると、現地取材もしたから、少しは小樽の翆の空気に近づいたと思われる。

 さらに雪国の冷たさを表現するために撮影画像は、Photoshopでトーン、彩度、カラー補正をおこない、青みを強調し、goo用に1024dpiに縮小して、ブログにアップしている。それは時にツァィス・プラナー風の色かと感心することもある。

 今は緊急事態宣言発令下だから、旅に出て新しい発見を仕込む事は不可能だ。だが小説のようにクリエイションとなると、イメージだけ最初に集めてさえおけば、後は発想すればよいわけだから、ステイホームの格好の時間つぶしだと解釈している(笑)。

 

小樽市花園、相生町

NIKON Df、AF-S NIKKOR28-300mm3.5-5.6G

1)ISO400、焦点距離90mm、露出補正0、f/11、1/640

2)ISO400、焦点距離28mm、露出補正0、f/11、1/400

3)ISO400、焦点距離122mm、露出補正+0.33、f/11、1/250

4)ISO400、焦点距離90mm、露出補正+0.67、f/11、1/320

5)ISO400、焦点距離116mm、露出補正-0.33、f/11、1/500

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ZEISSの空気87. 小樽の翆99. おさな妻

2020年05月17日 | Sensual novel

 

 翆の勤務は、日勤、日勤、準夜勤、夜勤、休日のローテーションだ。今日は夜勤だ。

翆「晃子さんも夜勤なの。出勤前のご飯を一緒に食べにゆこうと誘いがあった。アチキも行く!」

出勤前だからスタミナをつけようという選択は合理的だ。

・・・

晃子「もう一週間病院泊まりだった。帰してくれない。感染リスクもあるから、病院で消毒薬のシャワーを浴びる感じかな。今日は唯一のレジャーですよ・・」

翆「あら、その間ヒロシ君はどうしているの?」

晃子「うん、昨日家に帰ったら彼女をつれてラブラブしてんの。でっ、彼は、あっ、まず!、と思ったから、あわてて飛び起きてきて・・・、それで彼女も、ここへ連れてきなさい!!っていったの。怒られるかなと思って彼らがすごすご出てきたのよ」

翆「それで、こんな時期に何やってんだって殴り飛ばした?」

晃子「うーーん、違うの。私が言ったのは、お前達!、今から結婚しなさい!!、といったの。こんな難儀な時だから、一人でできないこともある。そんな時は二人で手を合わせて頑張るべきだ!!!、だからカップルになっている意味がある!!!、ってね。

そしたら息子はキョトンとして、『男子は18歳からだよ』、というわけ。だから歳は関係ないと小突いたの。彼女をチャンと守れればよい。だからそんなの構わない。彼女・・・明菜さんというのね。明菜は明日から、うちから学校へ通いなさい。帰る必要はありません」

翆「やったあ・・」

晃子「でしょ。あたしだって感染して隔離される場合だってあるんだから、足下はかたづけないとね。それにさあ、私が1週間留守にしていたとき、二人で夕飯つくって楽しくやっていた形跡があるのよ、だって軽量スプーンとかカップなんかが新調してあってさぁー・・・」

翆「それで明菜さんは、どうしたの?」

晃子「喜んだのは彼女よ『ヒロシ君、それいいじゃん、そうしようよ!、パパ達には今日からお嫁にゆきます!ってゆっとくよ』というわけ。それで彼女に料理させたら結構いけるのよ。でっ、○!。だから今は二人とも家で暮らしているよ。これで心置きなく私の仕事ができるわ・・・(笑)」

 オンナって普通に高校生ぐらいになると、大人の自覚とか将来への心構えがしっかりしてくる。アチキも同窓生の顔を思い出しながら、けっこうしっかりした少し大人のお姉さん達だったことを思い出していた。

翆「明菜さんの親御さんは。なんかいわなかったの?」

晃子「明菜さんが親の所にいって、『お嫁にゆきます』っていったら、『あっそう!』、だって。そういって家を出てきたみたい。だから、うちでもらっとこうというわけよ(笑)」

翆「早熟教育が効果をあげたね、おさな妻だぁ、ちと古いか(笑)」

晃子「はやく自立させて正解よ、高校出るまでは二人を食わせなきゃだけど、公立高校ってたいしてお金がかからないのよ。これで私が隔離されても心配事はなくなったわけ。息子は18になったら籍をいれて・・・、明菜さんは看護師にするかな。どうせ小樽で女が一生食べてゆける仕事といったら、万年人手不足の看護師か水商売しかないよ。だから翆と一緒のライフスタイルだね・・・」

翆「昔の家は、そんな家が多かったんじゃない。女の子って高校生になると、そんな夢をもつのよね。大概は、周囲を見渡しながら、そんなの夢だよねってあきらめるんだけど、実現しちゃったんだ」

アチキは、耳だけ傾けてお肉をつつくことに専念。

なるほどねぇーー、それって実現可能なんだ。

翆「賢いよね。今のように親が仕事で忙しくなる頃に子供つくっても、仕事と育児で悩まなければならないし、難儀なことばかりだもん。早く産んで早く育ててしまえば手間がかからなくなるから、その後仕事に専念できるわけだ。当然ヒロシ君と二人で面倒見ながら学校に行ってるときは託児所があるしさ」

明菜さんが18歳で出産、24歳で子供は小学校。若いから体力がある。30歳になると中学生だから手はかからなくなる。そうすると明菜さんの定年65歳まで仕事とオトコに(いや失礼)専念できる。そのころ定年は70歳かもしれない。そうすると40年以上仕事ができる。余力があるからもう一人ぐらい子供をつくることもできるかぁー。

・・・・

そういって翆と晃子さんは、タップリお肉をたべて戦場である病院へ出勤していった。

小樽市の陽性者19人、患者数4人、死亡2人。

 

小樽市花園

SONYα6000、SEL10-15mm/F4.0

1600,焦点距離18mm,露出補正0,f/4,1/60

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