Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE637.  五新鉄道

2013年05月31日 | field work
 いやはや本当に梅雨空になってしまった。寒いのやら暑いのやらわからないよくわからない気候だ。 
 五條市の新町を高架線が横切っている。いやでも目に着くストラクチャーだ。そこはは鉄道が走る予定だった。
 Wikを引用すれば、「五新鉄道は、五條駅と和歌山県新宮市を結ぶ計画だった。沿線の吉野杉など木材を鉄道で輸送させる構想で1939年に建設着手。ルート決定で衝突がおきたり、太平洋戦争のため工事が中断したりするが、1957年に工事再開、1959年に五条駅から現・五條市西吉野町城戸まで路盤が完成した。だが国鉄再建法により1982年に工事が凍結され、車社会が進展するなかで採算が見込めないことから、結局列車が走ることなく計画は断念された。」とある。映画「萌の朱雀」は、この鉄道建設を主題の背景にしている。
 今なお新町を横切る五新鉄道の高架線は、紀ノ川の手前で終わっている。その孤高な姿が、どこか多くの人々の未練を残しているようにも思われる。しかし今では鉄道の必要性は皆無であることもわかる。そういう落差が寂しさを際立たせているようだ。
  現在は、奈良交通のバスが運行されており、八木から新宮迄は日本で一番長い距離を走る路線バスが運行されている。

五條市新町地区
OLYMPUS E-PM2 M.ZUIKO DG 12mm F2.0.
ISO400,露出補正-0.3,f5.6,1/1250.
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PEN LIFE636. 6という数字

2013年05月30日 | field work
 全く個人的な主観の話だが、3と5は好きだが6は好きになれない。つまり数字の話だ。
 3や5というのは、建築の柱間が奇数の場合が多く、その方がデザインの納まりがよいのだ。それにニコンF3は、今でも好きな機材だ。それに引き換え6という数字は、どこが地味であり、あまり使いたくない数字だ。ニコンF6・・・地味すぎて花がないですね、このブログのPENシリーズNOも6が並んでおり、はやくラッキーセブンに進みたいと勝手な妄想をいだいている。
 そして明後日から6月である。また嫌いな数字が登場するのだが、早くも梅雨模様である。通例梅雨は7月中頃迄続くので、こりゃ一月半は梅雨であるか、或は暑い夏が早いかのいずれかだろう。
 といって梅雨時の瓦屋根の雨音を聞きながら寝てしまうのは気分がいいが、はたしてそれほど雨がふるのかどうか。湿度だけ高くて曇ったりほそぼそと雨が降ったりという中途半端な気候が結構多いのではと予測している。そうそう情緒的な気候にはなってくれないのが梅雨空である。
 さて今度の奈良の民家徘徊も梅雨空かぁー。そういえば、雨にあたってOM-Dを修理にだしたし・・・・これ以上書くと、未練で話題がずれてゆきそうだ。

五條市新町地区
OLYMPUS E-P3 M.ZUIKO DG 14-150mm F4.0-5.6.
ISO200,焦点距離34mm,露出補正-0.3,f11,1/500.
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PEN LIFE635. 人恋しくなる

2013年05月29日 | field work
 水曜日は朝から授業が続くので一番忙しい1日です。ブログもまとめだしです。
 さて五條市では、地元の人を入れたスナップを撮りたいと思ったが、通りを行き来するのは観光ビジター位で、地元の人は暑いためか家にこもっていた。
 昔ならば50mm、PENであれば25mm相当の標準レンズの魅力を感じてしまうと、街頭のスナップに少しばかりはまってしまう。といって表で絵になりそうなシーンというのはなかなか遭遇できるものではない。だって人が歩いているところとったってしゃあないし。
 これが中国の広州市にゆくと、道と家との50cm位の木漏れ日のある僅かなスペースでは、散髪をしている人、囲碁のようなことをしている人、お茶を飲んで談笑している人など多彩な風景が見られる。そんな家の機能の一部が表に露出できるようなマージナルスペースが結構あり、被写体にはことかかない。
 そして日本では、そういうマージナル的な場所がないかと考えた。市場だろうか、或は大阪の繁華街ならばどうかとか。結局家の中ではくつろぐが、表でくつろぐことは少ないという日本人の習性にゆきあたる。マージナルなスペースがないということもある。だからなかなかよいチャンスに巡り会う機会は少なさそうだ。
 そんな生活が表に露出する風景を探して、新町周辺の商店街迄徘徊していた。日曜日のためか、あるいは寂れたためか戸をとざしている店が多かった。
 ここのところ、人気を感じさせない古民家ばかり撮影していると、人恋しくなるのだろうか。

五條市新町地区
OLYMPUS E-P3 M.ZUIKO DG 14-150mm F4.0-5.6.
ISO200,焦点距離25mm,露出補正-0.3,f11,1/160.
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PEN LIFE634. 困った病気

2013年05月28日 | Kyoto city
 朝から雨模様。それは涼しくてよいのだが、もう梅雨かい!?。今日は、一寸疲れて書く元気がないのでPEN LIFEのオタクな話。
 ライカ・エルマリートを付けたまま0M-Dを修理にだしてあるので、エルマリートの陰で出番がなかったZUIKO10倍ズームレンズを持ち出してみた。これで標準レンズ位の焦点距離で撮影すると、あら、なかなかよい解像度ではないですかと再認識。モノクロモードでは、実に綺麗に写ります。ウーン、使えるレンズだと再認識。
 昔からライツ使いの間では、28mm、35mm、50mmの3本のレンズが傑作写真を数多く生み出したし、よく使われた画角です。当然この画角に該当するレンズは、ライツ傑作のレンズばかりです。それらをデジタル撮影で使用しても、やはりレンズの画質の良さは伝わります。そういうことができるのが、マイクロフォーサーズ規格ならではです。そしてそれは、昔私が使用していたニコンでは絶対にできなかったことです。
 それにOM-Dのプシュッというシャッター感覚が、ライツのシャッターと類似していて好ましいです。早く修理から帰ってこないかな。
 今度は標準レンズでスナップで撮影してみたい。そういえばパナソニックにライカの25mm標準レンズがあった。あれ、どうしようか。忙しい時ほど、撮影にでたくなるんですよ。それは困った病気です。

奈良県五條市JR和歌山線
OLYMPUS E-P3 M.ZUIKO DG 14-150mm F4.0-5.6.
ISO1250,焦点距離22mm,露出補正-0.3,f10,1/80.
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PEN LIFE633. 築400年!!!

2013年05月27日 | field work
 五條市新町地区では、画像にアップさせたのが年代がわかる我が国最古の民家である「栗山邸」(1604年築)をはじめ(やはり古いから丸瓦をもちいているんだ!?)、古い民家が150軒ほどと数多く残されている。それにしても木造建築というのは築400年!!!、はもつのか。
 そして高台から河岸へと傾斜する敷地に町があり視界のアップダウンの変化があり、路地も多く、紀ノ川が側を流れているので土手からも撮影しやすく、私が撮影した伝建地区のなかでは佐渡・宿根木とならんで撮影していて大変面白いところだ。そんなわけで、右へ左へと走り回り終日撮影に没頭できたが、日焼けという代償付きであった。
 ただし京都からは電車の接続を計画的に立てておかないと、時間はかかる。吉野口-五条間のJRは1時間に1本だ。それに奈良という感覚ではなく、むしろ和歌山に近い。
 さてOM-Dが修理中なので、E-P3と14-150mmのズームレンズ(焦点距離25mmで絞りが解放値に近いほど、解像度が高いというのを発見)、それにE-PM2に12mmレンズという組み合わせをフルに使用したので、まさにPEN LIFEの1日であった。そしてレンズの解像度など関係ないといわんばかりの強い日差しのために、コントラストの激しい画面になってしまった。もう少し曇り空か梅雨の時に再訪したいと思う。
 これから展覧会や論文と少しばかり忙しくなるので、ブログ画像のストックができたな。

奈良県五條市
OLYMPUS E-P3 M.ZUIKO DG 14-150mm F4.0-5.6.
ISO200,焦点距離45mm,露出補正-0.3,f11,1/160.
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PEN LIFE632. 五条から五條へ

2013年05月26日 | field work
 今日は終日、奈良県へフィールドサーベイに出かけていた。京都の五条から、奈良県の五條市へである。京都駅からは、橿原神宮で乗り換え、吉野口でJRに乗り換え、ようやく山間の五條市に着く。片道約2時間はかかる。江戸期から伊勢街道をはじめ各主要都市からの街道の山間の要衝に五條の町がある。H22年に文化庁の伝統的建造物群保存地区に指定されている。
 市川森一脚本、河合勇人監督、山本未來主演の「花影(はなかげ)」、河瀬直美監督「萌の朱雀」のロケ地でもある。ロケ地になる位だから、江戸時代からの民家は数多い。
 1932年第10回ロサンゼルス・オリンピック大会女子平泳ぎで銀メダルを獲得した前畑秀子は、隣の橋本市出身である。五條市新町筋の前を流れる紀ノ川では水泳大会が行われ、この川で前畑秀子を育てたと高札には書かれている。
 実にゆっくりと丹念に徘徊したので400枚位は撮影したPEN LIFEであった。裏道も数多く、それだけ被写体は数多く存在していた。しかし夏日であり暑いことしきり。
 帰りは特急の車内で爆睡。夕方京都に戻ったころには、 すでに腕はくっきりと日焼けしていた。帰りしなに大和八木の伝建地区今井町へ寄ろうかと考えたが今日は時間切れだった。あと宇陀にも伝建地区がある。近鉄大阪線沿いだから梅雨に入る前に、今度はまとめてゆくか。
 久しぶりに充実した古民家と五條市の町並みを堪能した一人旅=撮影行脚であった。それにしても遠かったし、暑かったし、疲れました。

iPhon
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PEN LIFE631. 女子系

2013年05月25日 | field work
目下、私の大学を卒業してからオランダとオーストラリアの大学院へ留学し、そして修了して帰ってきたOG達二人のドローイング展の展示準備をしている。
 最近行動力があるのは、女子学生達ばかりだ。彼女達に共通するのが、胃袋が丈夫なこと。行動力の源はそこか。昨日も展示準備の後居酒屋で、大いに食べ大いに飲むというのは、見ていて気持ちがよいぐらいだ。海外では、炊飯器と中国人街のスーパーで米を調達し、シーチキンのおにぎりをつくっていたなどという話を聞くとタフというほかない。
 日経新聞を読むと、最先端技術や宇宙開発まで女子系の進出が著しく、同好会の乗りで先端技術開発というのは面白い。女子系パワーの進出が著しい。
 そういえば私の大学は、予備校の分類によると理科系の学部になるのだが、女子学生の方が多いのである。女子系の理科好きというのが最近のトレンドだし、実は男子学生より優秀なのですよ。

奈良県大和郡山市稗田町
OLYMPUS E-P3 M.ZUIKO DG 12mm F2.0.
ISO200,露出補正-0.3,f6.3,1/800.
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PEN LIFE630. 稗田環濠集落

2013年05月24日 | field work
 昨日は、朝から大和郡山市へ出かけた。めざすは稗田(ひえだ)環濠集落だ。奈良県でも掘り割りの形状がほぼ昔のままに残されている唯一の集落だ。近鉄郡山駅から炎天下の中を30分ほど歩くと、郊外の風景の中に、突然掘り割りに囲まれた美しい集落がみえる。
 集落内部を歩くと、軽自動車1台がとおれるぐらいの細い道が編み目のように広がっている。だから足の向くままに歩き回る感覚は、ヴェネチアの路地を歩いているのと似た感覚でもある。道は三叉路が多く正面には常に民家が見えるのが撮影者を泣かせる。まだ、半分位の古い民家が残っており、なかなか良い風景ではないですか。大和の風土を感じながら撮影していた。
 集落を出ると、すぐそこには新興住宅街が押し寄せてきている。稗田集落の掘り割りは、本来外的の侵入を防ぐ目的でつくられてきたが、今は押し寄せる新興住宅地の波を防いでいるようにも思われる。この掘り割りがある限り、昔の風景を維持し続けるのかもしれない。
 大和郡山市は、街中に古い建築が多いようだ。また訪れようと思いつつ、暑さでバテタのか、京都へ向かう電車の中で熟睡していた。京都迄急行電車で50分である。京都で新幹線に乗り換え、何食わぬ顔をしておそがけに大学に行き、いつもどおり夕方からのコンピュータグラフィックスの授業をしていた。

奈良県大和郡山市稗田町
OLYMPUS E-P3 M.ZUIKO DG 12mm F2.0.
ISO200,露出補正-0.3,f8,1/800.
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PEN LIFE629. 自然体

2013年05月23日 | field work
 幸せな時間の続き・・・
 人は誰しも心地よい記憶の風景がある、いや未来への予感といったらよいだろうか。
 私の場合、 前回ブログで触れた人間ドックの控え室として使われていた慶応大学付属病院の古い建物の個室病棟を思い出す。それは廊下側のガラス窓の木製の窓枠の感触とか、清潔なリネンのベッド、窓から見える樹木、窓から入ってくる心地よい風、今思えば、そういった個々の要素が、心地よい予感を運んできたと言い換えたらよいだろうか。だから記憶に残っているわけだ。
 その後私が勤めていたプロデュース企業は都市開発の仕事で名をはせ、私は東奔西走していた忙しい時期であった。企業も私の能力もともに大いに成長していった頃であった。そして公私ともに充実していたのである。
 企業も私も都市開発をやるぞと宣言したわけではない。私たちは、いつも自然体であった。しかし周りから自ずと都市開発の流れに誘われていったというべきだろう。
 人間の希望や理想というのは、ああしたいこうしたいと思っても、それがそのとおりにかなえられるものではない。企業が新規事業に進出と意気込んで狼煙をあげたところで達成できるのは、その十分の一かもしれない。だから欲を出さず、能力を磨きながら自然体でいる方が、周りは引っ張りやすいのだろう。
 最近そんな自然体というスタイルがいいと思う。周りから引っ張られようと或はそうでなかろうと、能力を磨きつつ自然体で暮らすことに専念したい。
 自然体だったからこそ、未来から吹いてきた風を感じられたのかもしれない。

奈良県天理市 
OLYMPUS OM-D LEICA DG MACRO ELEMARIT45mmF2.8, ISO200,露出補正-0.3,f3.2,1/125.
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PEN LIFE628. 幸せな時間

2013年05月22日 | field work
 そういえば、昨日のブログに書いた日沖さんの書物は、どこにいっただろうか。1990年代初頭、中古機材ブームの先駆けとなった書物だが、執筆内容は、調査研究という目的のためにプロ並みに撮るための撮影機材論であった。調査というのが前提にあるから、よく写り、安価で、軽くなければならないというポリシーで貫かれていた姿勢に好感がもてた。
 ミノルタCLE、レチナ、ヴィテッサ、ビトー、ツァイスそしてライツ、さらにはオリンパスやリコーといったブランドが再評価されていた。私ものミノルタCLEとアメリカの通販から取り寄せたレチナの組み合わせで、ライツ・エルマリート28mmとテレ・エルマリート90mmのオール中古システムで随分撮影した。実際にこのシステムは大変軽く、よく写り、使いやすかった記憶がある。その後私のミノルタCLEは、電子回路の故障でついに沈没したが、ライツ・レンズは今でもオリンパスペンで活躍している。
 日沖さんの数多くの提案の一つ、古い中判機材の代表格ローライフレックスは3万円代で売ってたし、これを標準レンズとして、リコーの一眼レフ・レンズを組み合わせるというシステムなどは意外性があり、なるほどなと思わせる合理性があった。実際ローライフレックスを使用すると、大変軽くて実用的であり、あのファィンダーを覗いてピントグラスに写る左右逆の画像が独特であり、撮影する感覚の面白さと楽しさとがあった。
 最初に日沖サンの本をよんだのが、会社の人間ドックを行っていた慶応大学付属病院の古い個室病棟であった。窓から心地よい風が入ってきた調度今頃の季節である。その後仕事も会社も都市開発の世界へと邁進して行く、季節でもあった。不思議なことに今でもあの個室病棟の情景は、覚えている。今思うと幸せな時間だったのかもしれない。

奈良県天理市 
OLYMPUS OM-D LEICA DG MACRO ELEMARIT45mmF2.8, ISO200,露出補正-0.3,f4.5,1/250.
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PEN LIFE627. オタクな話

2013年05月21日 | field work

 OM-DをLEICAエルマリートのレンズを付けたまま修理に出してしまったので、さて目下のメイン機材はPEN E-P3か。いままであまり出番がなかったので、このラインはいらないかなと思っていたら、やはりOM-D並みに準じて使える機材は必要だったわけで、あってよかった。E-PM2とのペンコンビでシステム再構築。
 レンズは、ライカエルマリートがないので、久しぶりに手元のZUIKO9-18mm、それからZUIKO75-300mmの2本のズームレンズ・システムが先ず考えられるが、だがそれでは暗すぎるレンズばかりだし、やはり高性能レンズが1本必要だろう。
 であれば広角はZUIKO12mm、ZUIKO17mm、ときて単焦点の望遠にあえて加えれば、マニュアルのライツテレエルマリート90mmがあり、全部でf2.8以上の高性能単焦点レンズシステムになる。確かにそれは優れものシステムだが、ちとマニュアルフォーカスはマニアックすぎて調査には使い勝手が今一。
 となると優秀なZUIKO12mmと、最近ほとんど使用していないが便利なZUIKO14-150mm、というシステムもある。これならばレンズ二本ですむ上にf2の明るさの高性能レンズが含まれていて申し分ない。よし、このシステムで決まり。それにしても単焦点レンズとズームレンズとでは、随分モノクロームのトーンが違う。やはり単焦点レンズが圧倒的に綺麗だ。
 これらのシステムを並べながらウィスキーグラスを傾けて思案しているときは、写真屋のDNAをひきつぐ者としては至福の一時である。こういう心理は、マニアでなければわからないでしょうね。
 こういう知識を刷り込まれたのが、フィルム時代の撮影機材論の最後を飾った日沖宗広「プロ並みに撮影する写真術」という一連のシリーズ書籍なのだ。それは研究者の視点でフィルム時代の撮影機材のシステム化について言及したものであり、中古機材も視野に入れ高性能、軽量、安価という視点からのシステムは、私にとっては勉強になり好書であった。
 そしてこういうシステム化がフレキシブルに組めるのが、オリンパスの良いところなのである。他社のバカでかい高価なボディに万能ズームレンズ1本なんていうのは、いかにも非研究者向きであり、調査には重すぎて、寂しい限りだ。ズームレンズは便利だが、解像度は単焦点レンズには及ばない。だからそれをリカバリーするf2以上の明るい単焦点レンズが必要になるわけさ。
 そういえば、日沖さんの本に、建築調査向きの高性能軽量システムが掲載してあった。それはすべて中古のオリンパスOM-1とOM-2SP、そして24mmシフトレンズを含む4本のレンズシステムであった。今ならば、2本のレンズで間に合いそうだ。
 随分オタクな話ですけど、建築調査に行くのが大前提だから、撮影機材のシステム化は大変重要なことなのです。よし、このシステムで明日は午後から調査に行こうと思ったら、午後は会議&ゼミでやんの。チェッ!。

奈良県天理市 
OLYMPUS OM-D LEICA DG MACRO ELEMARIT45mmF2.8, ISO200,露出補正-0.3,f8,1/125.

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PEN LIFE626. 環濠集落

2013年05月20日 | field work
 古来から大和地方の環濠集落は数多く存在し、集落の定型形態であったようだ。それは村の防衛や農業用水として利用するのが主目的であったと聞く。そうした空間構成の考え方は、中世ヨーロッパの防衛を目的とした城郭型都市と共通するところである。
 現在では、集落の掘り割りも埋めたてられてしまったところが多い。目的が変われば、空間構成も変わって行くのは自明の原理である。
 そんななかで、いまでも掘り割りが当時の状態で残されているのは、大和郡山市の稗田(ひえだ)。そのほかWEBから引用したので出所不明だが、今は掘り割りの一部が残されているか、或はかって環濠集落であった大和地方の集落を、今後の私の民家研究、あるいは撮影メモとして書き留めておこう。
 今井環濠(橿原市今井町)、若槻環濠(大和高田市若槻町),神楽環濠(大和高田市神楽)、有井環濠(大和高田市有井)、池尻環濠(大和高田市池尻)、藤森環濠(大和高田市藤森町),松塚環濠(大和高田市松塚町)、土庫環濠(大和高田市土庫町)、南郷環濠(広陵町南郷)、古寺環濠(広陵町古寺)、長楽環濠(河合町長楽)、曲川環濠(橿原市曲川町)、膳夫環濠(橿原市膳夫町)、味間環濠(田原本町味間)、高安環濠(奈良県斑鳩町)、代表的なのは大阪の堺市だが現在見るよしもない。
 環濠集落共通の特徴として、鬼門の方角に鍵型に欠けた空間を有し,集落内部は狭隘な道で構成され、居住密度が高い点だ。それは撮影対象としては結構面白いかもしれない。まあ誰かがすでに撮影しているとは思うが。

奈良県天理市 
OLYMPUS OM-D LEICA DG MACRO ELEMARIT45mmF2.8, ISO200,露出補正+0.3,f3.2,1/125.
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PEN LIFE625. OM-Dは修理(悲)

2013年05月19日 | field work
 再度奈良県へ出かけた。天理市の萱生(かよう)環濠集落と竹ノ内環濠集落へゆくのが主目的である。歩き出した午後からは、あいにくの雨模様となり次第に雨足が強くなっていった。これでは駆け足で歩き回る他なさそうだ。というわけで集落の隅々迄回るのは次回にして、今回はロケハン位のつもりで徘徊していた。
 このあたりは古代から存在している山辺の道が通っており、昔の幹線道路だった。今では、普通の農道である。だが古いどっしりとした民家と周囲の環境は、昨今の人の手があまり関わっておらず、また不細工な新築民家も少なく、環境としては美しい。かって中国雲南省を旅した時の古民家のようだ。ここでも民家が環境の中で美しく納まっている。こんな身近なとろこに美景があったのか、それは新発見だな。
 これからは環境が変わる前に、季節の節目ごとに訪れれば、良い風景に出会えそうだという期待感がふくらむ。なかなか面白いモノクロームモード向きの撮影スポットを発見。つまり写真家入江泰吉の世界だろうか。こういう環境は、今の日本では少ない方だろう。
 私は、エルマリート45mmを付けたOM-Dと12mmをつけたPEN E-PM2で望遠から広角迄、多様に撮影したいと張り切っていたが、雨ではレインウェアの下に抱えたOM-Dを1台振り回すのがやっとだった。そのOM-Dも雨にしたたかに濡れて、次第に動作がおかしくなっていった。そしてついに電源が入らないという状態に至り、完全に沈没したか。防滴機構が働いていたのではなかったのか。これでは修理に出さなければならないだろうな。
 家に帰りザックをあけたら内部の機材も大分濡れていた。セーム革などびっしりと直に雨があたったかのようだ。カメラ用のポーチは防水ではなかったのか。だから雨の時はリュックカバーが必要だったと実感した。
 さて動かないOM-Dをドライヤーで乾かしていたら、しばらくしたら機能が回復した・・・、と思いきや、バッテリーグリップをつけると動かない。やはりあかん、OM-Dは修理(悲)。おっ、まだ保証期間が2週間あるではないか。セーフ!。

奈良県天理市 
OLYMPUS OM-D LEICA DG MACRO ELEMARIT45mmF2.8, ISO200,露出補正-0.3,f4.5,1/250.
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PEN LIFE624. Black&White論

2013年05月18日 | field work

 今日も、もろにPEN LIFEの話題である。興味のない向きにはなんのことかわからないだろうね(笑)。
 明日は環濠集落のフィールド調査(体力があればだが)をしようと目論み、撮影機材のチョイスなどをしている。OM-Dには12mmかエルマリート28mm、どちらにしようか。フィールド調査だから手間のかからないオリンパス系で揃えるか。それにE-PM2には45mmをつけて、予備にパンケーキレンズを入れて行こう、などとシミュレーションしながらテーブルに並べている。昨日もブログで同じことを書いた。昨日は標準レンズをメインにし、今日は広角レンズをメインにしようというあたりが少し違う。マニアのこだわりという奴だろう。
 そういえば実家は、昔写真屋をやっていた。つまり私は、写真屋のセガレであるから、こういうことはDNAなのだろう。
 惜しむらくは12mmのレンズはブラックにしたかった。その方がOM-Dには似合うからだ。このレンズのブラックのデザインが出たのは、それを購入してからずっと後であった。
 カメラのボディもシルバー系が優勢を極めたり、ブラック系が優勢を極めたりと、この二つの局の間で揺れ動いているのが撮影機材の歴史だ。いまはシルバー系復活といったところだろう。AppleのPCもアルミのシルバー系だし、どこかブラック系が少し分が悪そうだ。
 昔はブラック系はプロっぽくて格好いいというので、私のニコンFボディはブラックだった。それが今では一般化しておりデジタル一眼レフは黒ばかりだ。それにプロといっても、写真では食えないというプロばかりで、どこかブラック系のプロっぽいというのが、貧乏臭いのにつながっているから、プラック系は敬遠気味なのだろう。
 撮影機材のBlack&White論だな。

奈良県高取町 
OLYMPUS PEN E-PM2,M.ZUIKO DG 12mmF2.0
ISO400,露出補正−0.3,f7.1,1/1000.

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PEN LIFE623. 土壁

2013年05月17日 | field work
 今日は、ようやく雑用書類も片付いた。中国からの留学生が先日の四川省の地震で帰国している。はてどうしたものか。また事務仕事発生だな。
 そんな最中に、実習用課題にルーブル美術館のCGをつくろうかと思い立ち、図書館で文献を探す。幾つかの文献をテーブルに並べ読み込んでいた。こんな時間は、大学の先生ならではの幸せなひと時だと実感。建築史の先生なんか、そんな時間を満喫しているんだろうと想像はふくらむ。本を読んでいると一生が研究室で終わりそうだ。それはそれで幸せな人生だと思う。
 さて、これが土壁だ。内部に小舞の竹がクロス状に編まれて入っている。いまはもう土壁の職人もいないと聞く。だから土壁による新しい建築も存在しない。忘れ去られようとしている日本の建築文化である。奈良地方には、こうした土壁の古い民家が多い。耐用年数は100年にもなるだろう。
 地図を見ていたら奈良には、土壁の民家を従えた環濠集落が多い。山辺の道にはそれが二つあった。であれば出かけるほかない。週末には、撮影行脚にでかけるかな。
 こういうとき最初に考えるのは、どの機材を持って行こうかである。OM-Dには、ライツ・エルマリート28mmを標準レンズ代わりにして描写力を、またPEN E-PM2に12mmの単焦点レンズで実用性を、などと考えていた。こういう機材のチョイスが自由にできるのも、オリンパスならではの仕様である。E-PM2が小さく軽いので使用頻度が高い。
 小さく軽い一眼レフというのは、どんな場合にも大変重要な仕様だ。長い距離を歩く時には、重さによる不可が少ないというのは、意味あることだ。
 昔写真家三木淳が、熱風吹く砂漠をラクダに騎乗して撮影行脚をしていたときに、重たい撮影機材を捨てたくなったという記述を読んだことがある。彼の使用していた機材はニコンである。それはどんな環境でも写せるので、適切な機材選択の判断だけど、私は砂漠には行かんし、せいぜい都市間の往復ぐらいだから、どんな環境でも写る仕様はいらないので、小さく軽い機材で十分である。
 さて週末は、朝から山辺の道行きのプランをねりつつ、今日は、すこし本に没頭できるという幸せの時間をすごした。気がついたらもう外は暗くなっていた。

奈良県高取町 
OLYMPUS PEN E-PM2,M.ZUIKO DG 12mmF2.0
ISO400, 焦点距離75mm,露出補正−0.3,f7.1,1/800.
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