Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE103. 値踏み

2010年10月31日 | Kyoto city
 台風が来るというのに、土曜日は出勤である。そんな自然界の現象とはお構いなしに、締め切り日間近の仕事がやってくる。
 先日は、少し遊郭空間論風を書いたのだが、ならば現代の風俗事情はどうだろう。そこで元風俗嬢が書いた「酒井あゆみ:売春論、河出文庫、2010」を走り読み。女を値踏みして商品化し、多様なサービスのバリエーションを駆使して、乱立気味の風俗街に進出し、今時可愛い娘という商品などがざらにいる世界で、さあ稼げるかというものであり、まあリスキーなサービス業だということがわかり、それでは現代遊郭空間をつくろうという目論見はご破算となる。 
 それにしても「現代女性も一度は値踏みされたら」という執筆者の指摘は、当を得ている。というか人間自体が値踏みされて、我々の社会が成立していると私は考えている。例えば「あなたの能力はこれ位だから、給料はこんだけ」、といった具合に、技能や経験や仕事が出来る能力が値踏みされているわけだ。それで我々は、お金をもらって暮らしている。
 経済的に言えば、我々の報酬は「労働に対する対価を得ている」という言い方をするが、その対価には高い金額も、低い金額もあり、それによってライフスタイルも異なってくるといったヒエラルキーがあるわけだ。そうしたヒエラルキーが生じるということは、人間の経験や技能や能力が値踏みされている、ということになる。
 給料も含めて物事に金額がつけられるとき、必ず値踏みという概念がまとわりついてくるわけだ。

たん熊、撮影日2010年10月10日
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL9-14mm/F4-5.6
シャッター1/60,絞りf2.8,焦点距離17mm,ISO500,iFINISH
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PEN LIFE102. 男の遊びスタイル

2010年10月29日 | Kyoto city
 江戸時代に全国何処の街にでも存在し、そして現代に至って滅びた街に遊郭がある。食べて、飲んで、エッチして、といった当時の男の遊びのライフスタイルが、和の文化とともにあったわけだ。当時のプロの女達は男のあしらい方が旨いから、心置きなくリラックスできるのだろう。あの近代の地味な和の美意識にこだわった永井荷風は、そんな吉原や玉乃井の遊郭に通い詰めた小説家だった。
 そんなとき、女達はどうしたのだろうか。まあ美味しい料理に眼を奪われ、旦那や姑の悪口のダベリングにうつつをぬかしていたのかもしれない。
 現代では、男の遊びスタイルは滅び、女の遊びスタイルだけが盛んにばっこしており、男はそれに付き合わさせられるという、つまらない社会になったわけだ。社会全体が女性化しているといってもよいだろう。現にテレビをつければ料理番組やお店紹介街歩きで溢れている。
 京都にも島原という旧遊郭の街がある。今に残る建物の内部に入れば、斬新奇抜な和の色遣いであったり、螺鈿を緻密に施したりといった具合に工芸品の極地的な美しさに漂っている。もちろん現代の解釈では、これは遊郭ではなく当時の京料理を楽しみながら芸妓を呼び文化を楽しむために文人達が集まったサロンであったという説の方が有力である。この空間の構成をみれば確かにその説の通りなのだが、実際のところはわからない。万事女性優位現代社会ならではの解釈である。
 そんなことを考えていると、「遊郭をデザインしたいですぅー!」、といった提案を、卒業制作にだしてくるアホな学生はいないものかと思う(笑)。

伊勢おはらい町、撮影日2010年9月24日
OLYMPUS PEN E-P2,M.ZUIKO DIGITAL9-18mm/F4-5.6
シャッター1/30,絞りf5.6,焦点距離16mm,ISO1600,iFINISH
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PEN LIFE101. つかのまの休日

2010年10月27日 | Kyoto city
 昨日今日と、朝の気温が一桁代という冬到来を思わせるような木枯らしが吹く寒さである。
 身勝手なもので、今年あれだけ暑い夏を経験すると、少し冬の寒さが恋しくなるときもある。寒いときはお風呂にゆっくりつかり、それから炬燵に入って、熱燗と鍋をいただき、早々に暖かい布団に潜り込む、という時間のすごし方が大変心地よい。そんな底冷えがする京都の冬のイメージが浮かんでくるには少し季節が早いのだが。
 調度仕事も昨日で一区切りついたので、今日は休みを決め込む。このあたりが自由裁量労働のよいところである。一応事務員が月末に形式的にくれる勤務表を正直に書くと、はるかに勤務時間超過の様相だ。こけでは事務が渋い顔をするので、どこかで時間調整をしなければならない。つまり自由裁量労働者は、勤務時間数どおりに働き、残業してはならないのである。
 さて京都は、観光客が少ない平日が落ち着いていて大変心地よい。近所のリーズナブルな京料理のお店で、二重弁当のランチである。もちろんお燗をしてもらう。冬のような気候の中で飲む真昼のお酒は、年末の空気が感じられる。午後は昼寝をして、夕方からクロッキー教室にでかけて裸婦でも描こうという魂胆である。PC使いの日々で久しく忘れていたデッサンの感覚を復活させたいというのが狙いだ。
 さてまた明日から溜まっている原稿を片付けに出勤しなければならない。多分土曜日も日曜日も仕事をしているだろう。つかの間の休日である。

たん熊、撮影日2010年10月10日
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL9-14mm/F4-5.6
シャッター1/60,絞りf2.8,焦点距離17mm,ISO400,iFINISH
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PEN LIFE100. 時代祭

2010年10月26日 | Kyoto city
 このブログのペンライフも百回になってしまった。文字通りオリンパスペンのEP2とEPL1と3本のレンズで撮影した画像をアップさせている。これらの機材は空気の一部のように、いつも私のザックに収まっている。小さく軽くかさばらず、そして持っていることを意識しないということが、実は大変重要なことなのだといつも思う。
 先日近所の住人から時代祭の観覧席のチケットをいただいた。早速ペンEP2を持って昼頃にでかけた。観覧席に座ると行列が登場する上の方で良い席だなとおもいながら、撮影はそこそこにして、専ら観覧していた。平安神宮から出向いてきた神様が鎮座しているではないか。
 それにしても、時代装束と御所の背景というのは、大変似合いすぎるぐらいに、よく似合っている日本の典型的な歴史風景である。行列が全部出払うまでに2時間近くかかるので、順番が遅い行列の参加者は時代祭コスチュームのまま、裏の芝生でお弁当を食べたり、コカコーラをのんでいたりというお気楽な風景が見られたりして、なかなか面白い。
 高倍率のズームレンズを持っているという安心感が、ガサガサと撮影ポジション選びで欲張らずにいられると書けば褒めすぎだが、この日は、1シーンだけ10枚ほど撮影して、遅掛けに大学へ出かけたのである。

時代祭、撮影日2010年10月22日
OLYMPUS PEN E-P2,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/F4-5.6
シャッター1/200,絞りf6.3,焦点距離58mm,ISO200,iFINISH
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PEN LIFE99. つらつらと

2010年10月25日 | field work
 猫をじゃらすように水槽のガラス面に手をつけて左右に振ったら、オヤ!、反応しているね(笑)。彼らは、動くものに敏感なはずだから、こちらに興味をもった証拠だ。そんなたわいもないことをしながら水族館の散歩であった。
 京都は次第に朝晩が冷え込んできて、秋も深まりつつあるという気候だ。北アルプでは紅葉も終わり雪が降り出している頃だろう。もう冬山である。
 寝そびれて、ブログをつらつらと書いている。静かに夜がふけて行くようだ。ボヤッとした頭では、あまり文章が思い浮かばない。というよりは、眠くなるために書いているようなものだろう。
 朝眼が醒めプログをアップし忘れて、大学に向かった。夜戻りようやくアップという消極的態度である。
 
鳥羽水族館、撮影日2010年9月24日
OLYMPUS PEN E-P2,M.ZUIKO DIGITAL9-18mm/F4-5.6
シャッター1/60,絞りf4,焦点距離9mm,ISO1250,iFINISH 
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PEN LIFE98. 突然変異のように!

2010年10月23日 | field work
 これはイカですかねぇ?。イカって足のある方が前なんだ、足を前にして泳ぐのかぁ、と勝手な想像をしながら、この水族館の珍魚を見ていると、眠っているのか起きているのが、イカなのかそうでないのか、もっと言えば食べて旨いのか不味いのが、よくわからない輩が、眼を楽しませてくれる。そんな突然変異のような珍魚が多い水族館である。
 ところでオリンパスペンEP2は、時折諸設定が勝手に変わってしまう現象がおきる。多分撮影中になんらかのボタンに無意識に触れているというこの種の小さな機材に起こりがちなことなのだろうけど。
 今回は、連続するあるカットから、日付設定が2007年に変わっていた。それではこの機材がまだ登場していないだろう。おかげでiPhotoの整理では、今年のファィルの最上段に読み込まれてしまった。
 日付などという容易に変わらざる機能が、突然変異のように変わっているのだで少し脅かされるのだが、今は撮影前に少しだけ念入りに諸設定を確認することにしている。機材とのつきあい方というのがあるのだろう。
 ただしこの現象は、オリンパスペンEPL1では起きない。こちらのほうが、少し進化していると思われる。

鳥羽水族館、撮影日2010年9月24日
OLYMPUS PEN E-P2,M.ZUIKO DIGITAL9-18mm/F4-5.6
シャッター1/60,絞りf5.6,焦点距離18mm,ISO400,iFINISH
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PEN LIFE97. 1日おきの執筆

2010年10月21日 | field work
 水族館の水槽というのは、どこを撮っても絵になりそうな風景が多い。この魚達は目が開いているのだが、寝ているのか起きているのか、ジッとしていて動かない。まっ、ピントが合わせやすくてよいではないか。
 話題は変わるが、最近真面目に仕事をしているので、毎日名古屋の大学に通っている。というかそれまで家で行ってきた仕事を大学に移しただけなのだが、いけばいったで、何かと仕事は増えるようである。一体仕事のメカニズムというのは、なんなのだろうと思う。
 自由裁量労働者としては、仕事をする場所と、仕事をする時間は自由に選べるわけだが、目下大学にある私が使用する二つのスペースの内一つを、学生達と仕事をする部屋とし、もう一つを個人的プライベートな仕事をする部屋にしようという意図で割り当てている。プライベートというのは、個人的なデザインをしようという目論見である。
 そんな大学への毎日の通勤を支えるのが新幹線定期券である。日本は交通費支給は最大5万円までだから、それ以上の6万程は自腹になるのだか、それでも自由席とはいえ大概座れて、珈琲が飲めて、煙草が吸えて、携帯電話やパソコンの電源がとれるとなると、通勤電車としては破格に快適である。これは案外安いのではないかと思ったりする。それに京都から乗れば、名古屋は次の駅だから時間的にもそんなに苦痛ではない。ときには、下駄履きで名古屋駅のビル内にある東急ハンズへ一寸買い物にでかけたりもできる。
 最近は、そんなライフスタイルだから、このブログも1日おきの執筆である。

鳥羽水族館、撮影日2010年9月24日
OLYMPUS PEN E-P2,M.ZUIKO DIGITAL9-18mm/F4-5.6
シャッター1/60,絞りf4,焦点距離9mm,ISO640,iFINISH
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PEN LIFE96. 明日のことは解らない

2010年10月19日 | field work
 そろそろこのブログも納め時という感じがしている。私自身、ブログという媒体に興味がなくなりつつあるというのが、その理由だ。今、そんなことを感じているブロガーは、結構多いのだろう。私が毎日徘徊しているブログのブロガーも、そんなことを書いてた。まあ私の場合は、アクセスカウント3万回までは、ほぼ毎日続けようと思うが、そのあたりが一つの区切りだろうね。
 オリンパスペンを使い出してから、デジタル一眼レフに興味が失せたことに合わせて、ブログにも興味が失せてゆく日々を感じている。そんな瞬間を感じるとき、ああっ、時代の変わり目だなって勝手に論理は飛躍する。
 appleの登場以来Macを使い続け、遅ればせながらWin系が登場し、なんだかんだの時代をくぐり抜け、ようやく今の定着期に到達したことは、パソコン世界の一般化である。
 叔父さん達もデジカメを当たり前のように構える時代にいたり、それだけ世の中にPC環境が普及してきたことだが、こちらとしては、それから興味が失せて行く日々でもある。
 そろそろ外の世界よりは、自分の内的世界に関心が移り変わる頃ではないかと思う。最近そんな日々であるが、自分でも、明日のことは解らない。

鳥羽水族館、撮影日2010年9月24日
OLYMPUS PEN E-P2,M.ZUIKO DIGITAL9-18mm/F4-5.6
シャッター1/60,絞りf4.2,焦点距離10mm,ISO250,iFINISH
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PEN LIFE95. 鳥羽水族館

2010年10月17日 | field work
 伊勢のあとは松坂牛ではなく、おはらい町からバスで、鳥羽水族館に向かった。いつも思うのだが水族館の展示というのは、どこを撮影しても綺麗であり、不思議な色彩の世界が広がりところが面白いのだろう。目下海のない京都でも、水族館を建設しているぐらいだ。
 鳥羽水族館も日本有数の水族館の一つなので、一度は訪れてみたいと思っていたところだ。館内は結構広く閉館1時間前に入ったが早足で回った。料金も2400円と結構高いので、少しもったいないと思ったが、来たときが撮影時だ。まあそれでも、館内を全部回りきり、そこそこの撮影はできたようだ。
 意外にワイドズームレンズは便利だった。水槽は暗いから、明るいパンケーキレンズでも良さそうだ。珍魚、珍獣たちをスパスパと切り取るように撮影していた。
 それにしても、この人工環境にいる珍魚、珍獣達はどうやって繁殖しているのだろうか。或いは使い捨てだろうか。クラゲなんてどうすんだろうかと、水産系に弱い人間としては、そんなことを考えていた。

鳥羽水族館、撮影日2010年9月24日
OLYMPUS PEN E-P2,M.ZUIKO DIGITAL9-18mm/F4-5.6
シャッター1/80,絞りf5.5,焦点距離17mm,ISO500,iFINISH
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PEN LIFE94. 伊勢絵と呼んでおこうか

2010年10月16日 | field work
 どこか懐かしい歴史的な滑稽さを感じさせてくけるこの絵を、伊勢絵と呼んでおこうか。といってこの絵は門脇俊一という現代作家の作品であり、11代目赤福社長から寄贈された原画をもとに陶板として制作された「伊勢参宮道・おかげ参り抜け詣で」である。この街に一つだけある公共地下通路に展示されている。
 なんといっても街の風景と、人々の多彩なアクティビティとが俯瞰的にそして緻密に描かれており、私が都市の提案で描いているスケマティック・デザイン、或いは建築家ジョン・ジャーディ・パートナーシップが描く建築イメージと通じるところがある。
 伊勢絵をみると、混浴のお風呂があり、いかにもくつろいでいる光景が伝わってくる。伊勢参りを果たした後で、お風呂や宴会詣で大いに盛り上がるのだろう。だからこそこの絵は、抜け詣でと題しているのであり、多分それが往事の人々にとっては、最大の楽しみだったのかも知れない。
 だからこそ伊勢参りという建前があり、そして本音はハメを外して遊ぶという当時の人々のレジャースタイルがしのばれる。それが伊勢詣でが盛んに続けられてのかも知れない。そんなことを、伊勢絵は想像させてくれるわけだ。

伊勢おはらい町おかげ、撮影日2010年9月24日
OLYMPUS PEN E-P2,M.ZUIKO DIGITAL9-18mm/F4-5.6
シャッター1/20,絞りf5.6,焦点距離18mm,ISO1600,iFINISH
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PEN LIFE93. されど餅屋

2010年10月15日 | field work
 伊勢おはらい町おかげ横町に来れば、3時のお茶はここしかない。平日だが畳を引いただけの座敷や縁側は人で一杯である。その人垣をぬって、素朴にこし餡をもったお餅とお茶が次々と配られる。 私は、縁側で五十鈴川を眺めながら 、通例ならば2個しかないであろうこのお餅が3個もあり、ほどよく入れられたお茶とセットで300円はしなかったので、巷の珈琲屋よりは安くて満足感が高い。
 そんなリーズナブルな餅を製造している赤福元社長の濱田 益嗣氏の個性的な経営者が中心となって、おはらい町おかげ横町という和風様式のまちづくりを実現させ、そして平日でもビジターが大いにやってくるという成功をはたしているわけである。たかが餅屋されど餅屋なのである。
 WEBによれば、赤福は伊勢神宮が参拝できる午前5時からお店をあけているそうだ。伊勢神宮の参道商店街としてはあたりまえのような、それでいて今ではなかなか出来ないことを大いに行っているわけだ。

伊勢おはらい町おかげ横町赤福本店、撮影日2010年9月24日
OLYMPUS PEN E-P2,M.ZUIKO DIGITAL9-18mm/F4-5.6
シャッター1/60,絞りf5.6,焦点距離17mm,ISO1250,iFINISH
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PEN LIFE92. 再度伊勢へ

2010年10月13日 | field work
 9月に一寸伊勢へ散歩に出かけた。京都から近鉄特急と大差ない時間で高速バスが伊勢のおはらい町おかげ横町に直行している。伊勢には、以前も学生達と一緒にデザインサーベイで見学に訪れたことがあるが、そのとき食い意地の張った輩が調べてきた老舗の「てこね寿司」に、再度ありついた。
 当時のデザインサーベイでは、お昼にてこね寿司を食べ、三時に赤福のお餅とお茶をいただき、夕方は松坂の焼き肉を食べて帰ったというのが、学生達と歩いた行程だった。この時は、宇治山田駅の裏の河崎町の街並み、伊勢神宮内宮、そして当然のようにおはらい町、そしておよそ訪れる人のいない伊勢神宮の外宮まで見学したのだが、さて肝心の建築の見学はどうしたのかいと思われるような食の三重県のデザインサーベイであったことを思い出した。今振り返っても、松阪牛で顔がほころんでいるイメージしか記憶にない。
 撮影してみると機材の画像ではわからなかったピントがどこに合っているのだろうか。設定を間違えたのか、1/5でf9.0とは。手ぶれ補正が効いているのかよくわからない。

伊勢おはらい町すし久、撮影日2010年9月24日
OLYMPUS PEN E-P2,M.ZUIKO DIGITAL9-18mm/F4-5.6
シャッター1/5,絞りf9,焦点距離17mm,ISO1600,iFINISH
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PEN LIFE91. 帰る楽しみ

2010年10月12日 | field work
 燕山荘の朝飯は午前5時だった。朝飯を終えてもまだ雨だった。山荘の周囲はガスっていて何も見えない。昨日一日晴天が続いたので、雨といっても満足の下山である。雨具で身支度を調え、ぼんやりとした風景を楽しみながら合戦小屋まで降りてきたら、雨はやんでしまった。
 合戦小屋からは、長く急で単調なくだりがひたすら続く。こうした下山時にステッキは大変有効である。これ一本で足にかかる負荷や疲れ方がまったく違うからだ。
 涸沢からの下りであれば、途中の風景が美しいのだが、燕岳の単調な風景の下りが4時間以上続くときは、麓で温泉に入る楽しみをイメージしながら下る他ない。ひたすら忍耐である。
 麓の有明荘で温泉に入り、髭を剃り、着替えると、そのサッパリ感が大変心地よい。後は帰るだけだ。夕飯は京都に帰ってから食べようなどと考えていると、登山でも旅でも、出かける楽しみと帰る楽しみとがあるのだろう。
 今回の山行きでオリンパスペンと高倍率ズームレンズといった小さい機材が大活躍するので、撮影機材はこれでよいではないかという結論になり、他のデジタル一眼レフやあまたの数ほどあるレンズそのものに興味がなくなってくる。発色やボケ味に関してはFUJI+カールツァイスに及ばないが、それでもオリンパスペンは、大変小さい上に結構使えるわけだから、長く続いた写真熱も、フィルム時代のオリンパスペンEES、XA4、そしてデジタルオリンパスペンという遍歴の節目に帰ったというべきか。これまた帰る楽しみというべきだろうか。

合戦小屋、撮影日2010年9月20日
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/F4-5.6
シャッター1/80,絞りf5.3,焦点距離39mm,ISO400,iFINISH
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PEN LIFE90. 山小屋の夜

2010年10月11日 | field work
 燕山荘で最初の夕飯が終わった頃、夕陽が山荘内に差し込んできた。早速表にでると、調度陽が沈む頃であった。昨年のブログで書いた太陽柱こそないが、晴天日の夕陽が黒部五龍岳の方へ沈んでいった。
 さてそれでもまだ午後6時すぎである。9時の消灯までには大分時間がある。カフェでウィスキーだったかを飲みながら、ちびちびと時間をすごすほかない。この日は混んでいたのでみんな相部屋であった。
 もちろん外は大いに震えるほどに寒いのだが、山小屋のなかはストーブが焚きっぱなしであり、それに大勢の宿泊客の熱で結構蒸し暑いのである。私は薄着に着替えても、なかなか眠れなかった。だからみんな廊下に布団を持ちだして寝たりと、いろいろと工夫をしているのである。
 少し寝ては眼が醒めということを繰り返していると、夜半に外の方から人声がする。パーティーの一人が出かけたまま戻らないそうだ。そういうときは多分寝ぼけて、違う部屋に入り込んだと私は推測している。寒い中をご苦労なことだと思いながら、また少し寝てしまったようだ。
 午前3時半頃には、起きだす登山者がいるので、私もついでに起きてしまった。まあ今回はそれほど疲れていなかったし、早く朝が来てよかったという気分の方が強かった。耳を澄ますと雨音がする。窓の外をみるとガスっていてなにも見えない。
 9月22日から燕岳に登ったときの、たった1日に撮影した画像を17回もこのブログにアップさせている。いささか飽きてくるが、それだけ様々な被写体があったということだろう。オリンパスの高倍率ズームレンズは多彩な風景によく応えてくれたと思う。後1回燕岳の画像をアップさせて別の話題に行こう。

燕山荘、撮影日2010年9月19日
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/F4-5.6
シャッター1/800,絞りf11,焦点距離150mm,ISO200,iFINISH
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PEN LIFE89. 燕山荘の夕飯

2010年10月10日 | field work
 燕岳に話題を戻そう。燕山荘では、まだ明るい夕方5時から夕飯である。今日は混んでいるので食堂は3回転するようだ。私は最初の食事にありついた。北アルプスの山小屋はヘリコプターで物資や冷凍食材を運ぶので、街のファミリーレストラン並みにはありつける。オバハン達は、ご飯のおかわりするぐらいに食欲があるようだ。
 食堂に隣接するカフェーでは生ビールもワインも珈琲もケーキもあるわけで、山価格で販売している。食事の後はカフェーで麦酒などを飲みながら、消灯の9時迄だらだらと時間をつぶすほかない。こういう時間を持てあますときは、歩き疲れてすでに布団に潜り込んで眠り込んでいる人達は幸せだなと思う。
 食事を終えるとまだ外が明るい。ほなら夕陽でも拝みにゆくか。

燕山荘、撮影日2010年9月19日
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/F4-5.6
シャッター1/10,絞りf4.2,焦点距離18mm,ISO800,iFINISH
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