最近、フィールドワークから帰ったときは、翆の店の閉店間際に立ち寄ることが多い。雪の通りを、プロレス興業の宣伝カーカーが「新日本プロレスの・・・・本日開催いーーっ!」と静かな街を振るわせてゆく。
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翆「私のナース友達の晃子さん。すごい体格がよくて病院でも患者さんを軽く抱えられるほど力があるの。昔は伝染病が発生したときなど患者さんが多いときは直接採便するわけ、あの長いガラスのチューブを肛門に刺すんだけど、今は間接採便といって患者さんが自分でするわけ。」
なんか医療の話って痛いことばかり・・・。
翆「でっ男性の患者さんが来て、晃子さんがカーテン開けてみたら、『なんだまだ採便してないの、もう忙しいんだから、じゃやるか』、晃子さんが力任せに肛門にガラス棒をズボッと入れたわけ。そしたら入れすぎて前立腺を刺激したのか患者さん勃起してるの、『あら、勃起してんの?』なんてゆっちゃったものだから患者さんは申し訳なさそうに赤い顔をしてた。そんなところがあるわけ。」
でも、痛いのが快感になってよかったじゃん(笑)。
翆「でっ、あるとき晃子さんと阿寒湖の温泉に旅行にいったの。露天風呂で、翠ってやっぱ産んでいるよね、と腰のあたり触りながら、いうわけ。でっ膣に指入れてきて触診するわけ、あっ!、やっぱりかな!?」。
晃子さんはナースしながら女の子を育てたから子供の気配がない私に興味があるのよ。でっ、高校2年のときに出産してね・・・、という話をしてもうバレバレ、子供産むと膣が緩くなるというのが晃子さんの悩みなの。」
女の悩みか・・・、暗くなってきた。街の黄色い明かりが目立つ・・・
翆「それで、晃子さんは旦那と別居中なの・・・・。時々旦那以外の男性とセックスするんだけどベッドで晃子さんがごろんとしていると、あの迫力でしょう、『なんかすごい身体ですね、萎えそうです』なんていわれて、『あんた、女にそんなこというもんじゃないよ、さっ!やろ!!』という調子なの。でも筋肉で締めるんだけど、やはり緩いんだって。」
旦那を、多分・・・緩いんですけど、しょうがないだろう、バシッてやったのかな?、わがまま言うな!、と張り飛ばしたて別居!、聞かなかったけど・・・。
翆「だから手術で膣をつめる方法もあるけど、やはり筋力を鍛えるのがベストよ、といったわけ、それで晃子さんは、女子レスリングのサークルをつくって身体を鍛えているわけ。今すごい筋肉と力だよ。だから私がいた病院は、もう体育会風の体格の良い看護師さんばかりなの。お婆さん二人を抱えて検査室につれてゆくし、大きな男性が診察ベッドにくると胸の急所を指で押さえつけて、そこ押さえると自分では起きられないポイントがあるのね、はい脈拍低い、呼吸不全かぁー、なんてやってるわ(笑)。」
さて、外も暗くなってきた。花園町の居酒屋にゆこうよ。
翆「じゃ、お店の後片付けをするか・・・、もうお客さんはこないし・・」
小樽の長い夜が始まった。