




筑波大学には、学部、修士、研究員と間をおいて3回通った。トップ画像の下から筑波山に向かって緑のなかに見え隠れしているのが筑波大学だ。森の大学と言われるほど緑地が建物を囲っている。
不思議な事に研究室の画像がない。自分の活動を客観的に記録するという姿勢がなかったのだろう。やはり私はフォトグラファー向きではない。だから博士論文の執筆に没頭していたのだろう。手元に残された画像は、自転車で大学周辺を、ローライを持って徘徊したときのものが僅かにあった。
大学の周辺は農家である。そんな農家を訪ね歩くのが面白かった。そんな農家のなかを徘徊すれば被写体は山のようにある。しかも機材は東ドイツ製のローライ・オプトンで申し分ない。今振り返ればもっと数多く訪れるべきだったと後悔しているが、研究室の勤勉と怠惰の極端な刺激ある暮らしで、撮影の方は忘れてしまった。昔の教訓で目的は一つに絞れ・・・、ではなく、その場で興味をもっことは全て追いかけるべきだ、というのが私の教訓になった。
今頃悟っても遅いのだが、博士論文を書くというテンションを撮影にも拡大して、写真を撮っていれば個展が開けるほどのストックが出来た。これだけのモチーフがあって実に惜しいことをした。やはりそのときの勢いというものがある。それは研究オンリーだけではなく、分野を問わず関心がある物事をドンドン追求し広げててゆくべきだというのが、今の私のポリシーである。
もっとも研究目的オンリー暮らしのおかげで博士号が取得できたが。
田舎道を自転車で走り回っていたら、マイケル・グレイブスの建築に遭遇した。田んぼの中にアメリカ・ボストモダンですかぁー・・・。
ローライ・オプトン,テッサー75mm/F3.5.トライX,ヴェルビア,トライX.