京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

《水和》

2012-10-09 | Weblog
鯣のせん切りといろんな海産物の塩乾物や様々な野菜のせん切りを、合わせ酢や煎酒で和えた料理を「水和」というて、江戸時代の多数の料理書で記述があります。

うちでは、お昆布の細切りをたんと加えてこの水和を作ってます。

食感もよく、超ヘルシーで栄養面でも優れた美味なる酢肴と言えるでしょう。

《あめ細工》

2012-10-08 | Weblog
ぼくが子供の時分は、時折あめ細工のおじさんがうちの横に来たはりました。
棒の先にウサギ・犬・鳥・キリン…なんかのカラフルなあめ細工が並べて立てられまして、作って欲しいもんを言うと、棒の先にあめを付けて、いろんな動物を糸切りバサミでチョキチョキやりながらササッと手早う作って、色をつけてくれはりました。
このあめ細工のあめは、米粉を蒸してついたしんこ餅に水飴を加えたようなもんでしたね。

料理のデザートなどで用いるあめ細工は、グラニュー糖などに水を加え、煮詰めて、冷やして作ります。
煮詰めて水分量がなくなってくると結晶化が起こりやすうなります。レモン汁などを加えてショ糖の一部を転化糖に変えたり、水飴を加えてデキストリンの粘り気と合わせることで再結晶を防いでるんです。

ショ糖溶液をさらに煮詰めるとカラメルになりますが、醤油 ソース ブランデー 黒ビール なんかの着色やプリンなどに用いられてます。

《寒露》

2012-10-07 | Weblog
二十四節気の寒露は秋分後十五日目にあたり、野草に宿る冷たい露を意味してます。

日中はまだ暑いですけど、朝晩は肌寒いくらいになってきて、しみじみと深まりゆく秋を実感します。

寒露の頃には、冬鳥が飛来し、コオロギがなきやむ時期で、実りの秋となり五穀の収穫もたけなわ。農家さんにとっては超忙しい季節となります。

《韋駄天走りの母》

2012-10-07 | Weblog
うちは、本日が区民運動会です。

ぼくのおかあちゃんは、子供の頃より走りがすこぶる速いことが自慢で、写真もなぜか運動会のが最もよおけ残ってます。

大人になってからも区民運動会の日には、出番が近付いてご近所の人が呼びに来はったら、おかあちゃんは仕事を中断して、向かいの小学校の運動場へ行って、鉢巻きをしめて走ったはりました。年代別の短距離走やリレーには、毎年必ず出たはりましたね。

そんなわけで、毎年区民運動会の日がやってくると、駿足のおかあちゃんを思い出すんです。

《晒よし飴》

2012-10-06 | Weblog
いつも道楽をお引き立てにあずかっております先生より、仙台の老舗の「晒よし飴」を頂戴致しました。

缶を開け、粉をよけて、指先でつまみ出す時の触感、口に入れた時の食感は、まさに衝撃的で、数枚は続けざまに食べてしまいました。

この晒よし飴の元となる御菓子は、江戸時代に仙台蕃家中において作られたもんで、現代まで脈々と受け継がれてきてます。

京都には、ものすごい伝統の菓子処がたんとありますけど、全国におきましても、老舗菓匠伝承の技はたいしたもんやなぁ とたびたび感じることがございます。

《T&T》

2012-10-06 | Weblog
昨日は、T&T連載“道楽「味」外伝 飯田知史のうちでの料理”の掲載初回でした。

料理は「ハマチのみぞれ煮」で、レシピには、細かく分量を表記し、作り方も出来うる限り丁寧に記載しております。

今回の連載では、スーパーやデパートで入手できる材料を用いて、なるべく簡単に誰もがおいしく出来るということを前提とし、料理を考えております。器におきましても、御家庭で使い勝手のええ、現代のものを主に用いております。

京都新聞を購読の皆様方には、ぜひとも「うちで」レシピ通りに作って、より豊かな食生活をお楽しみいただきまずれば、心より幸いに存じ上げます。

《茶事》

2012-10-04 | Weblog
本日は、立礼茶事を執り行いました。

待合の掛け物は、横物で、高浜虚子の賛に林文塘の画「秋の夕」。

本席には、有馬頼底書の横物の大軸、神秀の偈と大鑑慧能の偈。

懐石は、輪島真塗の折敷・四ッ椀・飯器・朱杯・杯台。汁は袱紗仕立で里芋と芋茎。向付は川瀬竹春の藍彩四方向付に糸縒昆布〆と岩茸。燗鍋は和全。
椀盛は、時代京蒔絵鴨に薄の煮物椀に鱧 松茸 柚子。
焼物は、三浦竹軒 楓樹鹿遊図に目近。
強肴は、和全の竜田鉢ににしん茄子
進肴は、半七の秋草の画鉢にくさびらと菠薐草。
箸洗は、時代京塗紅溜小吸物椀に菱の実。
八寸は、丹波栗と車海老トリュフチーズ鋳込。
香の物は、寛次郎の抜蝋鳳凰鉢に沢庵 西瓜奈良漬 胡瓜。

香合は、堆朱陽成。
主菓子は、飛来一閑の縁高に道楽製 葛焼柚味噌餡鋳込。

花は、竹一重切 大亀和尚 月影に高砂芙蓉と浮釣木。

茶碗は、林香君 地精。

濃茶は、葉室の昔 詰めは小山園。

茶入は、肩衝 萩焼 いなぼ。

茶杓は、大亀和尚 和敬。

仕覆は、時代花蔓紋緞子。

皆具は、中村翆嵐。

水次は、諏訪蘇山。

莨盆は、淡々斎花押 表朔 行李蓋。

干菓子は、淡々斎花押松の木盆に、道楽製の六種野菜干菓子吹寄せ。

薄茶碗は、高麗呉器 伊羅保ほか。

棗は鵬雲斎花押 一瓢斎大棗 六瓢

茶杓は、淡々斎 御祓

皆様、本日は御遠方よりお運び賜り、主客直心の交わりの貴重なひとときをもつことができて、心より嬉しく存じ、深く感謝致します。

《みかん》

2012-10-03 | Weblog
缶詰のみかんには、薄皮がキレイにむいてありますけど、実にフシギですね。

もちろん、手で一房ずつ剥いてるわけはなくて、全てオートメ化されてまして、まるっぽのみかんに蒸気をあててふやかし、切れ目を入れて、ローラーの上を転がして皮をむきます。房をバラす機械に通して、一房ずつバラバラにわけ、0.5%ほどの塩酸液にくぐらせてから、0.3%ほどの水酸化ナトリウム液を通過させて薄皮を溶かしてしまいます。それから浄水でじゅうぶんに洗ってから、シロップと共に缶詰にされてるんです。

《秋の味》

2012-10-02 | Weblog
先だって丹波の栗が店先に並びましたけど、いよいよ秋の味覚の王者、丹波の松茸も登場し始めました。

毎年、十月半ば頃が最盛期で、来月初旬頃まで出回ります。
土瓶蒸しや鱧松の椀盛、焼き松茸に鋤焼き、それから天麩羅に松茸ご飯…

価格面では高嶺の花ですけど、シーズン中に一遍は秋の香りを満喫したいもんですね。

《初霜月》

2012-10-01 | Weblog
十月朔日。

毎月朔日には、必ず「にしんこぶ」を炊いて、ご飯のおまわりの一品としていただきます。

午前中は中央市場に調理器具や器などを見てまわって、午後から茶道具屋さんで炭・お香・茶巾・黒文字…なんかの消耗品をいろいろと仕入れてきました。

その足で高島屋に出向いたら、駐車場はマンパイでものすごい人出。聴くところによると、昨日は台風が影響して少なかったぶん、今日多くなったらしいです。

ぼくが幼少の頃、高島屋へ行くいうたら、一張羅を着せられてお出かけする、ちょっとしたイベントやったんです。