京料理 道楽のブログ

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伝承京料理勉強会

2008-11-11 | Weblog
昨日は、道楽の料理教室で大根の料理を取り上げました。一本の大根を部分によって適した料理に仕上げて、余すことなく使い切ります。
献立は「風呂吹き大根」「霙(みぞれ)仕立てのお雑煮」「ぶりだいこ」「大根皮の当座煮」「貝柱とイクラの初霜和え」「大根飯」です。
「風呂吹き大根」は真中の部分を用いて作ります。お昆布のだしでやらこう炊いた大根に田楽味噌を炊いてかけ、すりおろした柚子の皮を振り掛けて、熱々をフウフウといただきます。肌寒うなってきましたので、身体があったまる料理は、幸せな気分にさせてくれます。
「霙仕立てのお雑煮」と「初霜和え」には、大根の尻尾(下)の部分を大根おろしにして用います。お雑煮には、お椀に鮭のハラス(腹身)をさっと焼いたんと揚げたお餅を入れて、吉野葛でトロみをつけた吸地(すまし汁)に大根おろしを加えます。霙汁をはって(入れて)きざんだ芹を留めます。初霜和えは、貝柱の炙りと水菜とイクラを松前酢で味付けした大根おろしで和えます。
「ぶりだいこ」は大根の中ほどやや上の部分を使おて、昆布湯でやらこうゆがき、ぶりの腹身と一緒に煮含めます。
「大根の皮の当座煮」は、皮をきざんでおあげさんと炒め煮にします。
「大根飯」は大根の頭の部分を用いて、炊き上げ、きざんだお葱をチラシます。お米に対する大根の量の多さに驚かれた様子でした。
お陰様で、総ての料理が御好評で、お悦びいただけました。
今回のテーマは『食材は天の恵みであり、その生命を慈しみ感謝し、常に捨てることなく全ていただくという心積りで料理する』でした。