デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

桃山死す

2022-10-19 11:53:56 | デラシネ日誌
今日は福島-宇都宮間を新幹線利用、あとは鈍行という変則バージョン。昼飯を宇都宮でゆっくりとり、宇都宮からグリーン車にのって、パソコンをつかって一仕事したいということでたどり着いた奇策。ただ新幹線で行き来するだけでなく、いろいろ目的に応じて移動手段も考えるということだ。
福島までは車窓を楽しむ。東白石駅の裏にある川で白鳥らしきものが・・・

ここは桜と白鳥が売りらしい。
船岡から大河原までは白石川堤の千本桜が有名らしい。車窓から見るのもいいし、歩いてもいいところだ。桜の季節にぜひ来よう。
宇都宮まで本を一冊読了。宇都宮では1時間半ちかく時間があったので、市内まで足を延ばす。この街は思い出深いところ。後楽園のあとボリショイサーカスをやることが急遽決まり、3カ月ぐらいホテル住まいで営業と現場のマネージャーをした。二荒山神社ぐらいは記憶に残っているが、他はまったく記憶がないというか、町並みが変わったのだろう。

次回はもっと時間をとって公演本部があった下野新聞まで歩いてみたい。そうすればいろいろよみがえるかもしれない。
宇都宮からグリーン車に乗って、一仕事。かなりはかどる。この奇策うまくいったかもしれない。
18時過ぎに関内ホールで妻と落ちあい、モイセーエフバレエ団の公演を見る。主催は日本におけるロシア芸術フェスティバル事務局、ロシア文化省の出先機関みたいなところだ。妻がいまから50年以上前に見て、強烈な印象を受けたというので、招待券をもらったので誘った。会場入り口にウクライナの旗をもった外人さんが立っていた以外は、とくに反対するような人たちはいなかった。会場はほぼ動員なのだろうが、そこそこ入っていた。
構成はロシア色を薄めるためなのか、世界各国の民族色をいかしたダンスをちりばめたもの。テクニックはたいしたものだと思うし、群舞も見事だと思うが、見ながらやはり余計なことを考えてしまう。この人たちの徴兵はどうなっているのかとか、この人たちはプーチンの言う特別軍事作戦にみな賛成なのだろうかなど・・・今朝キエフに住むクリューコフの息子から、爆弾でとても怖い思いをしている、不安だが、がんばるというメッセンジャーがきたので、余計そんなことが頭をよぎってしまったのかもしれない。
そんな気持ちをもちながらも、すばらしい演技には拍手を送っていた。しかし最後の作品には拍手することができなかった。男性はみな水兵の格好をしているのだ、この時期に軍服を着せた踊りをあえてラストにもってきたのは、いまのロシアのやっていることを肯定している、やんわりと応援しているメッセージをこめているのではないかと思わざるを得なかった。妻も終わったあと「軍服を着せるか」と吐き捨てる。それに対してスタンディングオベーションを送る人たちの全員とは言わないが、この戦争でのロシアの勝利を願っている人もいるのではないかと思うと、とにかく早くこの場を去りたかった。見なければよかったのかもしれない。
会場近くのとんかつ屋で遅い夕食をとって、帰宅の途へ。
途中杉田で電車を待っているとき、スマホに水族館劇場の棟梁から電話。もしやと思い、緊張して応答。やはり桃山が昨日亡くなったということだった。余命宣言を受けているということを知ってから、この日が来るのはわかっていたが、来るべきものが来たとしても、やはり辛い。
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