タイトル「主戦場」
観覧日 2019年5月16日
日韓緊張が続く中、その中でも大きいのは従軍慰安婦の問題であるが、この問題をそもそも慰安婦などはなかったとする右翼一派(桜井よしこ、ケント・ギルバート、テキサス親父、藤岡信勝ら)とそれに対して真っ向から反対する歴史家、弁護士などの論戦を真っ向からとりあげる骨太のドキュメンタリー、それにしても杉田・ケント・藤岡・テキサス親父たちには反吐が出る。ただそればかりでは彼らを抹殺することはできない、この映画のすぐれていることは、右翼たちの言い分を全部言わせておいて、そのあとにそれを完全に否定する見解で立ち向かわせていることである。自民党は発言の切り取りに注意せよなどと参議選挙を前にして党員や議員に注意しているというが、この映画で右翼の連中は切り取られているとしても、それは彼が言いたいことは全て盛り込まれていることを否定できないだろう。本音を言わせているのは作り手側の狙いであり、それを否定する論拠の確かさで論破する。効いているのはかつては桜井一派だった学者の証言である。彼女は右翼一派が論拠のひとつとしている文書の間違いを知り、右翼一派の主張が偽りのなかで組み立てられていることから離れていく。右翼一派が慰安婦がなかった、無理やりではなく、売春だったという、証拠としている文書や事実と彼らが言っていることのひとつひとつは、彼らによって都合よく利用されていることを小気味よく暴いていく。このような映画は本来であれば、日本でつくられなくてはいけないものだと思う。日本のマスコミは、現象を伝えるだけで、踏み込み、問題の本質を抉るというようなことはもうできないところまで来ているのかもしれない。日本においても「共犯者」や「主戦場」のようなドキュメンタリーがつくられる日は来るのだろうか。
観覧日 2019年5月16日
日韓緊張が続く中、その中でも大きいのは従軍慰安婦の問題であるが、この問題をそもそも慰安婦などはなかったとする右翼一派(桜井よしこ、ケント・ギルバート、テキサス親父、藤岡信勝ら)とそれに対して真っ向から反対する歴史家、弁護士などの論戦を真っ向からとりあげる骨太のドキュメンタリー、それにしても杉田・ケント・藤岡・テキサス親父たちには反吐が出る。ただそればかりでは彼らを抹殺することはできない、この映画のすぐれていることは、右翼たちの言い分を全部言わせておいて、そのあとにそれを完全に否定する見解で立ち向かわせていることである。自民党は発言の切り取りに注意せよなどと参議選挙を前にして党員や議員に注意しているというが、この映画で右翼の連中は切り取られているとしても、それは彼が言いたいことは全て盛り込まれていることを否定できないだろう。本音を言わせているのは作り手側の狙いであり、それを否定する論拠の確かさで論破する。効いているのはかつては桜井一派だった学者の証言である。彼女は右翼一派が論拠のひとつとしている文書の間違いを知り、右翼一派の主張が偽りのなかで組み立てられていることから離れていく。右翼一派が慰安婦がなかった、無理やりではなく、売春だったという、証拠としている文書や事実と彼らが言っていることのひとつひとつは、彼らによって都合よく利用されていることを小気味よく暴いていく。このような映画は本来であれば、日本でつくられなくてはいけないものだと思う。日本のマスコミは、現象を伝えるだけで、踏み込み、問題の本質を抉るというようなことはもうできないところまで来ているのかもしれない。日本においても「共犯者」や「主戦場」のようなドキュメンタリーがつくられる日は来るのだろうか。