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今年もやってるやってる~

「この階級、この選手」のおさらい(スーパーフェザー級編)

2021年05月16日 05時08分22秒 | ボクシングネタ、その他雑談

「1990年代初頭からこれまでの約四半世紀、それぞれの階級で印象に残った選手を各階級3人ずつ挙げていっています。記載上のルールは各選手、登場するのは1階級のみ。また、選んだ選手がその階級の実力№1とは限りません。個人的に思い入れのある選手、または印象に残った選手が中心となります。」

上記の見出しで始まった「この階級、この選手」。2014年7月24日から昨年2020年の5月25日まで、全17階級の自分の記憶に残った選手たちを掲載してきました。今回の「この階級」であるスーパーフェザー級で選出した選手は、同級の1990年代初頭を代表し、WBA、WBCと2度同級王座を獲得した超絶技師ヘナロ エルナンデス(米/帝拳/2016年5月5日)、伝説のガーナ人アズマー ネルソンと4度拳を交えたジェシー ジェームス レイハ(米/2016年5月19日)。そしてボクシング後進国ブラジルから突如として誕生した「ブラジルアン・ボンバー」アセリノ フレイタス(ブラジル/2016年7月13日付け)の3名でした。

1990年代以降、畑山 隆則(横浜光)、粟生 隆寛(帝拳)、三浦 隆司(帝拳)、伊藤 雅雪(横浜光)など日本からも素晴らしい世界王者たちが誕生しました。しかし何といっても内山 高志(ワタナベ)は同級史に残る素晴らしい選手でした。2021年5月の段階で振り返ってみると、「何で内山を記載しなかったのかな?」と自分自身に疑問を感じてしまいます。2016年に集中して3人の同級の代表選手を選出しましたが、内山はその頃世界のベルトを腰に巻いていました。「この階級、この選手」を書く時、過去の選手を中心にしようという意識が先走りし過ぎてたんでしょうね。強すぎるために、対戦者探しに苦労した内山。そのため、試合間隔が開き気味でした。彼には同級の連続防衛記録を更新してほしかったです。

内山を選出しなかったと言っても、自分が選出した3選手に不満があるわけではありません。帝拳ジムとマネージメント契約を結び、その技術(特に左が凄かった)で当時のスーパーフェザー級で安定政権を築いたエルナンデス。特に秀でた能力があったわけではないですが、全体的にまとまった選手レイハ。今振り返って見ると、両者は一つの時代と、その次の時代の橋渡し的な役割をしてくれました。共に「アフリカの怪人」ネルソンと対戦。ネルソンと言えば、1980年代の初頭から1990年代の後半までの約20年もの長きに渡り、世界の一線級で大活躍した選手です。ネルソンが対戦した相手には、サルバドール サンチェス(メキシコ)、ウィルフレド ゴメス(プエルトリコ)、パーネル ウィテカー(米)等、ボクシング史に名を残した名選手が多数います。いくら全盛期の過ぎたネルソンだったとはいえ、エルナンデスとレイハは偉大なガーナ人に勝利を収めています。

(「この階級、この選手」の先駆者的存在だったネルソン)

  

(エルナンデスは1度、レイハは何と4度もネルソンと対戦しました)

またエルナンデスとレイハは、当時物凄い勢いで成長していたオスカー デラホーヤ(米)とも対戦しています。ネルソンと激戦を演じ、その名声を上げたエルナンデスとレイハでしたが、飛ぶ鳥を落とす勢いだったデラホーヤには完敗を喫してしまいました。デラホーヤは両者に勝利を収めた後、順当にスーパースターへの階段を上っていきました。ちなみにエルナンデスとレイハがデラホーヤと対戦したのは、スーパーフェザー級ではなく、ライト級でした。

エルナンデス、レイハより数年遅れて登場したのがフレイタスでした。彼が世界王座に就いた時の戦績は21戦全勝全KO勝利。フレイタスの実力は、その戦績に沿うものでした。さすがに世界王座獲得後は対戦相手の質も上がり、判定勝利を経験する事もありました。しかし最後まで、野性味あふれるボクシングを見せ続けてくれました。フレイタスがパーフェクトレコードでスーパーフェザー級王座に君臨していた時期に、他の3団体でも全勝の王者たちが格団体の王座に就いていました。WBAにはキューバの生んだ技師ホルヘ カサマヨール(キューバ)、WBCにはあのフロイド メイウェザー(米)、そしてIBFには長身パンチャー・ディエゴ コラレス(米)。当時のボクシングの専門誌にいは、この4人がいつ誰と対戦するのかという話題で話が盛り上がっていました。フレイタスはカサマヨールに僅差の判定勝利を収めWBA王座を吸収。メイウェザーはコラレスに予想外の快勝を収め、後の偉大なるボクサーは、着実にその地位を固めつつある段階でした。その後カサマヨールとコラレスは同級で2度対戦し、1勝1敗と星を分けています。

(2002年1月に行われた「フレイタス対カサマヨール」)

「この階級、この選手」は、当時を振り返ることを目的で記載しました。その振り返りをもう一度振り返って見ると、当時の記憶がさらに深く蘇ってきます。当時からスーパースター候補生の一人だったメイウェザーでしたが、その後スーパーウェルター級まで制覇するほど成長するとは予想していませんでした。ひょっとしたら現行の同級王者の中から、怪物的ボクサーに成長する選手がいるかもしれませんね。

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