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過労死報道より(2件)

2007年10月11日 | Weblog
①自殺会社員を労災認定=三菱電機から出向「気分障害」-失踪1年半後、遺体で発見
10月10日の時事通信社によると、
『三菱電機社員だった男性=当時(33)=が出向中に自殺したのは過労が原因として、三田労働基準監督署(東京)が労災認定していたことが10日、分かった。男性は会社を出たまま失踪(しっそう)し自殺、約1年半後に見つかった。
 代理人で過労死弁護団全国連絡会議幹事長の川人博弁護士は「失踪から発見まで時間の空白があり、証言や証拠を収集しにくい困難な状況の中、労災認定を得たのは大きな意義がある」としている。
 遺族側によると、男性は1996年に三菱電機に入社。2003年10月に東芝三菱電機産業システム(東京都港区)に出向したが、同12月2日に失踪し、05年4月28日、山梨県上九一色村(現富士河口湖町)の青木ケ原樹海で発見された。今年1月に両親が労災申請していた。
 男性は三菱電機で主に配電機器製品の技術営業を担当していたが、出向後は設計も担当。深夜までの勤務や休日出勤が常態化し、徹夜勤務も繰り返していた。失踪前1カ月間の時間外労働は、遺族側の計算では約178時間に達したが、会社側の勤務表は月25時間となっていた。
 労基署は、失踪前3カ月間の時間外労働は月約97時間から約110時間に上ったと認定。本人の体重が減っていたことに加え、落ち込んでいた様子だったとの証言から、認定理由について、過労が原因で精神障害の一種である「気分障害」を発症していたと考えられると説明したという。』 

②残業140時間、過労死で賠償命令=8300万円、薬剤師の両親勝訴-名古屋地裁
10月5日の産経新聞によると、
『東海地方でドラッグストアを展開する「スギヤマ薬品」(名古屋市千種区)に勤めていた薬剤師杉山貴紀さん=当時(24)=が死亡したのは、長時間労働による過労が原因として、静岡県大井川町に住む杉山さんの両親が同社を相手に慰謝料など約2億600万円の支払いを求めた訴訟の判決が5日、名古屋地裁であり、多見谷寿郎裁判長は計約8300万円の支払いを命じた。
 多見谷裁判長は、杉山さんが死亡する前の1カ月間の時間外労働は約138時間にも上り、休日も2日しかなかったと指摘。「必要な睡眠時間の確保も難しく、疲労が過度に蓄積していく状態だったにもかかわらず、会社側は適切な措置を怠った」として、過労死を認定した。』