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労災、場所偽り報告 シャープ下請け会社

2006年08月16日 | Weblog
8月12日の朝日新聞によると、
 『液晶テレビを作るシャープの亀山工場(三重県亀山市)で04年3月に全治約1カ月の労災事故が起きたのに、シャープの工場ではない場所で事故が発生したように偽った「労災とばし」の報告書が下請け会社によって作成され、労働基準監督署に提出されていたことがわかった。
  事故があったのは、亀山工場内でパネル材料や薬剤を運ぶ工程。契約の上では、シャープはこの業務を元請けの「日新」(横浜市)に委託し、元請けは1次下請けの「光明」(埼玉県狭山市)に、さらに1次下請けは2次下請けの「アサヒサービス」(愛知県安城市)に請け負わせた。けがをした男性は2次下請けに雇われていた。
 男性は04年3月22日、パネル材料の束(幅2メートル、奥行き1.2メートル、高さ1.2メートル)にかけられたシートをはずそうとして、作業台から転落し、胸の骨が折れる全治29日のけがを負った。
男性によると、事故当初、直接の雇用関係のない元請けから「自分の国民健康保険で診療を受けてほしい」と指示された。男性は「労災扱いにならないのはおかしい」と抗議。その後、労災扱いに切り替えられたが、2次下請けの担当者から「シャープに迷惑はかけられない。事故は1次下請けの事業所で起きたことにする」と口裏合わせを求められたという。報告書を作った2次下請けの担当者は「下書きではシャープと書いたが、上司に書き直しを命じられた」と話した。』
偽装請負は、安全に関する責任の所在がメーカーと請負会社の間であいまいになりやすく、特に1次、2次、3次下請と重層構想になっている場合は尚更です。「怪我と弁当は自分持ち」といわれた建設業界も労災隠しや労災とばしが起きやすいです。共通しているのは「発注先に迷惑はかけられない」ということだと思います。これも氷山の一角なのでしょう。