色川武大「街は気まぐれヘソまがり」を読了した。
色川の交友関係は知っているから、1986年から87年に掛けての著者晩年の交友について書かれている。
1989年に一関に移住して1か月で亡くなってしまったから、遊び仲間に邪魔されることなく小説を書こうと思ったのだろうが、最後の望み敵わず若い頃からの不摂生が祟って亡くなった。
僕は86年夏に女房と見合いをして87年春に結婚をしたので、この二年間については割と覚えていて、バブル最盛期に向かって活気のある時代だった。
色川武大にしてみれば、それが困ったことで、一関に行けば好きなJazzを聴く喫茶店もあるし、東京の喧騒を離れ落ち着いて仕事が出来ると思ったのだろう。
色川武大は好みの作家だから、目に付くと本を買っていたのでかなりのものは持っているが、何しろ阿佐田哲也名義のものを含めると多作だったので、網羅したわけじゃなくて、このエッセイも初めて読むものであった。
それにしても「狂人日記」は単行本で出た時に買っているが、発売念をみると1988年のことで、そんな昔のことだったのかなあと驚いている。
「街は気まぐれヘソまがり」を読んだら昭和が懐かしく感じられ、好みの作家なのでこれで終わりじゃあ淋しいので、読了する前に、このP・D BOOKSから読んでなさそうなのをオーダーして置いた。