何時もより遅れて「たる」1月号が届いた。
何時もは毎月20日過ぎに郵送されてくるので、どうしちゃったんだろうと思っていたが、お年玉の感覚で送ってきてくれたのかなあ。
ぼんやりと読んでいたら「カシャッサ」というブラジルの国民酒についての記事があり、長年酒を生業としてきたのに初めて目にした名前だった。
チリの「ピスコ」についてはワインの輸入をしていたし、ハードリカーが好きなので現地でも飲んだりしたので知っていたが、思えば当然各国にハードリカーがあるはずで、じゃあアルゼンチンのハードリカーは?と聞かれると恥ずかしながら知らない。
「カシャッサ」はサトウキビが原料の蒸留酒で、それじゃあラムと一緒じゃないかと思うが、現地の人は全然別モンだというらしい、飲んだことないからどれほどの差異があるか分からないが、きっとかなり似ているに違いない。
でも、米を醸せば酒だと見知らぬ国の人に云われたら、冗談じゃないぜ、酒には原料から精米方法や洗いや蒸、糖化やアルコール発酵に至るまでの日本独特の技法があるんだと云いたくなるのと同じ感覚なのだろう。
16世紀初頭にポルトガル人によってサトウキビが持ち込まれてから造られたというから、高々500年の歴史しと考えるか、500年もの長い歴史と考えるかは意見の分かれるところだが、ただ古けりゃいいってもんじゃないし、やっぱり歴史の重みってあるしなあ。
まあ、あれこれ考えてみたところで飲んでみなきゃどんなもんか分からないから、近いうちに手に入れて試してみることにするが、こういった未知の酒を知ったというのは、新春に相応しい新鮮な気分だ。
お年玉に「たる」をお送りいただいた高山編集長、今年もよろしくお願いいたします。