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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

108円から教わるアベシンゾウの実態

2018年01月26日 10時35分45秒 | えいこう語る

▼「BOOK・OFF」に行ってきた。100円に消費税が付くと108円だが、100円で知識を得れるなんて、こんな得なことはない。消費税の8円は、知識の“おまけ”が付いていると考えている。

▼まもなく消費税も10%になるようだが、高額な軍備費の無駄遣いや、国有財産の安価な払い下げも許せない。教育費の無料などというのも、憲法改正へ誘導させる“餌”のようで許せない感じだ。

▼3・5・8・10%と、あっという間に引き上げられた消費税。最初に検討された際の大蔵省幹部の「一度上ればきりがない。覚醒剤と同じだ」といった言葉が、脳裏によみがえる。

▼藤沢周平著「暁のひかり」では、職人から賭場の壺振りに成り下がった男が、真っ当な人間に這い上がろうとするが、周囲の環境に流されるという、男の悲哀が漂う短編だ。

▼藤沢作品のすごさは、初めの数行で、読者をその世界にいざなってしまう。江戸の町並みの風景の中に、読者もどこかにたたずんで、その物語を見ているのだ。

▼「小説は人間を徹底的に描くことだ」と、文学の講義で教えられたことがある。藤沢氏が描く人物は、その肌のぬくもりや息づかい、さらに心模様までが、読者に伝わってくるのだ。

▼詳しい内容は省くが、賭場の場面を想像していただきたい。主人公の市蔵は“いかさま”を強いられるのだ。いかさまを教えた男は「渡世人だけに使うな」と言い残しどこか去って行った。

▼その渡世人にいかさまをした。賭場があけて家路につく暗闇に、渡世人一味が待っていて、市蔵を囲むのだ。殺気あふれるシーンが浮かぶ。「赤みを帯びた暁のひかり(表題)が、ゆっくり町を染め、自分を包みはじめているのを市蔵は感じた。」と、後は読者の創造に投げかけて、物語は終わる。

▼わずか41ページの短編に流れる、男と女の生の匂いを感じさせる筆力に、読者は酔いしれる、拍手を惜しまないのだ。ふと、この物語にアベシンゾウを登場させたらと考えてみた。

▼愁いをおびた、粋な男前の主人公には、シンゾウは役不足だ。自分の言うことを聞く手下を従え、賭場と岡場所を仕切る親分というところか。

▼108円のもう一冊、佐久協著「高校生が感動した論語」の中から。孔子が弟子の子貢に尋ねられ、それに対す孔子の言葉だ。

▼【「政治の基本は何ですか」と質問したので「衣糧の充実・軍備の充実・政治家と国民との信頼関係の三つだ」と答えた。すると「その三点の中で、どうしてもやむ得ない場合には、どれを犠牲にしたらよいものでしょうか」ときくから、「まあ、軍備だろう」と答えた。すると「残った二点の中で、どうしてもやむ得ない場合には、どっちを犠牲にしましょうか」ときくから「食糧だ。食糧の充足を欠けば、人民は飢えて死者が出るかも知れないしかし、人間にとって死は遅かれ早かれ免れないものだ。政治家と国民の信頼関係さえあれば、弱くても貧しくても国を維持できるが、信頼関係がなければ、どれほど強く豊かでも国を維持できない」と答えたという。

▼【民無信不立】だ。孔子が我が国の総理に残した言葉ではないか。

▼以上が、108円から学んだ、アベシンゾウの実態の、ほん(本)の一部です。