▼日馬富士暴行問題は、初場所が始まると白鵬の相撲の取り口に、注目が移ってしまったようだ。横審の委員長が、白鵬の相撲に品格がないと注文を付けたことで、立ち合いに迷いを見せた白鵬が、4日目で2敗し休場となった。
▼期待される日本人横綱稀勢の里は、1勝4敗と、毎日土俵に転がっている。真面目な土俵態度ゆえ品格は問われないが、もはや横綱相撲ではない。それでも取り続けるというので、応援している方が疲れてしまう。だが、ようやくフアンの声が聞こえたか、今日から休場だ。
▼休場が続き、今場所の成績いかんでは引退もありと言われる鶴竜は、絶好調だ。だが身体が小さく、一人だけ残った横綱の重い責任感に、どれだけ耐えられるか、さらに、威勢のいい若手が突進してくるので、これまた心細い。
▼休場と言えば、宮城を連想する。今場所は天覧相撲の予定だったが、今回の不祥事で中止になった。相撲好きの陛下も、楽しみが奪われ、がっかりしているに違いない。まさか「めでたさも中くらいなる朕が春」などと、そんな下品なジョークは、決して発しないでしょうが。
▼休場・宮城とくれば、やはり九条だ。『憲法改正は、スケジュールありきではない』といった総理が、今年秋にも発議し、来年春には国民投票に持ち込むと、スケジュールを発表した。白鵬同様、品格のない総理だ。
▼それ以前に、トランプ大統領を信頼のおける人物という程度の総理だ。早く体調を崩し国会を休場し、引退も勧告してもらいたいものだ。
▼今日19日は、私の菩提寺のお寺参りだった。そこで檀家の皆さんへ、国民投票のことを、ほんの少しだけ話してきた。
▼「私の村でも、日露戦争からの戦没者がたくさんいる。戦争を再びするのかしないのかというのが、今回の国民投票だ。私は仏教のことはよくわからないが、憲法は少し知っているので相談してほしい」と。
▼今のお寺の総代長は、戦前生まれだが軍隊の経験はない。それまでの総代長は、各地を転戦し死線をくぐってきた先輩たちだった。
▼お寺の会合では、つらかった戦争の話をしてくれた。夏休みにお寺に子供たちを集めて、戦争の話をしてくれた方もいた。その意思を私たち役員も見習いたいものだ。
▼憲法改正で戦争ができる国に賛成する国民は、品格がない国民のような気がする。自分の国を守り戦うことは、他国の国民を殺戮することだ。歴史をかえり見れない、そのような人物は、品格があるとは決して言えないと思うからだ。
▼現憲法と自民党改正憲法草案(2012年版)では、現憲法の前文と九条の方が、ずっと品格があるような気がする。
▼憲法は国家の基本秩序だという。そうであれば、品格のある条文が求められる。法律や憲法学者ばかりではなく、文学者も大いに憲法論議に参加してもらいたいものだ。
▼品格があるとは言えない私が、品格を考えてみたら、このような品格のない文章になってしまった。