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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

北海道のまちおこしを分析する

2018年01月14日 13時26分05秒 | えいこう語る

▼『かつて、まちおこしに奔走していた元気なおじさんたちは今、どうしているのか』の書き出しで始まったのが【ミニ独立国に学ぶこと】という題の、今朝の(15日)北海道新聞 論説委員の森川純さんだ。

▼80年代の初頭、北海道での独立国ブームの先駆けが、ニセコ町で始まった「ポテト共和国」だ。冬場はスキー客が訪れるが、夏場のニセコの魅力をどう伝えるかを、住民が率先してイベントを開催し始めたからだ。

▼この共和国は、ペンション村のオーナー達が集まって構成された。いわゆる、地元民ではない、移住してきた「よそ者」の自由な発想が、北海道のまちおこしのスタートを切ったといっても過言ではない。

▼私も、当時そのゲリラ活動とも思われる言動に、テレビにくぎ付けになった。まちおこしの若者たちと、当選したばかりの横路北海道知事が露天風呂に入り、まちおこしを語る「露天風呂サミット」という番組を観たからだ。

▼当時、北海道には212の自治体があり、私の住む椴法華村は、道内一面積の小さな自治体だった。「何もない村」といわれるが、眼前には広大な太平洋、後ろには活火山恵山がそびえ、豊富な温泉を提供してくれる。

▼1983年に当選した横路知事は「一村一品運動」を提唱し、各地域に眠っている、宝物の発見を呼びかけた。だが、机に座る今までの知事ではなかった。知事自らが、地域に中に入り込んできたのだ。

▼私は、70年代に神奈川県の長洲知事が提唱した「地方の時代」の実践活動を、道民が実施する時代が来たことを実感した。

▼各地に共和国やまちおこしの集団が、雨後の筍のように立ち上がった。それらを、年1回札幌に自治体の職員も同行させ、集合させたのが同庁だ。

▼さらに、その中から、各地域のリーダー的存在を選び、各県のまちおこし集団との交流事業を始める。私は2回目の熊本県に派遣され、当時のまちおこし集団と、連日議論を戦わせた。

▼「道庁と地域の若者の結びつき」。この役所のフォローがしっかりしていたのが、横路道政の最大の成果といっても過言ではないだろう。まちおこしに参加した人たちは「道民の道民による道民のための政治」という言葉を実感しに違いない。

▼「断ち切れしがらみ未来に向けて、心の過疎を吹き飛ばせ」・「出る杭は打たれるが、出ない杭は腐れる、君ならどちらを選ぶか」・「痴呆自治体」など、そんな言葉を周囲にまき散らしていた、青い時代の私だった。

▼それから、35年近く経ち、横路さんも昨年政界を引退したち、。「当時活躍した人たちは、何を実現できて何が課題として残ったのか、いつか総括してほしい。」と論説は問いかける。

▼私は、横路さんに民主主義の基礎を学ばせていただいたと思っている。「おまかせ民主主義ではなく、自らが考え行動を起こすこと。それが真の「地方の時代」なのだということを。

▼ポテト共和国初代大統領の工藤達人さん。その後何度もお会いし、飲んで語り明かした。横路知事とも数知れないほど、地方自治や国政について話をさせてもらった。

▼その工藤さん、記事の中でこう総括している。【行政に頼らない自立と、連帯の精神を大事にしてきた】と。その総括は適切だ。

▼それは、行政(政治)というものを常に監視し『まちづくりは住民が主役』でなければならないということが、当時以上に必要な時代に入っていることを、工藤さんは「総括」で、昔の仲間に伝えているのではないか。

▼【政治をみんなで語ろう】というのが、ミニ独立国の隠されたテーマであり「一村一品運動」が、呼びかけたものも、そんなことだと私は考えていた。まちおこしの原点は『政治を語ろう』だったというのが私自身の総括だ。

▼夢破れたのではない。『種はまかれたのだ』。ポテト共和国は、当時ニセコの係長であった逢坂誠二さんを、町長に押し上げた。彼は、日本初の「市民自治条例」を制定する。

▼現在のニセコの国際化の始まりは、そこから始まっているように感じる。縁あって、逢坂さんは我が北海道8区から当選し、立憲民主党の主要メンバーになっている。

▼先日、或る新年会会場で会った。「最近、党の雛壇上の方で活躍していますね」と私が言うと「頑張ります」と、笑顔で手を差し伸べた。

▼年齢は私が上なので「常に国民の目線で」と、つい先輩ぶってエールを送ったのだ。北海道のエースが、野党の中心メンバーとして、アベ政権に待ったをかける、そんな楽しい今年であることに期待したい。

▼ちなみに、逢坂さんは、ボブディランのフアンで「風に吹かれて」の曲が好きだと、本人から聞いたことがある。そのディランがノーベル平和賞を受賞した。

▼野党第一党として、立憲民主党が台頭し【平和の風が吹く】ことを期待したい。