ニューヨーク市VS函館市

ニューヨーク市の人口約８２０万、函館市の人口約２９万である。
市会議員はニューヨーク市４７人，函館市３０人だ。
ニューヨーク市を基準にすると、函館市の議員数は1,6人でいいことになる。
２月２８日、函館市議選の顔ぶれが決まり、３０議席に３８人が出馬する。
平成１６年に函館市に吸収合併された旧４町村は、合併特例で各地区１名の枠があったが廃止され、全市一区の戦いになり、私の村含めた合併地区は、人口比率からみて当選が極めて困難になった。
先日新聞社が、私のところに地元の声を聞きたいと取材に来た。
「何の抵抗もなく、財政が悪化するという危機感をあおり、無条件降伏をした合併だ。郷土を守ろうとする意欲のないものに、期待する方がおかしい」。そのような話をしておいた。
合併して6年を過ぎた。その中で魅力ある街全国一位に選ばれた函館市だが、市議会のマチづくりの内容には、かなりの失望感がある。
私が感じた大きな要因は、歴史的街並保全地区にある指定建造物を、耐震強化もせず壊してしまう、歴史や景観に対する愛情の希薄さだ。
極めつけは、函館市自治基本条例である。
自治体の憲法といわれているにもかかわらず、審議課程の情報公開すらなく、市民も交えた策定委員会の提案を、市議会で勝手に大幅削除し決議したのだ。
つまり、情報公開し市民参加などさせては、自分たちの権限が狭まるというような、抱え込み作戦だ。
この件に関しては、へのツッパリのようなものだが、今日新聞社宛に投稿文書を送付した。腹がたったときの市民のささやかな抵抗である。
※春かと思ったら雪が降ってきた。一週間ほど降るらしい。
昭和３０年代、とどほっけ村のニューヨークといわれた？繁華街。雪が１週間ほど続くらしい。


昨日のことである。市議会の立候補者の顔ぶれが出るのに合わせたかのように、昨年市民が景観にそぐわないとし、市も勧告を出し撤去したカニ卸業者が設置した「自由の女神像」が、また同じ場所に立ち上がったのだ。
函館港を見下ろす、景色の絶好な場所に松明を掲げてそびえ立ったのである。
大火が多かった函館。防火帯として作られた二十間坂の最上段のど真ん中にである。まるでこの地区一帯の景観を、再び火の海にするかのように。
さて、市長、市議会議員を選ぶ基準が決まった。選挙公約などそう問題ではない。「二十間坂の自由の女神」あなたは撤去か、それともOKか。
ニューヨークの自由の女神は、国の独立の象徴だ。
函館のカニ卸業者の自由の女神、はたして函館の象徴たりえるだろうか。
街づくりの品格が問われるこの問題、お願いに来る候補者に聞いてみようと思っている。