鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその199~竹鶴政孝63

2007-02-17 10:08:50 | 竹鶴
今回のお気に入りは、竹鶴政孝パート63、「デザイナー佐藤卓②」です。

佐藤卓さんのトータルプレゼンにより誕生した「ニッカ・ピュアモルト」。
ニッカにとって重要な分岐点になったウイスキーの誕生秘話の続きをご紹介します。

<エピソード2>
トータルプレゼンというからには「ボトルの中身に何をいれるか」から企画することが必要でした。早速、佐藤さんは余市と宮城峡の蒸溜所に眠るモルトを取材しました。
当時の企画決定までの流れは次の通りだったそうです。
・若い人向けのウイスキーにしたい。
・長く眠っていたウイスキーでは高額なので「そこそこ眠っていたもの」を使いたい。
・「そこそこ眠っていたもの」を「樽から出したそのまま」で味わってみると、おいしかった。
・若い人は、買われる工夫をされたものや味の演出をなされたものに飽きているはず。
・だから「樽から出したそのまま」というキーワードに、すごく興味を持ってもらえるのではないか。
・ネーミングも演出をせず「ピュアモルト」という工場で呼ばれているそのままを使う。

こうして、ブレンダーに「それはまだ作っていません」といわれたモルトウイスキーをそのまま商品にしてしまうといった斬新な発想が生まれたのでした。
今でこそシングルモルトは世界的にブームですが、有名なウイスキー評論家マイケル・ジャクソンが「モルトウイスキー・コンパニオン」を書いたのが1989年。佐藤さんがプレゼンした「ニッカ・ピュアモルト」が世に出てからずっと後です。いかに佐藤さんの着眼点が斬新でかつ的を射ていたかがわかります。
   (つづく)
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