今回のお気に入りは、土偶のリアルです。
北海道新聞で紹介していた本を読みました。
譽田亜紀子著「土偶のリアル 発見・発掘から蒐集・国宝誕生まで」
もともと縄文文化に興味がありました。
日本人のルーツである縄文人。
彼らの文化を感性を最も伝えているものは何だろう?
それは生活必需品である土器や石器ではなく、土偶だろうと思います。
土偶について考えることが、縄文文化を知ることへの第一歩と考えました。
出版社の内容紹介を引用します。
=====
縄文土器や土偶が国宝に認定されたのはそう昔のことではない。
たしかに、岡本太郎は縄文中期の土器を絶讃した。
しかし一般的には、縄文の考古資料は美的に眺める対象ではなかった。
そのなかで、一人の文化庁調査官が縄文を国宝にしたいと動き始める。
日本で評価を得られなければ海外に持っていけばいい、その名声を持ち帰ろう、彼はそう考えた。
事実、ベルギーでの展覧会では、外国人から「日本にはピカソが何人いるのか」という声が聞かれたほど、大評判だった。
日本に帰ってきてから、調査官は一体の土偶の前で「かわいいね」と笑い合う姉妹を目撃する。
この土偶しかない。
それは長野県棚畑遺跡から出土している土偶、縄文のビーナスだった。
1995年、縄文の国宝第一号となった。
なぜか、土偶の周辺には隠れて見えなくなってしまったドキュメントが多い。
縄文の人々と土偶との関係も、現代において発見・発掘した人々と土偶の関係もそうである。
この本では、発見、発掘、修復、復元、蒐集、文化財指定など、18の物語で土偶の魅力と謎に迫る。
さらに、多数のカラー図版とイラストで国宝5体とこれだけは見ておきたい土偶および土製品を紹介。
どう作られ、一体何に使われていたのか、そして現代にどうよみがえったのか。
おもわず唸る17の物語。
あっぱれ、日本の土偶!
=====
「カプセル 歴史ミュージアム 国宝土偶 全5種セット」を購入し、間近に観察しつつ、読み進めました。
これは大正解!
土偶の細部についての記述がある都度、ミニチュアを手に取って観察して確認する、というのは実にいいものです。
立体的な読書と例えたくなる経験でした。
未読の方にお薦めします。
内容については、それほど目新しさを感じませんでした。
怪我や病気をした人が土偶を壊すことで治癒を願ったという身代わり説が主流と紹介しています。
でも合掌土偶はアスファルトで補修してあったそう。
こちらは身代わりではなく、見守りを願ったものとしています。
土偶に複数の意味があるのは当然です。
1万年という現代人には想像もつかない長い年月を、不変でいられる訳がありませんから。
本書はもっと縄文人の心に接近する解釈が出てくるかと期待しましたが残念でした。
北海道新聞で紹介していた本を読みました。
譽田亜紀子著「土偶のリアル 発見・発掘から蒐集・国宝誕生まで」
もともと縄文文化に興味がありました。
日本人のルーツである縄文人。
彼らの文化を感性を最も伝えているものは何だろう?
それは生活必需品である土器や石器ではなく、土偶だろうと思います。
土偶について考えることが、縄文文化を知ることへの第一歩と考えました。
出版社の内容紹介を引用します。
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縄文土器や土偶が国宝に認定されたのはそう昔のことではない。
たしかに、岡本太郎は縄文中期の土器を絶讃した。
しかし一般的には、縄文の考古資料は美的に眺める対象ではなかった。
そのなかで、一人の文化庁調査官が縄文を国宝にしたいと動き始める。
日本で評価を得られなければ海外に持っていけばいい、その名声を持ち帰ろう、彼はそう考えた。
事実、ベルギーでの展覧会では、外国人から「日本にはピカソが何人いるのか」という声が聞かれたほど、大評判だった。
日本に帰ってきてから、調査官は一体の土偶の前で「かわいいね」と笑い合う姉妹を目撃する。
この土偶しかない。
それは長野県棚畑遺跡から出土している土偶、縄文のビーナスだった。
1995年、縄文の国宝第一号となった。
なぜか、土偶の周辺には隠れて見えなくなってしまったドキュメントが多い。
縄文の人々と土偶との関係も、現代において発見・発掘した人々と土偶の関係もそうである。
この本では、発見、発掘、修復、復元、蒐集、文化財指定など、18の物語で土偶の魅力と謎に迫る。
さらに、多数のカラー図版とイラストで国宝5体とこれだけは見ておきたい土偶および土製品を紹介。
どう作られ、一体何に使われていたのか、そして現代にどうよみがえったのか。
おもわず唸る17の物語。
あっぱれ、日本の土偶!
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「カプセル 歴史ミュージアム 国宝土偶 全5種セット」を購入し、間近に観察しつつ、読み進めました。
これは大正解!
土偶の細部についての記述がある都度、ミニチュアを手に取って観察して確認する、というのは実にいいものです。
立体的な読書と例えたくなる経験でした。
未読の方にお薦めします。
内容については、それほど目新しさを感じませんでした。
怪我や病気をした人が土偶を壊すことで治癒を願ったという身代わり説が主流と紹介しています。
でも合掌土偶はアスファルトで補修してあったそう。
こちらは身代わりではなく、見守りを願ったものとしています。
土偶に複数の意味があるのは当然です。
1万年という現代人には想像もつかない長い年月を、不変でいられる訳がありませんから。
本書はもっと縄文人の心に接近する解釈が出てくるかと期待しましたが残念でした。
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