鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその2328~竹鶴政孝パート309

2024-03-18 12:49:53 | 竹鶴
今回のお気に入りは、竹鶴政孝パート309、ウイスキーと風の味です。

「ウイスキーと風の味」はニッカウヰスキーの3代目マスターブレンダーである佐藤茂生さんが2023/6に出した本です。

内容紹介を引用します。
=====
本書は、1920年に竹鶴政孝がウイスキーの製造技術を習得し、日本に帰国してからの日本におけるウイスキーづくりの歴史を辿るとともに、ジャパニーズウイスキーの品質力を高めるためのブレンダーとしての創意工夫を1冊にまとめました。
=====

著者とは5年前のマイウイスキーづくり・上級者コースで同じテーブルになり、お話をお聞きしたことがあります。
実直そうな外見にたがわぬ語り口で、まさに職人・技術者というオーラを感じました。
本書は著者の人柄通り実直な文章が並んでいます。
不思議だったのは、あちこちでデジャブを感じたこと。
きっと竹鶴政孝とニッカウヰスキーに関する本をいろいろ読んできたせいだろうと思っていましたが、当ブログを著者名検索して驚きました。
2015年に著者の自叙伝が北海道新聞に11回にわたり連載されており、それを読んでいたのです。
デジャブではなく、かつて実際に読んだ文章と重なる部分があちこちにあったのでしょう。

さて本書には酒税改正に振り回されるウイスキー業界の姿が丁寧に紹介されています。
逆風の中で必死に創意工夫を重ねる姿が印象的です。
モノからコトに着目したマイウイスキーづくり企画もそのひとつ。
また逆風の中でも品質にこだわり続けてきたその先に、シングルカスク余市10年で世界一という勲章を得ることもできました。
さらに「品質のニッカ」というこだわりから社内に反対が多かったノンピートウイスキーへの挑戦。
これはハイボール人気も相まってブラックニッカクリアブレンドの大ヒットにつながりました。
ナルホド、ナルホド。
ジャパニーズウイスキーの歴史をニッカウヰスキー側から丁寧に描いた教科書のような著作です。
これはニッカ社員必読ですね。

後半はウイスキー製造の教科書です。
ウイスキーの熟成について、官能試験について、樽の材質の変遷についてなど、ウイスキーのウンチクが山ほど書かれています。
ウイスキー通、ニッカ通を自任している私ですが、このボリュームではとても頭に入りきらないので2度、3度と読みたいと思います。
バーテンダーが毎日使える実用書です。

そして最後に自身の経歴をさらりと書いています。

せっかく買ったのに1年近く寝かしていたことを後悔するくらい素晴らしく中身の濃かったです。
ウイスキーを深く知りたい方には必読書ですよ!










コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする