鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその2032~サクラ図譜2

2022-01-14 12:38:00 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、サクラ図譜2です。
このところしばらく川崎哲也さんの「サクラ図譜」を鑑賞していました。
1ページがB4判というビッグサイズ。
右ページに図版、左ページに解説という構成です。
とにかく贅沢な作りと美しく細密な図版。
ページをめくるごとにため息が出ました。
植物に詳しい方ならもっともっと感動するのでしょうが、品種ごとの特徴が書いてあるのに右から左で読み流している自分を少し残念に思いつつ図版メインで鑑賞しました。
妻から何冊も図鑑を鑑賞しているのに、生き物の名前に詳しくないと指摘されることもありますが、あくまで科学と芸術が合体した美しく正確な図版を鑑賞したいだけなのですから仕方がありません。
本書は川崎さんの急逝後、遺された資料を時間をかけてまとめたものです。
資料は本書に収録後、東京国立博物館に寄贈されることになっていたため、未完成の図版まで収録したのは、素晴らしい判断だったと思います。
前書きや後書きを先に読んで川崎さんと牧野富太郎博士との次のような関りを知り、ワクワクしながら図版鑑賞しました。
・川崎は大学時代から牧野富太郎に師事し植物の描画法と知識を伝授された。
・川崎が描いた「ヤマモモ」の完成度の高さに病床の牧野博士が喜んだ。
・その図版は博士が亡くなって間も無く発行された「牧野新日本植物図鑑」の巻頭ページを飾った。
・編者の大場秀章は、サクラ図の代表格は牧野富太郎「大日本植物志」に収録されているヤマザクラ(1900年)であり、川崎による多数の部分図、解剖図をともなう図解と表示方法は牧野ゆずりであると書いている。
本書の美しい図版を鑑賞しつつ、解説を斜め読みしていて知ったことをメモに残します。
・「しだれやまざくら」は「枝垂山桜」と書く。ナルホド
・「オオヤマザクラ」=「エゾヤマザクラ」=「ベニヤマザクラ」
・わが家にある芳香の強いサクラは名称不詳だったが、候補は次の通り。
 春に開花したら確認したい。
  有明(ありあけ):芳香強い、花弁にうねりあり
  上匂(じょうにおい):昆虫などが多数来訪するほど匂いが強い、花弁5-8枚
  薄墨(うすずみ):芳香強い、花弁が白色で幅が狭い
  駿河台匂(するがだいにおい):芳香に関する記述なし
  その他 :ときどき芳香のする木がある種類もあるそう
本書のように美しい図版が多数掲載された図譜を鑑賞するといつも思うのですが、お気に入りのページを開いた状態で飾ることができて、開き癖を付けない鑑賞方法はないものでしょうか?
ブックスタンドと額縁を合体したようなもので、本のサイズに合ったものがいいのですが。
既製品が見当たらない上、手作りすると本のサイズごとに用意しなくてはならず、いくつも用意する必要がありそうです。
・・・そうか、これが問題で既製品が無いのか・・・。
残念ですが、これからも本を開いて鑑賞しなくてはならないようです。
ちなみにいつもぎゅう詰めの本棚ですが、今回に限り1冊分の隙間がありました。
サクラ図譜はそこにゆるやかに収まり、お気に入りの仲間入りをしました。
次はサクラが咲くころ開くことでしょう。


コメント
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