鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1746~常設展示室

2019-03-01 12:56:32 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、常設展示室です。

お気に入りの原田マハのアート小説。
せっかく予約して入手したのに、すっかり読むのが遅くなってしまいました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
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パリ、NY、東京。世界のどこかに、あなたが出会うべき絵がきっとある。
その絵は、いつでもあなたを待っている。
人生の岐路に立つ人たちが辿り着いた世界各地の美術館。
巡り会う、運命を変える一枚とは――。
故郷から遠く離れたNYで憧れの職に就いた美青は、ピカソの画集に夢中になる弱視の少女と出会うが……(「群青 The Color of Life」)ほか。
アート小説の第一人者が描く、極上の6篇。
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人生の岐路に立つ人々が世界各地の美術館で出会う、運命を変える一枚。
アート小説の第一人者が描き出す、最新短篇集。
人生のきらめきを描き出す、極上の6篇。
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ピカソ「盲人の食事」
 弱視の少女と視力を失いつつあるキュレーター。
 2人は作品の前に立ち尽くし、作中の男の幸せを願います。
 そういう鑑賞の仕方があるんだな、と学びました。
 
フェルメール「デルフトの眺望」
 認知症の父が最期をむかえた部屋。
 優しいスタッフと美しい眺望、そして何より最愛の息子が付き添ってくれました。
 父の最期に立ち会えなかった女性は、弟とたくさん語り合いたいと願います。
 仕事に追われる毎日からいっときでも離れ、家族と優しい時間を過ごします。
 多くを語っていなくても感動を誘う作品です。

ラファエロ「大公の聖母」
ゴッホ「ばら」
マティス「豪奢」

東山魁夷「道」
 両親と死別し別々の人生をたどった兄と妹の物語。
 緑の草原と一本の道。
 その絵に秘められた幼き日の思い出がふたりを引き寄せます。
 悲しい結末と明るい未来が一気に押し寄せるラストが秀逸です。
 収録作品ではこの作品が一番のお気に入り。

これまでのアート小説とは違い、登場する女性たちの人生に焦点をあてた作品集でした。
この新しい試みは申し訳ありませんが期待外れでした。
これまでの路線のように絵画への深い造形を織り込んだ物語を期待します。
それこそが原田マハの魅力なのですから。
女性たちの人生に焦点をあてた小説を書くのであれば、アート抜きでお願いしたいです。
中途半端は止めて!
一ファンの切なる願いです。


コメント
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