鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1248~琉球処分(前編)

2016-09-09 12:09:08 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「小説 琉球処分(前編)」です。

沖縄の皆さんにはとても申し訳ありませんが、先日まで本書の存在を知りませんでした。
さらに言えば「琉球処分」という言葉も知りませんでした。
みなさんは知っていましたか?

日ごろから米軍基地の沖縄偏在という不平等や、日米地位協定の不平等に不満を持っています。
沖縄県知事の意見に耳を貸さない政府の強硬さを苦々しく思っています。
太平洋戦争で沖縄県民の4人に1人が亡くなった沖縄決戦は、「捨石作戦」だと思い、申し訳なく思っています。

それらの根源は「琉球処分」にあったようです。
明治政府により強行された琉球王国の解体と併合。
中国の南沙諸島問題やロシアのウクライナ進出問題などのような非道をかつて日本も行っていたとは・・・。
ショックでした。

まあ、ここ北海道も一歩間違えたら旧ソ連に侵略されていたかも、といわれていますので、他人事ではありませんが・・・。

本書は新聞コラムで紹介されていました。
前後編の分厚い本のため、かなり前から読んでいましたがなかなか前に進みませんでした。
ようやく前編を読み終わったのでここまでの感想を書くことにします。

琉球王国は中国と日本に貢物を納めながら、綱渡りのような外交で生きながらえてきた国だったことが描かれています。
強国に挟まれた小国の悲哀。
琉球の船が台湾に漂着し地元民に大量虐殺されたにもかかわらず、中国は動いてくれなかった。
何のための貢物だったのか?
中国に抗議し賠償金を取ってくれた日本の行動も、琉球を我が物にするため。

明治政府の高官、大久保利通以下役人たちの思惑。
琉球王国の高官たちの思惑。
琉球の高官たちには体調を壊す人も出てきます。
「外交」という世界はそれほど胃が痛くなる世界なのですね。
特に譲歩せざるを得ない立場の国の高官は辛い。
王様と国を守るため、必死にのらりくらりとはぐらかしながらも、追い込まれていきます。

後編はどうなるのか?
希望は前編で登場した琉球の有能な若者たち。
彼らが活躍することを願います。

コメント
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