鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその666~ツレがうつになりまして。

2012-07-11 12:06:43 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「ツレがうつになりまして。」です。

先日の連休は映画DVD「ツレがうつになりまして。」を
みました。

宮崎あおい、堺雅人のW主演で話題になり、いつか見ようと
手元に用意していました。
先日「アントキノイノチ」を見たことをきっかけにして、
ついに見ることにしました。

映画「ツレがうつになりまして。」は「アントキノイノチ」と
同じ系統の作品です。
エンターテインメントと深刻な事実を正しく伝えるという
二つの役割があるため、評価も二つが混同されがちです。

「アントキノイノチ」では原作で丁寧に描かれていた、遺品
整理という深刻な仕事を正しく伝えることより、エンター
テインメントに重きを置き過ぎた作りになっていたため、
残念な評価しかできませんでした。

それに比べ、「ツレがうつになりまして。」は原作の空気感を
よく伝える良質な映画に仕上がっていました。
これは「うつ」という深刻な事実を原作と同じくらい正しく
伝えようとしたからでしょう。
映画の評価は賛否両論真っ二つだったようですが、それは
原作も同じ。
批判評には、私の症状は映画(原作)と違うとか、こんな簡単な
ものではない、というものが多かったようですが、それは映画評
とは違いますし、「うつ」の症状や治癒の過程はその人の性格や
環境によって大きく異なるでしょうから、本質を見失った批判
だと思います。

それよりも「心の風邪」といわれ、ストレス社会の中で密かに
蔓延している「うつ」の知られざる基本形を正しく伝えることに
力点を置き、成功したことを評価したいです。

ツレの兄が見舞いにきて「がんばれ!」という言葉を連発する
シーンで、観客に不快に思わせただけでも映画として成功なの
ではないでしょうか?

映画では教会の同窓会のシーンがジーンときました。
「・・・病めるときも、これを慰め・・・」
今まで何度も聞き流してきた言葉ですが、このシーンのおかげで
忘れられない言葉になりました。
使い古された言葉で感動させる、なんて良い脚本でしょう!

まだ「ツレがうつになりまして。」が未体験の方は原作より
映画をおすすめします。

コメント
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