(原題:Matchstick Men)2003年作品。詐欺師の男が周囲の企みに翻弄される犯罪コメディで、監督がリドリー・スコットなので少し期待したものの、あまり面白くない。何より、詐欺師を主人公にした映画なのに、その手口が極めてみみっちいのだ。
立派に事務所を構えていながら、やることが「その日暮らしの寸借サギ」ではどう考えても間尺に合わないだろう。さらに痛いのは、映画の中盤で早々にネタが割れてしまうこと。二十代半ばのアリソン・ローマンが14歳の娘を演じていること自体、すでに結末がバレバレである。取って付けたようなエピローグもエクスキューズにしか思えない。ニコラス・ケイジ扮する主人公の造形も低レベル。潔癖性のヘビースモーカーなんて実際いるのかどうかは別としても、神経質を装ったチック症演技など、わざとらしくて見ていられない。
リドリー・スコットの演出は切れ味に欠け、テンポも悪い。清澄な映像にかろうじて彼らしさが認められる程度で、今回は製作総指揮のロバート・ゼメキスのテイスト(それも、調子の悪いときのゼメキス)が勝っているようだ。ジャズ風の音楽などスピルバーグの「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」との共通性を見出せるが、出来としては雲泥の差。どうにも気勢の上がらない映画である。
立派に事務所を構えていながら、やることが「その日暮らしの寸借サギ」ではどう考えても間尺に合わないだろう。さらに痛いのは、映画の中盤で早々にネタが割れてしまうこと。二十代半ばのアリソン・ローマンが14歳の娘を演じていること自体、すでに結末がバレバレである。取って付けたようなエピローグもエクスキューズにしか思えない。ニコラス・ケイジ扮する主人公の造形も低レベル。潔癖性のヘビースモーカーなんて実際いるのかどうかは別としても、神経質を装ったチック症演技など、わざとらしくて見ていられない。
リドリー・スコットの演出は切れ味に欠け、テンポも悪い。清澄な映像にかろうじて彼らしさが認められる程度で、今回は製作総指揮のロバート・ゼメキスのテイスト(それも、調子の悪いときのゼメキス)が勝っているようだ。ジャズ風の音楽などスピルバーグの「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」との共通性を見出せるが、出来としては雲泥の差。どうにも気勢の上がらない映画である。


