(原題:Ghost Rider )ニコラス・ケイジも随分とお手軽な映画に出たものだ。いくら原作のマーベル・コミックの大ファンだからといって、彼ぐらいのキャリアを積んでいる俳優が嬉々として出演するようなシャシンとは思えない(しかも、無理のある若作りで ^^;)。これは駆け出しの若手か、演技力はあるけど地味な中堅どころに振って良いようなネタである。とはいえ、それだけ本国では人気のあるキャラクターなのかもしれない。
17歳のときに病気の父親を救うために悪魔メフィストに魂を売り渡した主人公が、30歳を迎えて再び現れたメフィストから魂を売った代償として魔界の反逆者を始末するように命令される・・・・という筋書き自体が何やらピンと来ない。悪魔の親玉ならば若造のハネッ返り魔族など簡単に始末出来るように思えるのだが、わざわざ主人公に頼む理由が不明。そもそも、悪魔同士の内ゲバなぞ、人間界にとっては“どうでもいい”と感じるのだが・・・・。
昔のゴーストライダーが出てくる場面も、思わせぶりなモチーフの“契約書”とやらも、映画自体の面白さには何ら貢献せず、話を分かりにくくする素材でしかないのが辛い。要するに、脚本の練り上げなどまるでしておらず、おそらく“原作のファンなら分かるだろう”みたいなノリで作っている。
それでもまあ、ゴーストライダーがチェーン片手に火を吹きながらバイクを乗り回すあたりはヴィジュアル的には悪くない。ビルの屋上から見得を切りながら落下するショットは結構キマっている。監督はマーク・スティーヴン・ジョンソンなる人物だが、以前に「デアデビル」「エレクトラ」(私は両方とも未見)のような、まあ似たような題材を扱っている。こういうネタが好きなのだろうが、腕としてはC級だ。
ヒロイン役のエヴァ・メンデスは、けっこう“華”のあるラテン系美女で、今後も便利に使われていくのだろう。メフィスト役がピーター・フォンダだったのには、ちょっとビックリだが(^^;)。