元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「スター・ウォーズ フォースの覚醒」

2016-01-22 06:32:38 | 映画の感想(さ行)
 (原題:STAR WARS:THE FORCE AWAKENS )大して面白くもないが、欠点をあれこれと指摘するのも意味が無いように思う。この作品自体がひとつの“アトラクション”であり、映画としての出来を批評するようなシロモノではない。製作元がディズニーになったことも、そのことを裏付けている。

 前作「ジェダイの復讐」で帝国軍は壊滅したはずだが、その残党はファースト・オーダーと呼ばれる組織を立ち上げ、相も変わらず共和国軍やレジスタンスと戦闘を繰り広げていた。かつての帝国軍とのバトルで功績を残したルーク・スカイウォーカーは姿を消し、妹であるレイア・オーガナ将軍はレジスタンスを指揮してファースト・オーダーに立ち向かうと共に、兄の行方を捜索していた。



 そんな中、ルークの所在を示す地図を手に入れるため、レジスタンスのパイロットであるポー・ダメロンは惑星ジャクーを訪れるが、ファースト・オーダーの部隊は彼を追う。ポーはドロイドのBB-8に地図を託すが、その過程でレイとフィンという若者二人が物語に絡んでくる。

 ファースト・オーダーは帝国軍と違って重みも凄味もない。しかも、敵の首魁は軽量級に過ぎる。ファースト・オーダーの要塞はデス・スターの“改築版”みたいだし、若造二人は修業もしていないのに簡単にフォースを発動してしまう。それに、メカ自体も前作からあまり進歩しているとも思えない。

 昔馴染みのキャラクターも出てくるが、文字通りの“顔見世興行”であり、大したインパクトも無い。全体的にストーリーは深みも神秘性もなく、筋書きは平板に進んでいくのみだ。特殊効果は優れているが、大金を掛けているから当たり前で、何の驚きも無い。



 しかしながら、これが“(ゲーム化も見据えた)アトラクションのひとつ”だと割り切れば、あまり腹も立たない。私は通常の2D版で観たのだが、3Dや4DXで観たら遊園地感覚で楽しめるのだろう。J・J・エイブラムスの演出は可もなく不可も無し。ハリソン・フォードにマーク・ハミル、キャリー・フィッシャーといった面々には“久しぶりだ”というより“老けたなぁ”という印象が強い。デイジー・リドリーやジョン・ボヤーガ、アダム・ドライバーらの若手もいまいちパッとしない。

 ただし、数年後に続編が作られたらまた観ると思う。何のかんの言っても、SF映画を興業の柱に押し上げたのはこのシリーズであり、十代の頃にリアルタイムで初期の作品に胸を躍らせたのも確かなのだ。いわば本シリーズの新作に接することは単なる映画鑑賞ではなく、ひとつのイベントである。これからも付き合っていきたい。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「アトランティス」 | トップ | 「ホワイト・バッジ」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画の感想(さ行)」カテゴリの最新記事