元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「レイクサイドマーダーケース」

2005-11-27 10:01:58 | 映画の感想(ら行)
 東野圭吾のミステリー「レイクサイド」の映画化だが、プロット面はほとんど見るべきものがない。いくら登場人物たちが事件を必死で隠蔽しようとも、(主人公の「失態」を待つまでもなく)これではすぐにバレる。しかも、真犯人は中盤で察しが付いてしまう。

 そもそも“名門中学への受験準備のため、家族と塾講師が人里離れた湖畔の別荘で合宿する”という設定自体に無理がある。そこまでしなければ合格できない子供など、学校側は要らないのではないだろうか。“お受験”に疑問を抱きながら、結局そんな胡散臭い“合宿”に参加してしまう主人公も根性無しだ(笑)。

 しかし、観る価値はあると思う。問題を抱え、それでも世間体として“家族”を演じなければならない彼らの“心の闇”を、同じく少年少女を物語のキーポイントにした「EUREKA」の青山真治監督は容赦なく描き出そうとしている。それを活かすのが役所広司や薬師丸ひろ子、豊川悦司、柄本明といった出演者陣の怪演・熱演だ。一歩間違えば“セリフ過剰の舞台劇もどき”にしかならない題材を力業で観客の側に引き寄せており、観賞後の満足感は決して小さくはない。

 脇を固める鶴見辰吾、杉田かおる、黒田福美らも健闘しているが、個人的には主人公の若い愛人を演じる眞野裕子がエッチで良かった(笑)。

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