元・副会長のCinema Days

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「ビバリーヒルズ・コップ アクセル・フォーリー」

2024-08-04 06:34:26 | 映画の感想(は行)

 (原題:BEVERLY HILLS COP:AXEL F)2024年7月よりNetflixから配信。御存知エディ・マーフィ主演によるヒットシリーズの第4作。前回から30年の月日が経っているが、やっていることは相変わらずだ。違うことといえば、さすがに主人公は年を取って定年間近だということか。しかし、彼自身の体型が大きく変化したとか、やたら老け込んだということも無いので、けっこう安心して観ていられる。

 かつて高級住宅街ビバリーヒルズに勝手に“出張”して数々の難事件に挑んだデトロイト市警の名物刑事アクセル・フォーリーは、カリフォルニア州ロスアンジェルス郡にて弁護士を務めている娘のジェーンが直面している案件をフォローするために、今回も彼の地に乗り込んでくる。その一件とは、麻薬の密売に手を染める悪徳警官の罠にはまって窮地に陥ったアクセルの旧友ビリー・ローズウッドの弁護である。地元のマフィアと結託して私服を肥やすビバリーヒルズ署のケイドは、デトロイトからやってきた型破りな刑事をその娘ともども片付けようとするが、アクセルのポテンシャルは周囲の予想を超えていた。

 本作での主人公の相棒は、若手刑事でジェーンと良い仲になっているボビーだが、たちまちアクセルのペースに巻き込まれて無茶をやらかすのがおかしい。ビリーやジョン・タガートといった昔の仲間との交流に加え、妙齢の娘を持つ父親としての主人公の立場も描かれる。こういうドラマの基本線を押さえておけば、よっぽど脚本が破綻していない限り、それなりに楽しめるのだ。

 敵方の手口はエゲツないが、さほど新味は無い。アクセルが程度を知らない大暴れを見せるのも“お約束”だ。でも、こういった御膳立てのシリーズ物ならばそれで良いと思う。ヘタに変化球を組み入れると、失敗する可能性も出てくる。マーク・モロイの演出は取り立てて才気走ったところは無いが、派手なアクションシーンは難なくこなしているし、ドラマは停滞せずにスムーズに進む。

 マーフィ御大はいつも通り(笑)。ジャッジ・ラインホルドにジョン・アシュトンらの常連や、ジェーン役のテイラー・ペイジ、ボビーに扮するジョセフ・ゴードン=レヴィット、悪役のケヴィン・ベーコンら、無駄なキャストは見当たらない。特別に面白さを期待するようなシャシンではないが、活劇編の定番としての価値はあるだろう。
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