
(原題:In Time )つまらない映画だ。物語の設定だけは何やら面白そうだが、それが成立する前提条件が十分に語られていないばかりか、各モチーフも掘り下げ不足。加えて、芸のないストーリー展開が観る者を脱力させる。結局は何のために作ったのか分からない映画に成り果てており、観る価値はあまりない。
近未来、科学の進歩により人類は老化を克服し、全ての人間の成長は25歳でストップ、以降の余命は腕に表示される体内時計が示す時間によって設定されるようになる。そこでは余命が通貨代わりになり、富める者は半永久的な寿命を享受する一方、貧乏人は早々にくたばってしまうという残酷な世界だ。
貧民街に住む青年ウィルは、ある男から長大な時間を譲り受けたことから犯罪の容疑者として手配されてしまう。彼は真実を暴くために上層階級が住むエリアに侵入。そこで現状に不満を持っている大富豪の娘シルビアと出会い、行動を共にするようになる。
まず、この“余命のデータをやり取りする方法”というのが噴飯物だ。腕と腕とを絡めれば簡単にデータが行き来する。これではセキュリティも何もあったものではない。こんな状況では(富裕層エリアはともかく)下流ゾーンは完全な無法地帯に成り果てていてもおかしくないが、取りあえずは(縮小レベルながら)均衡を保っているのだから話にならない。
シルビアがウィルと意気投合するプロセスは説得力がなく、彼女の父が関与するシステムの仕掛けも説明不足。アンドリュー・ニコルの演出はキレもコクもなく、主人公達を追いかける当局側(タイムキーパー)やギャングといった連中を配していながら、スリルを盛り上げる活劇的な仕掛けもない。だいたい、いつ体内時計がゼロになるかといったサスペンスをいくらでも盛り込めるのに、何の工夫もなく敵役が次々と退場してしまうのには脱力してしまう。
おそらく作者は本作の設定を通して、富が一部の層に集中してしまった現代アメリカ社会を批判しているのだと思うが、語り口がヘタ過ぎるために風刺にも何にもなっていない。また予算不足のためか画面に奥行きが無く、所々に安っぽい部分が見えるのも愉快になれない。ついでに言えば、25歳を過ぎたような風体の者が散見されるのにもタメ息が出る(爆)。
ジャスティン・ティンバーレイクは可もなく不可もなし。一曲でも歌ってくれたらポイントが増えたかもしれない(笑)。ヒロイン役のアマンダ・セイフライド(正式な発音はサイフリッドらしい)は頑張っていたが、あのメイクと髪型は彼女に合っていない。とにかく気勢の上がらない活劇編であり、良かったのはコリーン・エイトウッドによる衣装デザインぐらいだ。
ものすごく、面白かったです。
シナリオの面白さは、「バックトゥザフューチャー」を見た時の衝撃にも似ています。
シルビアがなぜ、あんな考え方を持っていたのか。なぜ走れるのか。
など、つっこみどころはいくつかありますが、シナリオの展開は100点を上げたいです。
シルビア父子の関係、タイムキーパーの背負う過去が一言ですまされてしまっているのが残念と言えば残念です。
この映画を観る前に前売り券を買ったのですが、そのとき「景品」として付いてきたのが定期入れで、ICカード型の定期券を改札口でかざすとLEDが一瞬光るというシロモノでした。
まあ、チャチといえばチャチなのですが(笑)、今でも愛用しています。
それと、ヒロイン役のアマンダ・セイフライド(正式な発音はサイフリッドらしい)は、ミュージカル「レ・ミゼラブル」の映画化作品に出ているので、こっちも楽しみですね。
それでは、今後ともどうかよろしくお願いします。
お返事は期待していませんでした。
お忙しいのに、すみません。
「レ・ミゼラブル」は娘が大好きで、
毎晩、歌っています。
これからも、見た映画の感想を書き込んでしまうかもしれませんが、
お忙しい時のお返事は結構ですので、
お気遣いなく、お願いします。