Weblog喫茶 モンブラン

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石見神楽はケチャである、と思うの巻

2006-09-23 01:47:53 | 楽しいイベント

モンブランへご来店の皆様、こんばんは。
記事にするのがずいぶん遅くなってしまいましたが、先週の土曜日、築地でお寿司デビューをしたしゅんけいツインズ、ぱぴりおと一緒に今度は赤坂まで行き、アークヒルズで私と落ち合いました。

そこで先週末に開かれた秋祭りフェスティバルのイベントの一つ、「石見神楽(いわみかぐら)」を見るためです。

ぱぴりおの出身は、島根県の西にある益田市。「萩・石見空港」のある町です。
「石見神楽」は、ここでずっと受け継がれている伝統芸能のお神楽(おかぐら)です。
不思議と、あの出雲大社のある、島根県の東側にある出雲市には、お神楽はないのだそうです。

益田市は小さな街で、ぱぴりおの子供の頃は、お祭りになると益田市のあちこちの神社で、徹夜で(!)延々とお神楽が繰り広げられ、大人たちはお酒を飲みつつずっとそれを見ていたのだとか。
子供のぱぴりおも、遅くまでねばって見せてもらい、楽しんでいたようです。
お神楽の”お囃子”というんでしょうか、太鼓や横笛、金属のお皿を「チャンチキチャンチキ♪」と鳴らす賑やかなリズムは、ぱぴりおの基本のリズム感になったようです。

さて、しゅんけいは益田に遊びに行ったときに、すでに石見神楽を見たことがありましたが、私は今回初めて見ました。
今回のイベントでは、時間も限られているので、益田市でやっているような長いバージョンではなく、見所を集めて編集した「ダイジェスト版」。
3本の演目がありましたが、最後にはあの有名な「ヤマタノオロチ」のお神楽「大蛇(おろち)」が見られました。

大蛇にいけにえに捧げられようとする村娘と、年老いたその両親が、スサノオノミコトに大蛇退治をお願いします。左端がスサノオです。


そして花道というか、客席の間を通って、大蛇登場!
口に花火をしこんでいて、火花と煙を吹き、とぐろを巻きながらの登場です。
中に黒子さんが入っているんですよ。


大蛇は全部で4匹。ヤマタノオロチは8本の頭なのですが、地元益田市でも、登場は最大4匹までだそうです(解説者・ぱぴりお談)。スペースの都合でしょうか。
舞台狭しとのたうつ4匹の大蛇。
お囃子もぐんと賑やかになり、舞台は白熱してきます。


4匹がくねくねとからみあったり、


こんな見事なとぐろ巻きを披露して、迫力満点。
お客さんも大拍手です。ガイジンさんたちも「Oh!!」と言ってました。


ヤマタノオロチというと、8つの頭にお酒を飲ませて酔っ払わせるシーンが有名で、ぱぴりおいわく、お神楽でもそこが面白いのだそうですが、ダイジェスト版ということでそこは省略。
スサノオが次々と大蛇の一匹ずつと対決。
大きな刀で勇ましく、首を切り落としてしまいます。


最後の一匹もやっつけて、皆拍手喝采。
村娘親子の感謝を受けて、スサノオは天に向かって刀を捧げてうやうやしく礼をし、めでたしめでたし・・・というわけでした。

初めて石見神楽を見ましたが、その神話の呪術的な世界と、極彩色の衣装と仮面、賑やかに繰り広げられるお囃子のリズムに、バリ島の「ケチャ」と似ているな・・・と思いました。
どちらも、善の神と悪の魔物や神との戦いで、人間はただおろおろと傍観するばかり。
世界の主人公は神々であり、人間はただちょっと間借りさせてもらっているだけなんだよ・・・とでもいうような、古代の人々の謙虚な世界観が感じられるような気がしました。

お神楽の舞いや立ち回りも大変上手で、夢中になって見てしまいました。
いつか、フルバージョンの「大蛇」を見てみたいものですねー。