旧勤務先で販売した車両や、整備したことのある車両が、オーナーが変わりあらためて入庫することがたまにあります。ただ、オーナーが変わると、そのたびに部品交換や他店で整備されることもあるので、以前見た状態とは変わっていることが多いです。
旧勤務先でコンプリート販売された車両(最終型ベース)です。コンディションレベルチェックパックと部品交換でお預かりです。外装を外して点検から始めます
前後タイヤは、ダンロップですが、摩耗していることと、製造後7年ほど経過しているので、交換した方が良いです。
前後ヘッドカバーガスケットからオイルが滲んでいます。垂れてくるようになったら交換した方が良いです。
新車時のリアサスかと思いますがバンプラバーが劣化しているので、オイルもへたっていると思います。
前後キャリパーは、要清掃です。また、交換するほどではないですが、パッド残量が前後とも少ないです。
リアフレーム補強キットが装着されていたはずですが、外されたようです。
クーラントは、エンジンオイル混入や漏れ等は無さそうです。交換時期不明です。
エアクリーナーは、K&N製ですが清掃した方が良いと思います。ダイヤフラムは、作動不良や回転は見られないので、平気そうです。
スパークプラグは、NGK製JR8Cでしたが、錆や劣化があったので、新品交換しました。プラグキャップは新車時の部品ですので防水性があまりないです。
フロントフォークのオイルシールは平気そうです。
ダストシールもヒビはみられないので、平気そうです。
ガソリンタンクは、錆び取りの処理を行ったようですが、、少錆び有ます。エンジンオイル、ギアオイル交換中です。オイルフィルターは交換しませんが、ヤマハ純正でした。
純正加工マフラーでしたが、消音パイプを入れたままにするということなので、キャブレターの状態とメインジェットの番手チェックです。2番気筒のキャブレターのフロート室からガソリンが漏れていたので、ガスケットを交換しました。また、ドレンボルト部からガソリンが滲んでいましたので、Oリング交換しました。メインジェット類は、標準に戻っていましたが、キャブレターの連結を外して交換したようで、水平が狂っていましたので、連結を直して、点検、調整と同調を行いました。
社外品のMFバッテリーが装着されていましたが、測定結果が良くないので、とりあえず補充電しておきました。
エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は、平気そうです。
エンジン始動後のオイルレベルです。
フロントフォークですが、エア圧が0でしたので、規定値の0.4にしました。また、左右で高さが違いましたので、合わせておきました。
2番気筒(左前)のエキパイが結構凹んでいます。タイヤ交換時かと思いますが、ステムベアリングのカバーが変形していました。恐らくフロンントタイヤを外す際に、ロープを掛けそこなったのだと思います。ステムベアリングは、少し引っかかりがでています。
各フルード類は交換時期不明ですが、クラッチフルードの状態を見ると、半年から1年は交換していないように思います。
今回交換した部品類です。使っていなかったスイッチを外し、お持込のUSB電源ソケットを装着し、無理やりついていた電圧計を付け直し、ウインカーリレーを交換してスイッチを付け、ハザードを使えるようにしました。インジケーターの配線も加工しました。ETCですが、本体は、タンデムシート下からエアクリーナーボックス後方に移動しました。アンテナとインジケーターも移動しました。
最終チェックと試乗です。走行距離が2万5千キロほどでしたので、それほど劣化はしていませんが、消耗部品、特にゴム類は要交換です。また、整備も行った方が良いと思います。ただ、状態は悪くないので、劣化した部品を交換し、整備しなおせばもっと良くなると思います。納車可能ですので、よろしくお願いいたします。
2020.10.16 作業担当 ヤダ(矢田)