AD際族

コロナ共存の広告表現の近未来観

企業ブランディングの崩壊⑸

2019-11-29 14:21:56 | 今そこにあるメディアのリスク


アメリカ全体が抗議したRam TrucksのCM。
全米で1番盛り上がるイベントとも言われている、スーパーボウルは、テレビ中継の視聴者も多く、企業は高いお金をかけて広告を出しています。凡そオンエアで4億から5億という篦棒な媒体費です。自動車メーカー「Ram Trucks」もまた、そのひとつ。今回は、キング牧師の暗殺50年目の節目の年で更なる好評価をえたかったのでしょう。

This Ram Super Bowl ad featuring MLK sparks outrage




しかしそのCMを観た多くの人が、批判的なコメントを残しています。動画がアップロードされているYouTubeチャンネルでは、「高く評価する」よりも、2倍近く「低く評価する」のボタンが押されているほどでした。
その理由は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(キング牧師)
間違った内容で引用された事です。

Ram Truck MLK Super Bowl Ad Draws Criticism




「キング牧師のスピーチ」
「Ram Trucks」は、半世紀前の2月4日に行われたスピーチを引用し、トラックの映像を組み合わせて、購入を促すようなCMを制作しました。
あたかも、キング牧師が車を買うことをすすめているかのように。
独唱しているような口調と力強い声、ユニークな言い回しには、やはり心に刻まれるようなインパクトがあります。しかし、彼は同じスピーチの他のパートで、このように広告について語っています。
「品のあるジェントルマンになるには、ウイスキーを飲まなければいけない。近所の人を羨ましがらせるには、特定の車を運転しなければいけない。誰かに愛される存在になりたければ、口紅と香水が必要になる。だけど、覚えておいてほしい。ただのモノを買っているにすぎないと。これこそが、広告主たちが使っている手法なのです」
これは“経済格差に対する想い”を語ったスピーチとしても知られています。彼は、周りに影響されて何かを買うのはやめようという旨を、伝えたかったようです。つまり、どちらかといえば、車の購入には否定的でした。
アメリカでは、「Martin Luther King Jr. Day」といわれる1月15日や「Black History Month」である2月に合わせて、人種差別やキング牧師についての特別講義が行われます。たくさんの人の頭の中に、彼のメッセージが残っていたからこそ、アメリカ中がこのCMに対する異論をとなえているのでしょう。
日本でも賛否があるかもしれません。アメリカでは、なおさらです。だけど、暗殺される前日のスピーチで、キング牧師はこう力強く語りました。
「どこかで読んだ、集会の自由があると。どこかで読んだ、言論の自由があると。どこかで読んだ、報道の自由があると。
そして、どこかで読んだのです。アメリカの偉大さは権利のために抗議ができる権利があることだと」
「みなさんと一緒にたどり着くのは難しいかもしれない。だけど、知っておいてほしい。私たちは、ひとつの民として、必ず約束の地に到達するということを」
アメリカに暮らす多くの人が、第三者ではなく当事者として、内容に誤りがあると自分で考え、たった1つのCMに抗議をした。今のアメリカは、“偉大な力”を使い、“約束の地”へと近づいているのかもしれません。(https://news.livedoor.com/article/detail/14263511/より一部引用させて頂きました。)



キング牧師が暗殺された2ヶ月後の6月 一人の大統領候補も暗殺されたのです。



JFKの弟ロバートケネディでした。この年 米国は二つの希望の星を失ったと言えましょう。そして泥沼のベトナム戦争へと踏み込んだのです。


SNSの炎上は今、この国の民主主義の根幹を揺るがす「桜」一色となってしまいました。



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