秘薬
今、目の前には得体の知れない壜が一本ある。
卑近な例でいうなら、麦茶の様な液体で満たされたそれは得も言われぬ香りを放つ。
グラスの内にある氷に注がれたそれは、さらなる香気を醸しだした。
はい、なんのこっちゃわかりません。出鱈目です。呑んでません。これから呑む。
夜勤明け、祝日なだけなら、市内の例の酒屋は開いているだろうそう思い、
市内の繁華街で下車。時間は10時40分。曇り勝ちな天気だった。
実は、ヘッドセットを不慮の事故でぶち壊してしまったので、買いに行くつもりもあり、
ヨドバシカメラに向かうことにした。なんせ酒屋は駅からさらに離れている。
しばし悩んで、壊れたのと同じものを買った。声を吹き込むかは別として、
ヘッドフォンとして丁度よかった、とはいえないが、比較的安い。
そして腹ごしらえ。してから思ったが、しないほうがよかった。もう遅いが。
最近、ちと食べ過ぎると気持ちが悪くなるので飲みすぎて吐く、の次に不快。
さて、例の酒屋にお目当ての品を探しに行く。店も勿論営業中。
以前、父の日に実家へ送りつけた酒がある。それを買うのだ。
お盆に帰省したとき、まだ残っているかと思ったら、母親曰く
「あっという間に呑んだ」そうで、すぐになくなったそうだ。
残念だ。実に残念極まる。何故なら、経年劣化により、封が破れかかっていたり
またコルクとの隙間が広がったせいで中身が染み出すといった状況が起こる酒で、
行き当たりばったりで選ぶと後悔する可能性が高いからだ。
(呑んだくれの店主が選んでくれるが)
以前にも紹介したこれだ。
右のほう。左は関係ない。
12年でありながら、倉庫で放置されていて美味くなった(と謳われている)。
実質30年もの(と謳われている)である。
30年ものなんぞ香りもかいだ事がない貧乏人にわかるのかといわれても、
わからないと答えるしかない。呑んでしまえば同じだ。酔うのだから。
しかし、二度目となるこれのロックを傾けながら感じたことは、
紛れもなくしっかりと熟成されたウヰスキーである、ということだった。
経験上、熟成の足りないものやいわゆる安物で感じることは、
同じアルコール濃度でも口当たりに大きな差が出るということだ。
要するに安物は薬くさい。これも以前にいったか知らないが、そういう風味を
個性としているスコッチもあることはある。呑んだことはない。
もしあなたに余裕があるのなら、手軽に手に入る「角瓶」と「山崎」を比べて欲しい。
同じメーカーでありながら同じものとは思えないと感じるかもしれない。ブランドが!!
感じないかもしれないが、それは知ったことではないので、無理に試さないで欲しい。
個人差がある。臭気に中てられるだけで酩酊する可能性もありえる。
酒を呑みながらゲームしている阿呆もいる。わしのことではきっとない。
神憑りの境地なら酒呑みながらゲーム作るといわれる人もいる。いや妖怪だろう。
以前冗談で「安さんの部屋は柔らかい白い壁とベッドだけ」といわれたので、
「では教育してやろう 本当の狂人の生活というものを」と考えて、
部屋にある(何故存在するかはデカルトに訊け)数点ほどの資料の引用をしよう、
そう考えたが、もうそう考える時点でどうかしているのでここにこう記すだけでよい。
非常に当て擦りだ難癖だ!罵倒せずには暮らせないのが呑んだくれ。許されない。
であるからして、野良犬にかまれたと思って保健所に電話してください。以上。
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