ウヰスキーのある風景

読む前に呑む

月夜

2010-10-17 | 雑記
昨日、たまたま目に付いたニュースを見ていたら、ツキノワグマが各地で出没、人を襲ったり小学校に引きこもったりしたそうな。

襲われた、という割には後ろから突き倒されて膝に怪我を負った程度のおばあちゃんがいたりと、熊のやることはよくわからない。


さて、そんなことが念頭にあったのか、今日も帰り道を歩き始めて思ったのが「たまにはハンバーガーでも食べるか、モスで」だった。マクドナルドではないのは、単なるつむじ曲がりである。ここはその念頭がまったく関係ない。

寄り道具合によって、いつも歩く道は変わるが、ほぼ同じになる。その、最初がどうあれいずれ合流する通りまで来たときのことだった。

然る焼肉屋の隣に、日本家屋の佇まいの蕎麦屋らしいのがある。蕎麦屋らしい、とは入り口の見本を見てわかったことだったが、前から飲食店が新しく出来ていたな、という程度の認識で、いつも一瞥だけだった。

名を「三日月庵」という。レシートを確認したので間違いない。


店員は三名ほど。昼限定だったか、オススメの定食がある。席に着くと言ってきた。外の黒板で見たよ、とは言わない。黒板には三種類ほど書かれていたが、気のせいということにしておく。店員が勧めてきたのは、その黒板の一番上に書かれていたものだった。

というわけで、そのオススメの鮪山掛け丼セットを頼むことにした。蕎麦屋でありながら、うどんも出来ますという。蕎麦屋なのに、とつい思ってしまうが、蕎麦にした。富士そばでもうどんを売っているが、ならば讃岐うどん屋でそばを売ろうじゃないか、とはならないだろうな。

ふらっと立ち寄った飯屋で一人で飯を食う、というのはなんだかあるマンガを思い出す。

穴子の一本丸揚げ!そういうのもあるのか! このわざとらしい関西風出汁! 

穴子のなんとかは、後から来た中年夫婦の女性が頼んでいた。入り口でも見たが、飯のつもりだったのでパスしたが、上のセリフを思いついてしまった。

蕎麦は掛け蕎麦にした。外は曇りがちで、暑くもないがかといって上着を着て歩くとちと汗が出そうな気配。蕎麦本来の味を楽しむには盛り蕎麦が一番だが、細かいことはよい。外の黒板によると、産地に拘っていることが窺える。

で、上記の妙なセリフになる。醤油の色が薄い、出汁が利いている関西風だと感じたが、果てさて、比較対象は富士そばくらいしかないが、富士そばはもっと濃い醤油の色と味だったので、関西風だと思った次第。


関西と関東で出汁が違う、というのは聞いたことがあるかもしれない。主な原因は水にあるそうだ。

関西の水はミネラル分が少ない、軟水と呼ばれるもので、出汁が取り易い。取り易い、ということは余計な味をつける必要がない、ということになり、出汁が重視されることになったわけだ。

関東の水は、社会科の時間などで聞いたことがある言葉、「関東ローム層」というのがある。これは火山灰が積もった地層で、ここを通った水は比較的ミネラル分の多い水になる。日本の水は全体的に軟水といえばそうなのだが、関東のは関西と比べれば硬水だといえる。
比較的出汁が取り辛い水だそうで、結果、濃い味付けをすることになる。関西風と関東風の出汁の違いのルーツはこういったところにあるといわれている。

で、なんの話だったか思い出せないが、蕎麦の感じは悪くなかったと思う。次回があれば蕎麦を頼んでみたい。

だがしかし、何か物足りない、というのを出来上がるまでに感じていたので、ついお酒を頼んでしまったのだった。

「清泉」という、新潟のお酒のようだった。ようだった、というのは壜の書き込みを曖昧にしか覚えてこなかったからだ。

流石に、昼飯を食べるのと同時にぐいぐいやると、ちと廻るのが早いかと感じた。覚ます時間はたっぷりあるので気にしない。


さて、帰り道。以前見つけたフランス菓子の店を探してみたのだが、さっぱりわからない。あきらめて家に向かっている途中、ようやく思い出したが、かなり通り過ぎていたので次に思い出したら、ということにした。
では、また。