当方、池波小説については、これまで再三にわたって書きしるしてきた。先日読み終えた短編小説群、その後段の解説に・・・なるほど、これは共感できる話。
と、いたく感心したことが書き込まれていた。
ちなみにその解説は佐藤隆介氏であり、同氏も池波小説の大ファン。いつも素晴らしい解説をなさっている。
人は小説をなぜ読むのか、何に共感を覚えるのか、凡庸な当方がいつも思っていたことが的確に記載されており、是が非でもここに紹介しておきたい。
「ところで、そもそも何のために人は小説を読むのだろうか。結局それは、『われわれ自身に与えられた人生は、ただ1回しかない・・・・』
からだと作者・池波正太郎が別の一著の中でいっている。その1回きりの人生をどう生きようと、それは人それぞれの勝手なわけだが、同じ一度だけの人生ならできる限り充実した多彩なものでありたい。ドラマチックな興奮に満ちたものでありたい。そう思えばこそ人は小説を読むのである。
すぐれた小説の中で、われわれはあらゆる時代、あらゆる社会の人間と出会う。そういう人間たちの、自分のものとはまったく別の人生をわがものとして追体験できるということ。これこそ小説を読むということの値打ちではあるまいか。逆にいえば、もう一つ別の人生を経験することができないような小説なら、そんなものは小説と呼ぶ値打ちすらないということである。
ほんとうにすぐれた小説、即(すなわ)ち、そこに動かしがたい人生の真実がある小説は、われわれ自身の人生を何倍にも増幅する力を持っている。池波正太郎の作品の価値はまさにその点にある」
(出典:「上意討ち」解説 抜粋)
池波小説群、いえ池波文学に対する実に最高の解説である。後段の解説をじっくりと読むことも、著者を知る上でもとても嬉しいこと。(夫)
(「上意討ち」他10篇収録の短編集)
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と、いたく感心したことが書き込まれていた。
ちなみにその解説は佐藤隆介氏であり、同氏も池波小説の大ファン。いつも素晴らしい解説をなさっている。
人は小説をなぜ読むのか、何に共感を覚えるのか、凡庸な当方がいつも思っていたことが的確に記載されており、是が非でもここに紹介しておきたい。
「ところで、そもそも何のために人は小説を読むのだろうか。結局それは、『われわれ自身に与えられた人生は、ただ1回しかない・・・・』
からだと作者・池波正太郎が別の一著の中でいっている。その1回きりの人生をどう生きようと、それは人それぞれの勝手なわけだが、同じ一度だけの人生ならできる限り充実した多彩なものでありたい。ドラマチックな興奮に満ちたものでありたい。そう思えばこそ人は小説を読むのである。
すぐれた小説の中で、われわれはあらゆる時代、あらゆる社会の人間と出会う。そういう人間たちの、自分のものとはまったく別の人生をわがものとして追体験できるということ。これこそ小説を読むということの値打ちではあるまいか。逆にいえば、もう一つ別の人生を経験することができないような小説なら、そんなものは小説と呼ぶ値打ちすらないということである。
ほんとうにすぐれた小説、即(すなわ)ち、そこに動かしがたい人生の真実がある小説は、われわれ自身の人生を何倍にも増幅する力を持っている。池波正太郎の作品の価値はまさにその点にある」
(出典:「上意討ち」解説 抜粋)
池波小説群、いえ池波文学に対する実に最高の解説である。後段の解説をじっくりと読むことも、著者を知る上でもとても嬉しいこと。(夫)
(「上意討ち」他10篇収録の短編集)
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