で、その2冊の線形代数の少し特異的な解説書を見て見ました。特色があって面白い箇所はあります。ううむ、しかし私からすると補空間というよりは群論の商群の見方が欲しかったので速読してしまいました。後で読み直したら有用かも。
などと言っていたら、犬も歩けば棒に当たるというか、計算機科学から見た線形代数の本を最近買ったのに気付きました。表題が普通の線形代数の本に見えるので損していると思います。
そういえば、以前買ったデジタル信号処理の古典をまとめた本も、内容の想像が付かないような題名が付いていました。数値計算向けの技術書は、ストレートにそう言って欲しいです。ちょっと学術的に扱って欲しかったのかと想像します。
数学としても、純粋な体では無く、現実の浮動小数点演算は環のような何か、として扱った方が良いような気が私には思えますから、検討に値する、というか20世紀初頭あたりのまだコンピュータが無かった時代にも、それっぽい古典がいくつかあると思います。
その計算機科学から見た線形代数の本にもジョルダン標準形の話が出ていて、線形代数の最高峰と言われる「ジョルダン分解」などと前書きに書いてあります。どおりで難解だった訳です。そこに至るまでにかなりの分量があるので、感想は少なくとも数日後になる予定です。
手元の電子辞書に入っている百科事典の解説ではジョルダン標準形は、(変換行列が)いちばん簡潔に求められる方法、と書かれていたので油断していました。