がちの数学書です。某我が国トップの大学の数学講義の記録らしいです。理学部数学科の大学院生が、うんこらせと読む本みたいです。ええ、もちろん私はほとんど分かりません。なのでええと、どこから説明して良いものやら。
内容は、我々がすぐ目の前にしている平坦な三次元空間、ユークリッド空間、とは異なる、至る所ガウス曲率1の世界と、至る所ガウス曲率-1の空間の話です。非ユークリッド空間?、その通りです。
なのですが、この本は表現論の話とされていて、具体的な空間の対象を話題にしているみたいです。数学ですから、具体的な面の方程式が出てきて、どうやらそれが具体例らしい。至る所ガウス曲率1は球面らしく、普通の三角関数が出てきます。地球表面を想像すれば良いでしょう。
ところで、至る所ガウス曲率1だったら必ず球面なのかは関心のあるところですが、私には読み取れませんでした。30年ほど前に同じ質問を別のトップクラス大学の数学科の大学院生に質問しましたが、うーん、とうなっただけで返事はありませんでした。
至る所ガウス曲率-1は双曲面になるようです。だから具体的な数式には双曲線関数が出てきます。どこで役立つかというと、特殊相対性理論の光円錐を想起すれば良いです。
もっとも、この空間は我々の想像を遙かに超えた空間です。その昔、日経サイエンスの論文に出ていた言葉を借りると、元の点から曲率半径ほど離れてしまったら、二度と元の位置に帰れない、と表現されていました。原点から離れると指数関数的に空間が広がるのです。意地悪いことに、この空間ではどこでも事情は同じ。エッシャーの絵にこれを表現したものがあるので、探してみると面白いでしょう。球面の反対です。
だから私みたいに数ページ読んで、こりゃいかん、と思った方は巻末のお弟子さんによる解説をそそくさと読んだ方が良いです(著者はすでに鬼籍に入られた方)。233ページに分かりやすい図が出てきます。その付近にも大学(院では無い)最初の線形代数を知っていたら、ああこれこれ、の解説が出てきます。
ただし、この本を当ブログで紹介した理由はとあるお弟子さんによるコラムの記述にあります。引用しますと、
「定理は証明できるが定理の条件を満たす例を1つも知らないという、冗談のような本当の話もよく耳にします。」
ですと。やっぱりそうだったのかー、と私と同じ感想を持たれる方も多いのでは無いかと想像します。
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