まったり アイマス2

アイドルマスター2 超ライトユーザーのプレイ日記

2547. 三重被覆、続き

2018年11月15日 | 日記

 トポロジー(位相幾何学)はゴム膜の幾何学と呼ばれることがあります。連続的に変形しても失われない性質を研究する数学の分野。オイラー標数が有名です。
 ところが、図形の接続だけに注目するので、直感に反して切ったり貼ったりしたり、あるいは自己交差が許されます。

 切ったり貼ったりの方の例は球面を裏返したものが同相。例えばゴムまりを三次元空間内でそのまま裏返すことはできません。裏返すには少し切って(思考上の)ファスナーを付け閉じると表が外側の球面。ファスナーを開いて、袋をひっくり返して再び閉じると裏が外側の球面。これを同一の図形とみなします。
 自己交差はクラインの壺が有名と思います。検索するとすぐに出て来るはずですので、姿を確認してみてください。
 まあ、ここまでは何とか了承してください。そういう数学上の約束なのです。

 ところで、30年ほど前に自己交差を許せば連続写像で球面が3次元空間内でひっくり返ってしまうと言う、腰が抜けるような結果が得られました。ものすごく複雑な折り返し方をします。つまり上述のファスナーは不要、ということ。
 だったら、切り貼りと自己交差(高次元での展開)が同等の能力があるのかどうかが気になりますけど、私、最近数冊のトポロジーの本を読みましたが、この手の解説はありません。あるいは記述されていても分からなかったか、のいずれかです。現在の標準的見解はどうなっているのかな?。

 普通の三次元空間内の球面の裏同士をうまくくっつけて行くと射影平面と呼ばれる単側の図形ができあがります。うまく、と言うところがミソで、普通にやったのではくっつきは完成しません。トポロジー的にくっつけて行きます。射影平面はメビウスの帯の縁に円盤をくっつけてできる、閉じた面です。通常の三次元空間内では自己交差します。この操作が二重被覆です。

 じゃあ、三重被覆の例もあるのではないか、と探した結果が前項の3重正四面体です。写真では切り口をお見せしました。閉じるには自己交差が必要なはずです。こちらは、球面を三重被覆させたら球面になってしまうことに注目です。被覆前も被覆後も裏表があります。

 ちなみに、メビウスの帯ではなく、もっと球対称的な二重被覆の例はあるのかというと、ローマ曲面がそれです。球面の素直な二重被覆の図形…、のはず。私の数学力では具体的な途中の操作は未完成です。
 ローマ曲面は曲面ですけど、同じ接続を正多角形で構成したのが四面半六面体と呼ばれる立体図形です。検索すると姿が出てきます。自己交差しているので分かりにくいですが、正三角形が4つ、正方形が3つで構成されています。単側の図形で、射影平面と同相です。
 同相であることを確かめるには展開図を書きます。正三角形を中心に置いて、各辺の外側に正方形を(3つ)置き、それぞれの正方形の中心から見て右側(または左側のどちらか)の辺に正三角形(を一つずつ、計3個)を置きます。トポロジーをある程度知っている方なら、あっと声を上げるくらいに射影平面しています。二重被覆を解いて球面にするには、鏡像のもう一組の展開図を作り、裏同士で貼り合わせます。少し剥がすと球面になります。展開図でやるとまずまず明白(立方八面体みたいにするのでコツが必要)ですが、四面半六面体に組み立てたままでも剥がすことができます(自己交差しているので、現実の折り紙では無理で、CGでしか表現できません)。

 なぜこんなことを考えたのかの解説を予定していましたが、駄文になりそうなので今回はパス。電子のスピン(上下)とかクォークの3色の解釈に役立つと考えました。特に後者はすっきりした解説を目にしたことがないからです。3重正四面体の方でクォーク(3色)を結んでいるグルーオン(8種)が自然に出てきたら満点でしたが、現時点では頂点(4つ)+底面(4つ)などと無理矢理解釈しないといけないので減点です。


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