と書いてはみたものの、30年以上前のことですからうろ覚えの部分があって、細部は適当に今の想像で補っていたりしますから引用はくれぐれもご注意ください。
もう一つのアナログコンピュータは別の大学の教室で見た簡易なもので、出力はX-Yプロッタだけでした。こちらは純粋に研究用途のようでした。
X-Yプロッタは現在も現役で、多分、描画以外に紙の切り抜きなどに使われていると思います。当時でもありふれた装置で、たとえばNEC PC-6001の周辺機器の一つに4色ポールペンの簡易XYプロッタがあったと思います。結構遊べたと思います。
オシロスコープの方は今はすっかりデジタルになってしまったと思います。PCにUSBで接続して表示させるものもあったか。
もしもアナログタイプ、つまりブラウン管タイプのオシロスコープを大学などで見つけたら、ぜひ稼働させてみてください。表示も興味を引くと思いますし、実用装置なのでつまみ類の配置などが感動的です。
ちなみに高校時代だったか、なぜか理科室にメモリスコープと言うのがあって、仲間と操作していたら教師から、それ寿命があるから遊ぶのもほどほどに、と注意されてしまいました。今のデジタルオシロスコープだとそんな注意は来ないと思います。
非線形計画法はweb検索しても簡易な説明しか出てこないようです。さすがに私の職業上からはかなり遠くて、深く追求したことはありません。しかし、これを知っていないとコンピュータによる微分方程式の解法で困難にぶつかったときにどうしようも無くなると思います。つまり、簡単な知識は覚えておくと吉(ある日突然役立つ)、ということ。
私のささやかな経験では、最急降下法と(非線形解析の)単体法を覚えておけば何とかなると思います。
ここで解決すべき問題は、観測点の数値から構成された天気図の、高気圧と低気圧の中心位置を求める問題と想像すれば良いです。この場合は2次元ですが、当然、3次元以上のn-1次元の等高面等でも応用できるはずです。
最急降下法はとりあえず勾配の最もきつい方向に少しずつ進むことです。等高線のような地形なら、水滴を垂らしてそれが行く方向に進むと思えば良いです。もちろん低気圧の中心に溜まる、と想像できます。
ですが、相手は非線形関数ですから、近くのくぼみに行くとは限りません。地形によってはなんだか遠くの全く意図しないくぼみに流れ込んだりしそうです。あるいはちょっとしたくぼみに引っかかってしまって、すぐ隣にある深いくぼみを見逃してしまうとか。
単体法は有名な線形計画法の単体法とは全く異なり、平面だと三角形の頂点の計算値を元にその中に解があると解釈できれば三角形を縮めて、外に解があると解釈できればその方向に三角形の頂点の一つを伸ばす方法です。この説明だけだとアルゴリズムが作れないと思いますので、web検索するなら「ネルダー–ミード法」を参照してみてください。
その三角形の動きは単細胞生物のアメーバを想像させると思っていましたが、案の定というかアメーバ法とも呼ばれるそうで、英語版のwikipediaにその数学的アメーバが動く様子が出ています。
これらはいずれも未知の関数の解を探す方法で、アナログコンピュータの場合は、その関数が2階以上の常微分方程式になっている場合です。積分の知識がある方は分かると思いますが、その関数は必ずしも解析的(n次有理関数)にはならず、それどころかsin/cosの初等関数からも外れてしまい、数学辞典のその他関数に簡単になってしまいます。
ですから数値計算、コンピュータが必要となり、アナログコンピュータの出番です。
すみません、アナログコンピュータ本体の説明にまるでなっていないので、多分続きます。