写真紀行

日々の風景と将来に残したい風景を求めて

東叡山寛永寺を歩く

2014-09-25 13:07:13 | 歴史散歩

東叡山寛永寺
寛永2年(1625)、徳川家康、秀忠、家光の三代にわたる将軍の帰依をうけた天海僧上が幕府の安泰を祈願する為、江戸城の鬼門(東北)に当たる上野の地に寛永寺を建立しました、天台宗宗祖最澄が京都御所の鬼門となる比叡山に延暦寺を開き朝廷の安穏を祈った事にならったもので、東の比叡山と言う事で山号を東叡山とし、創建時の元号を使うことを勅許され寛永寺と命名されました。
不忍池を琵琶湖に、中の島を琵琶湖の竹生島に見立て、島にある宝厳寺を模して辯天堂を建立しています。


                 
                                                                    幕末の寛永寺(東都下谷絵図)より

              
                                                   葛飾北斎の東叡山中堂之図(1) 

             
                                                 葛飾北斎の東叡山中堂之図(2)
辯天堂
不忍池の中に造られた中の島に建てられている、本尊は琵琶湖の竹生島にある宝厳寺から勧請された「八臂大辯財天」です



              
                            不忍池碑                                           大黒天堂


              
                                                           辯天堂(昭和33年に再建)


              
                                  辯天堂正面                            辯天堂舞台から見た参道


              
                                              辯天堂は一直線に清水観音堂につながっていた


                 
                                          辯天堂参道から見た清水観音堂


              
                不忍池は、この時期は蓮の葉で覆われていた                            裏から見た辯天堂


清水観音堂
京都東山にある清水寺と同じ舞台づくりで建てられている、寛永8年(1631)建立(重文)

 
       
        

        


              


江戸の名所を描いた歌川広重の「名所江戸八景」に「上野清水堂不忍ノ池」として描かれてた「月の松」は明治初期の台風で消失しているが、150年振りに観光用として復活しました。
    

                     
                        「上野清水堂不忍ノ池」                              「月の松」二世  

「時の鐘」
芭蕉が「花の雲 鐘は上野か浅草か」と詠んだのがこの鐘です、江戸時代初期は江戸城内で鐘をついていたが、町が拡大するのに伴って日本橋石町(現在の小伝馬町)に移された「時の鐘」は、その後、上野、浅草、市谷八幡など数か所に増設され、江戸の町に時を告げました。


                       
                                        上野精養軒の入口にある「時の鐘」
 

                  
             佐久間大膳寄贈した高さ6.8mのお化け灯篭                                    輪王殿

                  
                       天海僧上と、その師の慈恵大師良源大僧正を祀る開山堂 
                                                                    


上野東照宮
徳川幕府の基礎を築き、秀忠に将軍職を譲って駿府に隠居していた家康が、末期を迎えた際に病床に信任の厚かった天海僧上と伊勢津藩主藤堂高虎を招き、「自分の魂が末永く鎮まる所を造って欲しい」と遺言、寛永4年(1627)に藤堂家の敷地があった上野に社を造営、寛永23年(1646)に家康を神格化した「東照宮」の称号が朝廷から与えられています、現在の建物は三代将軍家光が慶安4年(1651)に華麗な建物に建て替えて東叡山寛永寺の一部となりました。
東照宮はその後も震災、戦災による被害を受けることなく、江戸時代の姿を現在に残しています。


          
       備前の御影石で造った大石鳥居、酒井忠世が奉納(重文)                                        水舎門                            



             
                                                           参道、左右に200基以上の石灯篭が並ぶ                    
                                                                               


           
                                  参拝客(観光客)には意外と外人の姿が多い


              
                                                         唐門、奥が社殿


             
                                      1651年に造られた唐門(重文)     
    

               
                               菱格子の塀で中が見える透塀、1651年建築(重文)


             



             


唐門
総金箔の門、両側上部にある透彫は室町桃山時代の粋の集大成と言われる、柱の内側四額面には日光東照宮の「眠り猫」で有名な左甚五郎の「昇り龍・降り龍」の彫刻がある


             



             

      

             



                  

社殿
拝殿、弊殿、本殿から構成されている権現造りの社殿、1651年に建築(重文)

  
              
                      


              
              
              
大楠
樹齢600年以上と言われるご神木、幹の太さは8m以上あるそうです
          
 
         


  

       
                                           寛永16年(1639)に建てられた寛永寺五重塔(重文)


根本中堂
元禄11年(1698)、現在の上野公園大噴水の辺りに建立された寛永寺の核となる建造物であったが、慶応4年(1868)の官軍と彰義隊による上野の戦いの際に焼失しています、現在の根本中堂は明治12年に川越喜多院の本地堂を移築、再建したものです。

    
              


              


              
                                                                         鐘楼


                      


              

寛永寺は芝の増上寺と共に徳川将軍家の菩提寺です、四代家綱、五代綱吉、八代吉宗、十代家治、十一代家斉、十三代家定の各公の廟がありましたが、戦災によりほとんどが焼失しており、現在な勅使門と水盤舎が現存するのみです。



        
                                               家綱霊廟勅使門(重文)


                               



          
                                                                   綱吉霊廟勅使門(重文)



                        
                                   十三代将軍家定の正室天璋院篤姫の墓所もありました



        
                                 国立博物館脇に因州池田家上屋敷の表門が移築されていました(重文)

   

 

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