ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

「民主主義」が戦争をする?

2006-07-31 | 政治
イスラエルがパレスチナのガザ地区に侵攻、占領したのに続いて、レバノンまで侵攻して、戦争を始めている。パレスチナの人たちがハマスを選挙で選んだことに欧米の国々が懲罰を加えていることから、世界は自分たちを支持すると思ってやっているのだろうか?民主主義を標榜する欧米の国よ。投票で選ばれたハマスを認めよ。

 女性や子供といった非戦闘員が何百人とイスラエルのミサイルや空爆で死んでいった。アメリカはイスラエルの侵攻に目をつむり、ライス長官もなかなか腰を上げなかった。ようやく中東を訪問したときには、すでにイスラエルによる占領が進んでいた。アメリカはイスラエルの侵攻の邪魔にならないように、時間稼ぎをしていたようだ。ライスも中東でイスラエルの主張を代弁して、ハマスへの経済制裁、ヒズボラの武装解除を画策している。

 こんな時に、中東を訪問した小泉はいったい何をやったのか?イスラエルを訪問して平和と安定というお題目を唱えただけで本気で中東問題に仲介の労を執ろうともしなかった。アメリカのお先棒を担ぎに行っただけだ。イスラエルのミサイルでどれだけ多くの無辜の人たちが殺されているか。人畜無害の北朝鮮ミサイル発射実験に経済制裁決議だと騒いだ首相が、多くの人が殺されているイスラエルのミサイル発射に理解を示している。二枚舌はアメリカだけではない。

 アメリカの要請によって停戦を受け入れる振りをしたイスラエルは、今日もレバノンを空爆し続けている。「自衛のための空爆は、停戦のらち外」と言ったとか。いつも戦争をする勢力は「自衛のため」と称する。自衛のためといわなかった戦争はない。自衛のための軍隊も、だから、侵略のためにある。

 世界の愛する人たちよ。戦争をやめさせよう。イスラエルとアメリカに勝手な人殺しはNOと言おう。自衛のための戦争もNOと言おう。戦争はダメだ。戦争はいやだ。平和を!

サンナシ小屋に本棚ができた

2006-07-30 | 日記風
久しぶりに日曜日にゆっくり休めた。休みを待っていたように(実際待っていたんだが)、今日は本棚をくみ上げた。サンナシ小屋にようやく本棚ができ(写真)、本が並び始めた。これまでの段ボール本棚から卒業だ。

 といっても、この本棚は3年前の地震で壊れたものを作り直したもので、あちこちに亀裂が入っているのを何とかだましながら組み上げたものだ。今度大きい地震があったらきっとまた壊れるに違いない。しばらくは働いてくれるだろう。

 小屋の周辺は草がぼうぼうと生えて草の波に流されそうだ。長靴を履いて腰近くまで伸び出した草を分けて歩かねば小屋にたどり着かない。今日は快晴。気温も上がり、草原や歩く道には蝶の姿が目に付く。ミヤマカラスアゲハの青緑色の美しい羽。カラフルなクジャクチョウ。サカハチチョウやエゾスジグロシロチョウなど多くの蝶が飛び交う。

 毎年この時期になると、柳の樹に地元の人がヤナギシイタケと呼ぶキノコ(正式和名はヌメリスギタケモドキ)が生える。しかし今年はどうしたわけかキノコが少ない。今日も一本見つけただけだった。季節が遅くなっているのだろうか。秋が楽しみだ。

すばらしい雨竜沼湿原の自然6

2006-07-29 | 花と自然
南暑寒岳の頂上から再び同じ道を雨竜沼湿原まで下りる。徐々に天候が回復してきた。帰りの雨竜沼湿原は、太陽に照らされた湿原の花たちを楽しむことができた。霧に包まれた花もいいが、明るい光の中で見る高山植物の花もまた美しい。

このような素晴らしい雨竜沼湿原がなぜ残されているか?もちろん人口が少ない北海道の片田舎にあることも大きい理由だが、もっとも大きい理由は登山道を登って1時間半は自分の足で歩かねばたどり着けないことが大きい理由だと思う。昔の尾瀬ヶ原がそうだった。私も若い頃尾瀬ヶ原に憧れて遠く広島からやってきたが、大清水のバス停から三平峠を越えて長蔵小屋に着くまで、一日いっぱい歩いた。それだけ歩いて初めて湿原を見ることができたのだ。だから尾瀬ヶ原の自然は守られていた。その後、鳩待峠までにバスが通い、車も乗り入れ、檜枝岐方面からも大型バスが連なって入るようになり、尾瀬ヶ原までどこから行っても1時間くらいで入れるようになってしまった。便利になればそれだけ自然は壊れてしまう。

 雨竜沼湿原がそのようなことにならないように、地元の人たちにとくにお願いしたい。決して便利にしないでください。観光客を雨竜沼湿原に多く呼び込もうとしないでください。観光客は登り口までで良い。自分の足で歩いて登山をする人だけがあの静かな美しい湿原の佇まいを愛でる権利を持つ。

どちらのミサイルが怖い?

2006-07-28 | 政治
北朝鮮がミサイル発射実験をしたことを、国連安保理で制裁決議までして大騒ぎした日本だった。たかがミサイルの発射実験に何を大騒ぎしているんだと思っていた。たしかに、漁船でもいたら危ないことに変わりはない。ひとこと危険水域に何時間か立ち寄らないようにという事前の予告くらいあっても良かったのではないかと思う。が、日本の対応は、結局は北朝鮮のミサイル発射実験を、さも日本に向けてミサイルを発射したように民心をあおって日本の軍国主義化に利用しようとしただけだった。テレビも新聞もそれをしってか知らずか、大騒ぎに同調した。

 ところがお笑いだ。25日の夕方、兵庫県沖で日本の自衛隊がミサイル発射実験を行った。しかし、防衛庁は何の事前予告も行わず、目の前に水煙を立てて着弾したのをみた漁船が大あわてで避難した。遭難しても不思議はなかった状況だ。日本政府の阿倍晋三官房長官よ。北朝鮮を非難できるのか?日本政府は自分自身を国連安保理で非難してみろ。大笑いだ。

 怖いのは北朝鮮のミサイルではなく、日本の自衛隊のミサイルだった。もし漁船に被害が出ていたら、自衛隊はどうするんだ。自衛隊が日本の国民の安全に何の関心もないことがよく分かった。自衛隊は自衛隊しか守らない。国民は自衛隊から自分たちの安全を守らなければならない。なんてこった。沖縄戦の時に、日本軍は国民を守らなかった。同じことが将来も起こるだろう。軍隊では安全は守れない。憲法の全文と九条にあるように、諸国民の信頼に依拠してこそ安全はあるのだ。軍隊を持たないこと、侵略はしないこと。アジアの人たちにそれらを示してこそ、われわれの安全はある。

豪雨と猛暑

2006-07-26 | 環境
九州の豪雨も一段落したようだ。被害に遭われた多くの人たちにはお見舞いします。早く梅雨が明けると良いですね。最近毎年のように集中豪雨で記録更新という言葉を聞くようになった。

 アメリカのカリフォルニアでは、46℃という記録的な猛暑だという。30人が暑さで死んだらしい。アリゾナ州でも45℃を記録したという。体温が36℃くらいだから、45-6℃というのは想像もできない。42℃のお湯に入っているのも熱くて長くは入れない。45℃の気温が半日も続くのは、死ぬしかない温度のように思う。

 台風の大型化、豪雨の記録破り、各地の猛暑など聞くと、やはり地球上の異常気象がそろそろ本格化しつつあるなあ、と思う。アメリカの猛暑やハリケーン被害などを聞くと、地球温暖化にもっともエネルギーを使って貢献しているくせに有効な手だてをしようとしないアメリカ、京都議定書の発効にも妨害を続けたアメリカに与えられた天罰じゃないか、と思うが、被害を受けているのは最下層の黒人やヒスパニック系の市民(クーラーのかかった部屋にいるワスプたちは被害を受けないだろう)だと知ると、やはり気の毒だ。

 もう昔の原始時代に帰るのは嫌だとか、現在の便利さを維持したままなどという甘えた対策では人類の未来はないと思うべきだ。日本も京都議定書を推進した当事国の責任でも、目標達成は不可能だなんて言っていないで真剣に取り組むべきだ。それによって経済が後退してもしかたない。国民が死んでしまったら、経済の発展なんて何の意味もないのだから。ミサイル7発くらいに騒いでいる人が首相になるようでは日本の将来もない。アメリカは人類の破滅の責任を取れ。

すばらしい雨竜沼湿原の自然5

2006-07-24 | 花と自然
最後のちょっとした坂を登ると南暑寒岳の頂上だった(写真)。1296m。霧のような雲に包まれて周りの景色は見えない。

 暑寒別岳に登りたいと思っていたが、ここから大きくコルを下り、さらに2時間半も登る気持ちにはならなかった。雨竜沼湿原から南暑寒岳までは花を見なければ退屈な登りだ。

 頂上で休んでいると二組の登山グループが登ってきた。そのとき、いきなり霧がすーっと晴れて、北の深い谷間と麓の森がくっきりと見えてきた。思わず声がでる。こんなに高く登ってきたか!と。ほんの10秒ほどの霧の切れ間だったが、頂上から満足して引き返すことができた。

すばらしい雨竜沼湿原の自然4-ヒメザゼンソウ-

2006-07-24 | 花と自然
雨竜沼湿原の出口から暑寒別岳の登山道が始まる。登り口にオオバナノエンレイソウとシラネアオイの花が咲いている。きつい登りが始まり、ネマガリダケの道を汗を流しながら登る。

 登山道には立派なネマガリダケが密生している。タケノコ狩りに来る人が多かったのもうなずける。しかし、今は特別保護区になり、いっさいの植物採集が禁止されている。それでも盗みにくる人たちがいるらしい。タケノコ狩りにきて遭難する人がいる。

 登山道の両側のネマガリダケの隙間に、ヒメザゼンソウの葉が見える。根元を探してみると、やはり今ヒメザゼンソウの花が咲いている(写真)。地味で目立たない花だが、この時期に花をつけ、実は翌年まで続くという。そばに咲いているエンレイソウの花も同じような黒紫色だ。歩いていると今度はオクエゾサイシンが目立たない黒紫色の花を地面の近くに咲かせている。ツバメオモトの白い花が少し残っているが、ほとんどは散り去って、まだ青い実をつけている。

 登るほどに天候が良くなってきた。雨はもう降り止んで、雲も少し高くなってきた。いくつか頂上かと思わせるこぶを越えて南暑寒別岳はまもなくだ。

憲法九条をあらためて守らなければならない

2006-07-22 | 政治
映画「日本国憲法」を見た。アメリカ人のジャン・ユンカーマン監督が作った日本国憲法の映画。

 改憲問題を議論する時に、われわれは日本のことだけを考えていることが多い。圧倒的な人たちはそうなんじゃないか。しかし、アメリカ人の目で日本の憲法状況を見てみるとどうだろうか。そう言う目で見てみたら日本の憲法がこんな風に見えるのだ。よく考えてみると確かにそうだ。

 靖国神社への公務員の参拝は、日本の問題だと思っている人が多い。たしかに日本の憲法に違反しているかどうかは大事な観点だ。しかし、アジアの人たちから見た靖国参拝は決して日本の内部の問題ではない。これは中国や韓国の人たちの反応を見て、初めて知る人も多いに違いない。それでも「内政干渉だ」などとまだ分からない人も多い。

 憲法改正問題もそのような観点から見る必要があることをこの映画はよく教えてくれる。私もこの映画を観てあらためてその観点が重要であることを理解した。映画の中で言っているように、日本の東南アジアへの侵略戦争を日本は謝罪していないのではないか?という疑問に答えるのは、憲法九条である。日本は二度と侵略をしない。そのために武力による紛争解決をしない。だから軍隊を持たない。これが憲法九条である。アジアの人たちが日本が戦争に負けた時に、日本の天皇制の存続を許し、日本人の戦争犯罪の多くを特赦で許したのは、日本が憲法九条を作ったからだ。その九条を変えて軍隊を持つとしたら、アジアの人たちは日本を許さないだろう。ドイツと違って日本は真摯に侵略戦争を反省しているとは思えないからだ。それが小泉首相の靖国神社への公式参拝がはっきりと証明している。

 憲法を改変してはならない。九条を変えて軍隊を大手を振って持つ時は、日本の平和と安全も無くす時だ。

すばらしい雨竜沼湿原の自然3

2006-07-21 | 花と自然
雨竜沼湿原には実に多くの花が咲いていた。種類も多い。オオバナノエンレイソウのように春の花がまだ咲いているかと思うと、早くもエゾカンゾウが黄色に湿原を彩っている。平地ではすでに終わってしまったハクサンチドリが濃い紫から薄いピンク色までの色彩変異をみせて、いたるところに咲いている。ヒオウギアヤメ、グンナイフウロ、オオタチツボスミレなどの紫色の花が目に付く。

 湿原の中心部はまだワタスゲ(の実)が一面見られる。高層湿原らしい風景だが、残念ながら雨の中のワタスゲは、ちょっとみすぼらしい。木道をゆっくりと花を楽しみながら歩いた。ほとんど人がいない。広い湿原にわずかに二組の登山者が私の歩く木道を前後しながら歩いている。

 この静かな木道を歩きながら、若い頃尾瀬ヶ原を歩いたことを思いだした。もうずいぶん昔になる。あのころの尾瀬ヶ原はちょうどいまの雨竜沼湿原のように静かですばらしい高層湿原だった。ミズバショウの花の時期以外には登山客に会うことも少なかった。アヤメが原のすばらしい湿原を散策した。その後時を経ずしてアヤメが原の湿原は登山客の踏み荒らしで無くなってしまったと聞いた。その後、2-3度尾瀬ヶ原に出かけたが、人の多さに辟易してしまった。もうあまり行きたいと思わない。

 この雨竜沼湿原が尾瀬ヶ原の二の舞にならないことをただ祈る。私のブログを見て猫も杓子も雨竜沼湿原へ出かけようと思わないでいただきたい。本当にこの美しさをそのままに愛でる人だけが出かけて欲しい。いつまでも残したい自然だ。(つづく)

すばらしい雨竜沼湿原の自然2

2006-07-20 | 花と自然
先週、暑寒別山塊に出かけた。雨竜沼湿原を見たかったので雨の中を出かけた。予報は雨。登山口のキャンプ場にテントを張って翌朝の登山に備える。しかし、夜半に激しく雨が降る。明日は無理かな、と思いながらもすぐに寝てしまった。キャンプ場にテントは一張りだけのさびしさとうれしさ。

 翌朝は、降ったりやんだりの雨の中を出発。吊り橋を二つ渡り、頭は雨に濡れ、身体は汗に濡れて登る。雨具を脱ぐわけにいかないが、着ていると汗が流れてくる。白竜の滝は雨水を集めて見事な水量だ。額から流れる汗に眼鏡が曇って良く前が見えない。眼鏡を取って歩く。1時間半ほど登ると突然ゆるやかな登りになる。雨竜沼湿原の入り口に到着だ。

 雨竜沼湿原は広々としている。その中を一本の木道がどこまでも続いている。池塘のほとりに高山植物が乱れ咲いている。ミヤマキンバイの黄色が鮮やかだ。高山に来たという感じがする花だ。大きくてあざやか。(つづく)