ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

政権交代こそ必要

2008-01-31 | 政治
暫定税率をめぐる与野党の攻防が一段落したようだ。衆参両院の議長のあっせんで、年度内に一定の結論を得るという案を与野党が受け入れたようだ。これで審議が始まることになる。

 与党のつなぎ法案の提出は審議もしないで採決するというおかしな法案だったが、民主党の審議拒否というのも結局はマスコミの批判にさらされることになり、与党の思う壺のような気がしていた。国会の審議でガソリン税の暫定税率がなぜ40年以上も続くのか、不必要な道路をなぜ作るのか、開かずの踏切などといわれる問題をなぜこれまで後回しにしてきたのか、しっかり与党を追求してもらいたい。

 環境税の創設を今度こそ要求すべきだ。自民党は財界に遠慮して環境税には絶対反対するだろうから、選挙では暫定税率の廃止と環境税を争点にすべきだろう。昨年の参議院選挙での民主党への熱気は早くも過ぎ去りそうだ。小沢代表の大連立への態度や議院採決の軽視などが、民主党から与党への風の吹き戻しを呼んでいる。

 解散が遅くなればなるほど民主党は勝てない。自民党の選挙準備はもうかなり進んでいる。かれらも今回は必死だ。この機会に自民党を過半数割れに落とさなければ、日本のまともな政権交代は起こらない。政権交代がなければ官僚支配も終わらない。

 私は民主党を本当はそれほど支持していない。憲法への態度があいまいでいつ大連立で憲法改悪の企てに乗ってしまうか分からないからだ。それでも政権交代は起こらないといけないと思うから今は民主党を応援している。民主党が政権獲ったら今度はきっと他の政党を応援することになるだろうけど。
 

寒中の梅と神頼み

2008-01-30 | 日記風
暖かな日射しにつられて、高田馬場の古本屋を覗いてみた。コートを着て少し歩くと汗ばんでくるような暖かさだった。けれども日陰にはいると風がまだまだ冷たいことを実感する、そんな寒中の日だまり散歩になった。

早稲田の杜のそばにある穴八幡宮には、善男善女がわんさと押しかけている。一陽来福のお札をもらうために、長~い列を作って並んでいる。老若男女がそろっているが、驚いたことに若い女性が非常に多い。本心か否かはしらねどもカルトに流れる若い女性の心理は不思議としか思えない。

 あまりに暖かなので、そろそろ梅の花も咲き始めているかもしれないと、湯島天神に足を伸ばしてみた。2月7日から梅祭りのようだ。2-3本の梅の古木が花をつけている。白梅だが、一本ごとに少しずつ白さが異なるように思える。


 けれども、やはりまだ梅には早いのだろう。境内の梅の木のほとんどはまだ堅い蕾のままであった。すでに受験シーズンは始まっている。学問の神様である菅原道真を祭った湯島天神には、毎年この時期に受験の祈願に来る受験生と家族で賑わう。絵馬を掛けるところには絵馬がもうこれ以上は掛けられないほど膨れあがって吊されている。


「苦しいときの神頼み」は自分でも覚えがないわけではないが、本気で信じていたわけでもない。絵馬を掛けた受験生はどれだけ信じていたのだろうか。遊び心ならいいんだけど。それにしても、穴八幡にしろ湯島天神にしろ、神頼みが多すぎる。
             

湯たんぽが懐かしい

2008-01-29 | 日記風
寒い日が続く。北海道から引っ越してきた今年一年は寒さ知らずに過ごせるのではないかと思っていたが、なにがなにが、寒い寒いと毎日を過ごしている。毎日こたつの守りををしている。

 部屋の中をきちんと暖房している北海道とちがって、こちらの生活は部屋の暖房はつけたりつけなかったり。寒いとストーブをつけるのだが、火力も北海道のものと比べると圧倒的に弱い。こたつがもっとも手軽な暖房装置になる。灯油ストーブは灯油の値上がりもあるし、化石燃料を燃やすので二酸化炭素排出にも貢献するので、できるだけつけないように心がけている。北海道と違ってストーブをつけなくても死に至る心配はない。寒いけど。

 私の書斎(と呼べるかどうか分からないが)は北向きの部屋だから一日陽も差さず、部屋は氷室のようだ。それでもなるべくストーブはつけない。居間で二人以上いるときはストーブをつけるのだが。部屋でパソコンに向かっているときは、厚手のコートを羽織り、膝には毛の膝掛けをし、手には手袋。それも指先だけ出ている手袋だ。これはパソコンをするのに大変便利。それでも眠る前には指先が氷のようになっているので、お風呂の残り湯で少し暖める。

 最近は省エネもあって湯たんぽが復活してきたようだ。なかなか良い傾向だと思う。エネルギー浪費から少ないエネルギーで生活する工夫をこれからはしていかなければならないだろう。湯たんぽは我が家にはないのだが、買いに行きたいと思っている。湯たんぽの暖かさが懐かしく思い出される寒さである。

 明日は暖かくなると言う予報だ。厳冬期は過ぎたのだろうか?春が待たれる。
 

ジュゴンが勝利した辺野古基地問題

2008-01-27 | 政治
大阪人はタレントに弱いので、ひょっとしたらと心配していたが、やっぱり橋下徹氏を府知事に選んでしまった。内容よりもタレント性が大事なのだろうか。それとも選挙とはタレントの人気投票だというのだろうか。わいせつ知事をだしたり、役人気質が抜けない女性知事だったり。大阪もこれからが心配だ。

 もっともこれから自治体選挙で重要な選挙が続く。いまもっとも注目したいのは岩国市長選挙だ。米軍再編にからんで沖縄の米軍戦闘機を岩国基地に移そうという計画に岩国市民がノーを言っている。井原市長は住民の意向を汲んで米軍再編拒否を貫いてきた。住民投票では、実に85%近くが米軍戦闘機の移転に反対の意志を示した。これで市長がイエスをいえるはずもない。

 ところが市議会は国の以降には逆らえないと移転ノーを叫ぶ井原市長の予算案を否決し続けた。防衛省は、国の意向に逆らう井原市長に露骨な「アメとムチ」の政策をつきつけた。今回の米軍再編とは別の基地強化受け入れとの交換で約束した市庁舎建設費の35億円助成金を最初の一年間で打ち切ってしまった。お上の威光に逆らうやつには約束を破ってもかまわないという露骨なやり方だ。

 市議会の予算案の度重なる否決に、市政運営ができなくなった井原市長は自分の首と引き替えに予算案を通してもらい、今一度信任のために市長選挙に立候補した。選挙は2月10日だ。この選挙で井原氏を当選させることは、業者とゴルフをして利権をあさっていた防衛省の天皇たちのやり方に市民の側からあらためてノーを突き付けることだ。圧倒的な多数で井原市長の再選を見たい。

 米軍再編計画への防衛省の「アメとムチ」の政策は沖縄普天間代替基地である辺野古を抱える名護市でも同じである。基地建設賛成派の市長でさえも当初名護市は助成金を支給されなかった。国の卑劣なやり方に住民の怒りは大きくなるばかりだ。

 辺野古の米軍基地建設で埋め立てられる大浦湾のジュゴンを原告の一人としてアメリカカリフォルニア連邦地裁に訴えていた「ジュゴン訴訟」で、ジュゴンが勝訴した。裁判所はアメリカ政府が基地建設においてジュゴンの保護に考慮を払うよう命令を出した。住民とジュゴンの大勝利だった。アメリカと日本政府はこの高いハードルをどうやって越えるだろうか。アメリカ政府は辺野古計画からの撤退も視野に入れているかもしれない。
 

大霧山へ 巨人伝説ダイダラボッチ

2008-01-26 | 花と自然
今週も低山歩きのハイキングコース、東秩父の大霧山から定峰峠を歩いた。
(写真は大霧山)
大霧山の標高は767mと低いし、平野部にも近いから、雪のことはあまり気にかけずに登った。小川町の橋場から舗装林道の間を縫うような登山道を登る。45分くらいで粥新田(かゆにた)峠に到着。以前登ったときはここまで車で上がった。しかし、今日見たところ峠のあたりの林道は圧雪・アイスバーン状態だった。車で上がらなくて良かった。峠から大霧山への登りにかかる。

 このあたりから登山道の雪がどんどん増えてきた。軽く考えていたのは、雪がそんなにあると思わなかったことと、大霧山の印象が比較的平坦な頂上だったからだ。しかし、今日登ってみて「こんなに斜面がきつかったかな」と思った。短時間だったけど、斜面がきつく、雪があるので歩きにくい。軽く見たのでスパッツもアイゼンも持ってこなかった。せめてストックでもあると楽なのだが、私はいつもストックを持たない。軽アイゼンでも持ってくれば良かったと後悔したけど、後の祭り。

 吹きだまりなどでは膝を超えるほどの雪があった。平均でも北側の登山道は5-10cmくらいの雪だった。しかし、土曜日だったのでトレースがしっかりついていた。スパッツを忘れたのはそのおかげでなんとかなった。アイゼンをもってこなかったので、斜面は一歩一歩キックステップで登る。おかげでハイキングのつもりで来たのに今日は帰ってから足が筋肉痛だ。

 天気は良くて展望はよくきいた。遠く特徴ある奥秩父の両神山が見え、その向こうに白く見えるのは八ヶ岳だろうか。右にひときわ白い独立峰は浅間山だ。下の写真に写っているのは、すぐそばの笠山。一名おっぱい山だ。

巨人伝説は日本だけでなく世界中にあるが、ここ東秩父でもダイダラボッチ伝説が残っている。むかし、武蔵野に大太坊(だいだぼう)という巨人がいて、定峰峠に腰を下ろし、かぶっていた笠をとって置いたところが笠山になった。粥新田峠で粥を煮て食べ、食べ終わった釜を伏せたところが釜伏山となり、お箸を置いたところが二本木峠となった。また、荒川の水を含んで吹き出した霧が大霧山になったという。

 先日来の強風で澄み切った青空と大霧山の頂上を眺めていたら、昔の人が大空から睨みをきかせている巨人を怖れ敬った気持ちがふっと分かるような気がしてきた。

 大霧山から峰伝いに旧定峰峠を越えて定峰峠まで歩く。定峰峠では一軒だけ店をあけていた茶店に立ち寄り、おばあさんの手作りの暖かいうどんを、持参の冷え切ったおにぎりと一緒に食べて人心地がついた。ここからはバスの終点白石車庫までまた雪に埋もれた登山道をたどる。白石のバス停に着いたら一時間に一本のバスがでたばかり。車を置いてきた登山口まで県道を小一時間歩いた。風のないところは日だまりで暖かい。雪がいっぱいあったが、春も近づいている気配がする。
 

インサイダー取引の再発防止

2008-01-25 | 政治
 NHKの職員が報道の情報からインサイダー取引をして金儲けをしたことが明らかになって、橋本会長らが24日辞任した。もっとも橋本会長は24日に任期が切れる予定だったので、それまで辞任を引き延ばしたとも言える。職務上、そのような情報を知り得る立場の報道に携わる人は、そもそも株取引など禁止すべきだと思う。NHKに限らない。民法も新聞社も、報道機関の人間は基本的に株取引を禁止すべきだ。そうしない限り再発防止など出来るはずがない。自分の名前で取引しないで情報だけを流すという手もあるのだから、親族の株取引も禁止した方がいいのかもしれない。

 ついでに言えば、公務員も株取引は禁止すべきだろう。公務員は業界の動きを知りうる立場にある。とくに経済産業省などの経済官庁はそうだ。事前に知りうる立場の人はいつでもインサイダー取引をする誘惑があると考えられる。公務員は全員株を購入してはならない。そんな再発防止策はどうだろう。自民党さん、この際考えてみては?

 日本列島が冬将軍に席巻されている。北国では大雪のようだ。サンナシ小屋は雪に埋もれているだろうか。2月に行くつもりだけど、スキーを履いていこう。久しぶりのクロカンスキーができそうだ。
北では 

暫定税率廃止の悪影響という嘘

2008-01-24 | 政治
民主党・共産党・社民党などのガソリン暫定税率廃止の構えに、自民党や公明党はもちろん、官僚やマスコミがそろって潰しに掛かっている。総務省は暫定税率を廃止すると地方へ回る財源がこれだけ減るという試算まで発表して、自民党を応援している。

 また、地方の道路族ともいうべき議員が総決起集会などを開いて、気勢を上げている。曰く「生活は道路だ。道路が出来ないと地方が疲弊する。開かずの踏切を何とかしなくちゃ」などなど。それに民主党の議員までがでかけて、道路道路と騒いでいる。マスコミも踏切で30分待ちだ、なんて言って道路を造る必要があると騒いでいる。

 しかし、なぜかマスコミが言わない事実がある。道路特定財源は2006年度に7000億円も余っている。しかも道路特定財源の内、古い道路の補修や新しい道路建設に使われたお金は50%、約半分くらいだという。「きっこの日記」によると「それ以外には、建設関係の公務員宿舎を建てたり、リクレーション費用に充てたり、温泉旅行やゴルフコンペ景品代にあてたり、天下り官僚に高級車を買い与えたり」しているらしい。そんなことのために高いガソリン代を支払わせられているのか。

 自民党やマスコミは暫定税率をやめたら道路を造る財源をどうするつもりだと、野党案を批判する。しかし、暫定税率1リットルあたり25円をやめても、本来のガソリン税がまだ29円分はそのまま残る。道路特定財源の半分以上は今まで通り税収が期待できるのだ。それなら、必要な道路に使う財源は十分にあるのではないか。29円分の税収だけで優に3兆円は超える。いらない道路や官僚の贅沢に使う金はもういらない。

 マスコミもマスコミだ。いやマスゴミだ。開かずの踏切を解決するのや、バリアーフリーの道路を整備するのに暫定税率は必要だなどと政府の提灯をもっている。本当にマスコミの馬鹿さ加減にはあきれるばかり。これまで34年間の暫定税率でなぜそれをやらずにほとんど車が走っていない自然破壊道路を造ったのか、34年間の道路行政の問題点をこそマスコミは検証すべきではないのか。自然破壊をしてしかも自分たちの懐を肥やすことに専念していた緑資源機構の大規模林道を許してきたのは誰だったのか。道路公団も同じ穴のムジナだ。マスコミは自分たちの責任をこそ追及するべきではないのか。


医療政治の貧困

2008-01-23 | 政治
救急医療が問題になっている。救急車で搬送される重傷者・重病者が病院に受け入れを拒否されて、手当てが遅れるという事例がたくさん報告されるようになった。そのほかに、緊急病院があちこちの地域で無くなってきている。産科医院の無い地方はかなり前から多くなっていた。医療の地方格差が広がっているだけではなく、都会にも医師不足で閉鎖する病院が相次いでいる。

 これはどうしたことだ。医師不足などは一朝一夕に解決できる問題ではない。医師の養成は長い時間が掛かる。そのくらいのことを考えずにきたのだろうか。厚生労働省(政府)のこれまでの行政のあり方と自民党政治が問われている。

 医療全体の再構築をするのは政府の仕事である。ここはしっかりと腰を据えて根本的な対策をたてて欲しい。暫定的な改革はもういい。暫定税率と称して34年間も続いた税金もある。さらに10年続けようというまるで頭のおかしな法律案が政府から国会に出ている。税制改正も抜本改革を言われて久しいが、不公平税制についてはいっこうに改革する気配が無く、消費税ばかりが増税増税と騒がしい。いつまでたってもその場しのぎの政治をやってきた自民党政権。そろそろ終わりにしたい。

 登山をしていると、山小屋泊まりになることは多い。山小屋には定員はなく、泊めて欲しいという人がいたら、何人でも泊める。五月の連休の丹沢の山小屋などは、畳一枚に布団を二つ敷いてそこに6人が詰め込まれることもある。それでも山小屋では泊まりたいという人を追い出すことは基本的にない。泊めないと命にかかわるからである。救急車で搬送される人には、本当に緊急でない人もいるかもしれないけれど、命にかかわる人もいると考えるのが常識でしょう。それを断る病院というのはどこかおかしいと思う。たしかに医師が足りないことはよく分かる。そして今それが問題になっているのだ。もっとも、緊急病院が救急車で搬入される人を断るという異常な状態がないと、医療政策の貧困さに誰も気がつかないということも哀しい現実なのかもしれない。亡くなった人は無駄死にだったのか、それとも今の医療体制の不備を体を通して訴えた犠牲者だったのか、それは為政者の今後の取り組みに掛かっている。
今日は本格的な雪になった。が、道路には雪が積もらなかった。関東のアスファルトはまだ温度が高いからだろう。

同性への愛か、美への愛か

2008-01-22 | 日記風
久しぶりに古い映画を見た。1971年の映画だからもう40年くらい前の映画だ。昔見たことがあったような気がしたが、今日見ても思い出さない。かなり当時は有名な映画だったので、いつのまにか自分も見たような気になっていたのだろうか。映画の題名は「ベニスに死す」。作者はあの著名なトーマス・マン。そしてビスコンティ監督、ダーク・ボガード主演のイタリア映画だ。

 古い映画ファンならきっとあらすじは知っているだろうが、ボガード扮する有名な音楽家で大学教授が、ベニスのリゾートホテルで出会った若く美しい青年に心惹かれ、やがて彼を心から愛するようになるが、青年はただ冷たくあしらうだけ。教授はついに彼の美しさに恋いこがれて狂い死にするという話。美しいものへのあこがれは異性であれ同性であれ変わらないというのが作者・監督の伝えたいことらしい。見終わって「う~~ん。そうだろうか?」。

 しかし、この映画は130分の上映時間でほとんど会話がない。ボガードも台詞の全くない映画に出演してどう思っただろうか。台詞がないということは、その分を演技ですべて表さないといけない。監督のカメラは彼の心理を描写するために長々と風景と彼の表情を描写する。その連続から観客は彼の心の動きを知ることになる。

 「愛のなんたるかを知る幸せと不幸」「愛は人間を幸せに導き、そして愛が人間を底知れぬ不幸へと陥れる」

明日は雪になるだろうか? 

やっぱり嘘だったのか 再生紙

2008-01-21 | 環境
今になって考えてみれば、どうもおかしいと思っていた。やっぱり、というのが正直な気持ちだけど、もっと早くなぜ気がつかなかったのかと思う。再生紙の偽装問題だ。昔から私は仕事で使うコピー用紙は再生紙を使っていた。昔、再生紙は色が黒くて手触りもがさがさしていた。見栄えはけっして良くなかった。しかし、環境のこと、森林のことなど考えて私は再生紙を使っていた。事務局にはいやがられていた。

 ところが、ある時から急に再生紙の紙質が良くなった。非再生紙と変わらない色の白さになった。おかしいなと思ったのだが、業者に本当にこれは再生紙かと聞いてみたら、はい、再生紙です。最近は技術の進歩で非再生紙と変わらない紙質が出来るようになりました、と言われた。そのときは、へえ~~、すごいもんだなあ、と感心した。それが古紙の混入率を極端に下げて再生紙とは言えないものになったのだとは、露ほども疑わなかった。お人好し過ぎたのかもしれない。

 賞味期限を過ぎた商品の販売がいろんなところでばれて偽装偽装と騒がれた昨年だった。北海道の「白い恋人」事件では、賞味期限4ヶ月のものを6ヶ月くらいまで売っていた。しかし、この偽装に比べると、再生紙の偽装はもっと悪質なような気がする。「白い恋人」の賞味期限偽装は、しかし、今週の週刊金曜日に平田剛士氏が書いているように、これまで何年も賞味期限を過ぎた商品が販売されてきたが、それに気づいた消費者はいなかったし、健康被害を受けた人も誰もいなかった。それでも偽装と叩かれて、賞味期限を今度は3ヶ月に短縮して販売を再開した。それなら、これまでの4ヶ月という賞味期限はいったい何だったのか。これまで製造後3ヶ月以上たったものを賞味期限内として買った人は、これからは同じ時間経過したものでも賞味期限切れの商品と言うことになる。4ヶ月を3ヶ月に短縮した基準について業者はとくにありませんと言っている。賞味期限というのはそれほどいい加減なものでもある。

 中国の需要が伸びて古紙の値段が高くなったのが偽装をした理由だと説明した製紙会社があった。たしかにそれも理由になったかもしれないけれど、やはり古紙を再生した紙に新しく作った紙と同じ紙質を要求した消費者に問題があったと言える。もちろん偽装した業者はいわば犯罪に値する責任を負っている。けれども消費者も考えてみるべきだろう。ウソを見抜けなかった私自身を省みて、そう考える。

雪になると予報が出ていたので、少し楽しみにしていた。車もスタッドレスを北海道に置いてきたので、あわててタイヤチエーンを買いに走った。ああ、それなのに、今日は雨も降らない。