ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

日常と政治

2011-11-30 | 日記風
11月も終わりになった。今年もあと1ヶ月。なぜかせわしない。もっとゆっくり生きていきたいし、ゆっくりできるはずなのに、いつまでもせわしない日々が続いている。昨日今日と山を歩いた。といっても趣味の山歩きではない。山を歩いて、いろいろ調べる。どんな杉の木が生えているか。どのくらい生えているか。その杉はいつ植えられたか。その面積はどれくらいか。天然林をどのようにして人工林にしたか。などなどを山を歩きながら調べるのだ。頂上を目指す山歩きと違い、この山歩きは達成感はない。でも山歩きの時にも歩かないような道無き道を歩き、道もつけられない険しい斜面を歩く。かなりつらいが、合計すると趣味の山歩きほど歩いてはいない。それでも体はくたくただ。計画的に歩けないからだろう。

 被災した気仙沼の山を歩いて、街に帰ると、3月11日以来変わらない光景がある。がれきはかなり整頓され、集積されたが、壊れた建物は依然としてそのまま、破れ小屋のごとく立ちつくしている。この景色をそのままに、政府は消費増税やTPP参加というマニフェスト潰しをやろうとしている。福島の現実を横にして、原発輸出協定を締結しようとしているし、原発の再稼働をどうどうと主張するものさえもいる。経済発展に必要だという理由で。経済発展は何のためなのか。人の幸福のためでない経済発展などはいらない。1%の人の膨大な儲けのために、99%の命をなげだすことはしない。原発はいらない。TPPは不要だ。

 山歩きをしながら考えた。コイズミ的騙かしが、いまだに人々に信じられているありさまを信じられずにいる。東京も、大阪も、人々は最低の選択をしている。騙されていると知っていても、夢を追っているのだろうか。かえって自分たちの生活が苦しくなると知っていながら、夢を追っているのだろうか。騙されることがうれしいマゾの世界に生きているのだろうか。そして、人々は99%の中に組み込まれる。亀井静香が、橋下徹や石原慎太郎、平沼赳夫などといっしょに新党を作ろうとしているらしい。うまくいかないとは思うが、実現したらかつての青嵐会の復活だ。日本はあきらかに戦争の道を歩いている。

ガイドブックのうそ

2011-11-28 | 花と自然
木枯らしが吹き始めて、ようやく低山歩きの時期になってきた。今日は、亀岡駅から歩いていける牛松山を歩いた。車がない生活になってから、山歩きも駅から歩けるのがもっとも効率が良い。そこでガイドブックを探して、近くで駅から歩けるところを探すことが多い。今回は、その中でももっとも手近な牛松山を選んだ。京都から山陰線で亀岡まで行き、そこからは歩いて3時間くらい。ガイドブックには、植林帯で何も面白くない山だと書いてあった。曰く「自然林が少ないため花には恵まれない」「単調な一本道」「山中はスギやヒノキの中なので展望は一ヶ所だけ」など、読んだだけでやめとこうかなと思ってしまう。でも、一度は行ってみようと出かけた。

 距離も短いので、朝のんびりしてしまった。亀岡駅に着いたのは10時を少し回ったときだった。駅前から保津川下りの観光船がでている。今日は船から紅葉を見ようという観光客でいっぱいだ。それを横目に見ながら出来たばかりの保津橋を渡る。見晴らしは良いが、この橋は車のための橋らしい。歩く人には大回りをさせられる。乳母車を押したおばあさんが、うんざりしたような顔をして歩いてくる。この橋が出来る前はもっと小さくて古い橋だったが、もっと歩く人に便利なところにあった。車で人が通るようになって、歩く人のことなどあまり考えて作られていない。

 街中を少し歩いて、登山口から牛松山へ向かう。本格的な山道になる直前に、福性寺というお寺があった。小さなお寺だが、その参道のモミジの美しさに心打たれた。かならずしも赤い色がきれいになっているというわけではないが、周りの竹林とスッキリした参道のモミジの調和が素晴らしいと感じた。京都の街中のお寺では、今日はものすごい人手で、どこも押すな押すなのありさま。モミジの美しさなどゆっくり鑑賞している暇はない。それを考えると、このお寺の紅葉は、見ているのは私一人。深閑とした森の中で、ただひっそりと紅葉を進めているモミジ。こんな贅沢はない。なぜみんなは人の集まるところへ行きたがるのだろうか。

 牛松山の頂上直下には、金毘羅宮があり、登山道はこの金毘羅さんの参道になっている。道中にはあちこちに御神灯がたち、丁目を示す標石も立っている。道は一本道で、迷うこともない。しかし、ガイドブックに書いてあるような植林帯はどこにもない。京都の北になるけれども、まだ常緑広葉樹が多いが、それでも京都近郊の山よりは落葉広葉樹が多いので、ソヨゴなどの黄葉も美しい。ガイドブックの記述に騙されて、つまらない山だと信じて、カメラも持ってこなかったのが、悔やまれる。

 頂上から愛宕神社へ向けて下山する道も、途中まではやはり雑木林が続く。さすがに、この道の後半はスギやヒノキの植林が続いたが、ガイドブックに書いてあるほど、見るべきものもないとは思えなかった。この著者はよほど失望したのだろうか。下りついたところの愛宕神社本宮も、モミジが美しい。ここも誰一人いない。モミジの木が多いわけではないが、大木の一本に、深紅から緑まで美しい色のグラデーションが見え、しばらく立ち止まって見続けた。贅沢な紅葉狩りの一日だった。今日の歩行時間は、3時間半。ちょっとしたハイキングには最適の場所だった。今度は雪のあるときに来てみたい。

ハシズムは子供の騙し

2011-11-25 | 政治
まもなく大阪のダブル選挙だ。橋下前大阪府知事の維新の会候補がリードしていると言われるが、恐ろしいことが起こりそうだ。あんなどうしようもない人が当選しないだろうと思っていたが、過去にも横山ノックが大阪府知事になったこともある。東京もおかしな知事がいつまでも居座り続けている。東京も大阪も、民度が低い。

 橋下前知事は、大阪を替えようと叫んでいる。変革の予感が若者を引きつけるのらしい。コイズミ首相の劇場型選挙のまねをしているのだろう。そしてそれにだまされる人がいかに多いことか。問題は、どう変えるかなのであって、変えるか変えないかではない。大阪府知事になって橋下さんは、赤字を増やし、福祉予算を削り、保育園を減らした。そして、大阪市長になったら、大阪市を解体して大阪都に財産をすべて吸い取ろうとしている。そして、大阪都の予算を黒字にしようという。でも、彼が大阪市長になったら、大阪府も大阪市も結局、赤字が膨らむだろう。大阪が橋下の私物化されるだけだ。これまでの言動を注意深く見ていれば、簡単に彼の言うことが思いつきのその場しのぎのことでしかないことがよくわかる。彼は、自分の言動に責任を取らないのだ。

 言っていることがまるで子供のようだ。だだをこねる子供とそっくり。そんな人についていったら、若者の将来はない。教育に政治が口を出すべきだというのは、大きな間違い。政治が教育を動かして、太平洋戦争に動員したのは、つい私たちの親の世代のことだ。彼は、その反省をまったく知らない。戦争を知らない世代だけど、戦争を学んでもいない。平松市長がそのまま良いとも思わないが、いまはハシズム(ファシズム)を阻まなければ、若者の未来もない。貧困と戦争が待っている。共産党でさえも、ハシズムを阻むために候補者を下ろした。この意味をもっとみんなは考えよう。

 東京都知事、大阪府知事、京都府知事、福岡県知事と太平洋ベルト地帯に革新知事が勢揃いした時代に、日本の将来が明るくなった。それを潰したのは、中曽根以降の自民党政府だった。人々から希望を奪い取り、貧困を押しつけ、アメリカにひたすらすり寄り、金持ちだけが儲かる世の中を作って来た。そして、フクシマを招いた。橋下さんは、脱原発を言っているが、これほど信用できない人の「脱原発」は、かならず騙されたと知るときがくる。ハシズムを許してはならない。大阪人よ。目をさませ。

止めて欲しいビール掛け

2011-11-21 | 日記風
 ソフトバンク・ホークスが日本一になったとか。プロ野球になんの関心もないが、テレビのニュースで見ていて、頭からビールを掛け合う儀式が相も変わらず行われているのを見て、強い違和感を覚えた。ビールとはいえ、食べ物の一部だ。小麦から作るもので、小麦を主食としている民族は多い。日本でも米に代わって主食に近づいている。東日本大震災の被災者を思う言葉が、ホークスの監督のコメントに入っていたが、本当にそう思うなら、ビールを頭から掛けあうなどと言う儀式は一番にやめるべきではないだろうか。喜びを表現したいという気持ちは分からないでもないが、食べ物を無駄にすることを当たり前のように行うのは、もうやめにして欲しい。それだけのお金でもやめて寄付に回したなら、ソフトバンクの名前はさらに輝きを増したに違いない。節電と節約こそ、いま求められている。原発を廃止し、子供たちの時代を安心できるものにするために。

北の国から

2011-11-17 | 花と自然
北の国から雪の便りが届いたが、先週末に釧路にでかけたときは、その暖かさに驚いた。11月中旬と言えば、釧路では冬タイヤに履き替えていなければ、いつスリップ事故に遭うかわからない時期だ。年によっては雪にも遭う。ところが、先週末は雲一つない快晴で、風もなくコートがなくてもぽかぽかと暖かい。小春日和なのだった。それにしても例年よりも2ヶ月近く寒さが来るのが遅いようだった。地元の人に聞くと、やはり異常な天候だという。この時期、良い天気なのはむしろ当たり前なのだが、釧路市内では、季節外れの濃霧に襲われた。前を走る車の姿が見えなくなるほどの霧だった。これも釧路では6-7月なら普通のことである。驚くことはない。でも、11月になってこんな霧が出るのは、やはり相当暖かいことの証明だ。

 釧路から厚岸にかけての海岸は、3.11の大震災のときに、津波に襲われている。東北に比べるとたいしたことはないように思うが、それでも2mを超える津波が来たらしい。人命には被害がなかったから、あまりマスコミも騒がないが、それでも養殖の牡蠣筏などは、ほとんど流されたという。それでも厚岸町ではカキの種苗を自前で供給できる施設を持っていたので、急遽増産して、来年以降のカキの出荷は例年の8割程度は確保できるという。

 決定的な被害を被ったのは、アサリ業者らしい。アサリは、地元の干潟に山砂を入れて造成し、アサリ畑を作っていたが、それが津波で流されてしまった。いわば人工干潟の畑が流された。アサリの種苗は地元で自然産卵によって定着するアサリ稚貝を使っていた。何もしないでも毎年新しい稚貝がつく。ところが、畑ごとアサリがいなくなってしまったので、今年新しい稚貝が定着しても、出荷できるまでには7-8年かかるという。厚岸のアサリは、本州のアサリと違って、殻が大きい。最近のハマグリに比べても厚岸のアサリは大きい。かつては、自主規制で殻の長さが6cm以下は獲らないとしていたらしい。6cm以上のアサリは、さすがに最近はお目にかからなくなったが、それでも4cmはある。しかも一年の半分以上は水温が10℃以下という厚岸なので、アサリの生長は非常にゆっくりで、4cmになるのにも6-7年はかかるらしい。つまり、アサリの出荷ができるのは6-7年後になるらしい。

 そんな厚岸で、津波後に値段が上昇したというカキをたらふく食べた。久しぶりにおいしいカキを食べることができ、満足満足。やはり水産物は北海道がおいしい。京都の寿司はとてもじゃないが、北海道の食材を新鮮なまま食べたあとでは、太刀打ちできない。京都はやはり野菜を料理して食べ、食後に京菓子を愛でるのが、京都らしくて良い。肉や魚は、京には似合わない。

 駆け足の北海道行きだったので、見て歩くこともできなかったが、暖かな釧路でおいしいものを食べ、まずは満足して帰ってきた。京都も今年は冷え込む秋の夜がなくて、紅葉は期待できないようだ。今週から急に冷え込んできたが、紅葉よりももう落ち葉の季節になってしまった。異常な天候や災害や人災が続いた今年には、むしろふさわしい秋なのかもしれない。紅葉などに酔いしれているときではないぞと、自然が教えてくれている。今月末には、また東北の沿岸に出かける。

「公約は守らなくていいノダ」

2011-11-08 | 政治
野田首相が、公約にない消費税の増税を行おうとしている。民主党は、かねてから、消費税の増税に反対し、一部の増税論者も、増税をするときには、総選挙で民意を問うと述べてきた。ところが、野田政権は、カンヌで開かれたG20で、消費税を10%に増税することを言明した。これは国際公約をしたことになり、民意を問うとした公約に明白に違反する。しかも、その点を問われた野田首相は、増税関連法案が成立したあと、解散・総選挙を行って信を問うとした。これは、消費税を上げてしまえば、選挙をしても増税を撤回することにはならないという、おぞらく財務相官僚の読みに従ったのだろう。もともと野田首相には、民意を問うという姿勢はなかった。

 これは、明らかな公約違反である。民主党は、当面は消費税を上げず、上げるときはかならず民意を問うと繰り返し公約してきた。ここまで公約を無視し続けて、第二自民党になりきるなら、民主党はやはり一度政権を投げ出し、総選挙の洗礼を受けるべきだろう。野田政権は、あきらかに自民党への先祖返りをした政権だ。野田首相の言をよく読むと、解散総選挙は、増税を実施する前という。増税法案が提出される前ではなく、成立したあと、実施に移る前に民意を問うと述べている。これは、実際は総選挙で増税の是非を問うと言うことではない。増税の地ならしをしたあと、解散するといっているが、今の日程では、増税が実施される頃に今の衆議院議員の任期が切れる。何も増税を民意に問うために総選挙をするつもりはないと言っているに等しい。増税を選挙で問うと民意はかならずしも賛成にはならないから、なにがなんでも増税をしたい財務省にとって、増税で民意を問うなどは考えてもいない。

 大増税をしたい財務省にとって、この大震災はまさに願ってもないチャンスなのだろう。復興のためと言えば、増税もしかたないと人々も納得せざるを得ない。それをいいことに長年暖めてきた増税案を一気に出してきている。私も増税のすべてが悪いとは思わない。むしろ法人税などは、もっと累進課税にして増税すべきだと思う。この不景気と言われる中で、大企業を中心に日本の企業は250兆円の内部留保を持っていると言われている。これだけの内部留保を貧困層に再分配するべきだし、ましてやこれだけの大災害が続いているために、人々の救済に法人税の増税で答えるべきだろう。ところが、野田政権は法人税の減税を画策し、一般庶民の税金は上げようとしている。まったくどこを向いた野田政権なのだろう。民主党はそういう政党ではなかったはずだ。

 国民の大反対を尻目にアメリカ大事でTPPへの参加もむりやり推し進めようとする。経団連の品のない会長が、TPPへの参加を強く求めているように、日本国内で儲かるのは一部の大企業だけだ。中小企業は大部分消滅する。農業もダメになる。農業は米を作っているだけではない。日本の大事な環境を守る役割もしている。TPPに参加すると、日本の食料の自給率は、いまの40%から13%に減少するという計算も出されている。自給率を50%以上にすることこそ、日本の食の安全に必要だ。TPPに参加するとアメリカの小麦や米や大豆が日本の食を支配するだろう。それらは恐ろしい遺伝子操作作物ばかりだ。

 野田首相は、TPPの参加を取りやめ、普天間基地を返還させ、辺野古の海を埋め立てることをやめるべきだ。アメリカが怖くてそれができないなら、今すぐに政権を投げ出すべきだ。